反対!反対!OK!さあ一年に一度の舞台の幕開けです。
(吹奏楽)今月開かれたコンサート。
2日間で1万人を集めました。
演奏するのは淀川工科高校吹奏楽部の生徒たち。
3年生にとってはこれが最後の演奏会になります。
淀工を率いて50年の…3年間育てた生徒のために別れのタクトを振ります。
淀工吹奏楽部がいつも練習しているのがこちら。
賞状トロフィーがずらっと並べられています。
淀工は全国大会で史上最多27回の金賞を受賞しています。
ところが彼らの半数は実は高校に入って初めて楽器を手にしたんです。
その彼らが3年間練習を重ねてきたのがこの場所です。
ここで泣いたり笑ったり共に過ごす中でお互いを高め合ってきました。
3年間の集大成のコンサート。
その舞台までの最後の2週間を見つめました。
朝6時半。
当番の部員が鍵を開け朝練が始まります。
吹奏楽部に所属しているのはおよそ200人。
全校生徒の3/3にもなります。
朝から夜9時まで懸命に楽器と向き合います。
顧問の丸谷明夫先生はこの学校で電気工学を教えていましたが定年退職後名誉教諭として吹奏楽部の指導を続けています。
(笑い声)丸谷先生が送り出してきた生徒は2,000人。
製造業などに就職する人専門学校へ進学する人。
楽器を手放す生活が始まります。
3年生最後のコンサートまで2週間余り。
1万人分のチケットは既に売り切れです。
このコンサートは大舞台を踏んだ事のない1・2年生にとってはまたとない勉強の機会です。
年が明けて丸谷先生の本格的な指導が始まりました。
これまで経験の少なかった1・2年生の実力も試されます。
特にトランペットパートは3年生の層が厚かったため1・2年生がコンクールに出て鍛えられる事がありませんでした。
昨日かてな練習やった方がましやねんけど見とけ言うてたやん。
ちゃう?練習の甘さを突きつけられた1・2年生たち。
3年生も同じ道を歩んできました。
トランペットパートの1・2年生。
練習に打ち込みます。
小学生の頃からトランペットを始め中学でも吹奏楽部でした。
丸谷先生に憧れて淀工に入学しましたがその後実力が思うように伸びず焦りを感じていました。
前嶋さんは先生との交換ノートに書かれた言葉を励みにしています。
練習の成果を自覚させるための淀工ならではの方法があります。
みんなの前で1人ずつ吹かせて10点満点の点数をつけていくのです。
トランペットパートの1・2年生が順番に吹いていきます。
(男子生徒)何点ですか?
(男子生徒)何点ですか?自分の実力を思い知らされる瞬間です。
(男子生徒)何点ですか?新井!
(笑い声)1・2年生のために3年生が一緒に練習をします。
前嶋さんを教えるのは2年生の時からコンクールメンバーとして活躍していた3年生です。
横に並んで交互に吹く。
丸谷先生が考え出した練習方法です。
同じフレーズを何度も何度も繰り返します。
先輩が必ず横でお手本を示す事。
楽器の初心者が多い淀工では長年このようにして先輩の技術が後輩へと受け継がれてきました。
コンサートまで1週間を切りました。
この日は休日。
練習時間が10時間以上にも及びました。
小便も出ぇへんやんこんなもん。
最後の最後まで一つの音にこだわります。
ラスト!心が伸びやかに生き生きと。
3年間の積み重ねで丸谷先生が何よりも大切だと教えてきた事です。
どうしたら自分の思った事を楽器でしゃべれるのか。
ずっと試み続けてきた3年生たちです。
いよいよコンサート当日。
おはようございます。
ふだんは一流の音楽家たちが演奏するホール。
響きを聞きながら細かい修正を重ねます。
本番直前の控え室。
音を聞いてもらいたいと3年生が声を掛け合って集まってきました。
3年間で1万時間を超えた練習時間。
最後の10分です。
大きすぎる。
伸ばして。
フルート聞けフルート!舞台裏。
何かを書き留めている3年生たちの姿がありました。
1・2年生の楽譜に託した3年生からの最後のメッセージです。
山野君ちょっと…。
泣きそうや。
321ゴー!就職していく3年生にとって共に演奏し続けてきた仲間との最後の舞台です。
反対!反対!OK!1年生たちが踊りで先輩を盛り上げます。
・「青空に胸をはって」・「ホップ」・「立ち止まりステップ」・「振りかえりジャンプ悩むけど」3年生全員で演奏するのはカーペンターズのメドレーです。
淀工の入学式で必ず歓迎の意を込めて演奏される曲。
もらった喜びを今度は自分たちが届けます。
舞台裏では1・2年生たちが先輩の姿を目に焼き付けていました。
コンサートの最後。
2年生の演奏で3年生が自分たちの旅立ちを歌います。
・「遥か長い道のりを歩き始めた」・「君に幸せあれ!」
(拍手)先生に憧れて入学してきた…・
(丸谷)一番練習をしましたこの子たち!ありがとうございました!
(拍手)
(拍手)これから別々の道を歩んでいく生徒たち。
音楽と向き合ってきた時間が心の中で輝いていきます。
3年生が引退して2週間後。
1・2年生の懸命な練習が続いています。
トランペットの1年生前嶋さん。
タタタタタタタタ!淀工の新たな1年がここから再び始まります。
2015/04/13(月) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 かんさい熱視線「ラストコンサート〜大阪 淀工吹奏楽部〜」[字]
吹奏楽の強豪校として全国に知られる大阪府立淀川工科高校吹奏楽部。3年間で1万時間に及ぶ練習を重ねてきた3年生の「卒業コンサート」に臨む、顧問の先生と生徒達の物語
詳細情報
番組内容
全日本吹奏楽コンクールで史上最多、27回の金賞を受賞した、大阪府立淀川工科高校吹奏楽部。1月中旬に大阪フェスティバルホールで開催された演奏会には、のべ1万人が集まった。このコンサートで3年生は事実上「引退」。そして下級生は、そんな3年生たちの後ろ姿を胸に刻む。3年間で1万時間に及ぶ練習を重ねてきた生徒たちは、どんな想いで舞台に立つのか。彼らを3年間育てた顧問の先生が生徒たちに「贈る」言葉とは…。
出演者
【出演】登坂淳一
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
音楽 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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