春休みの校舎。
子どもたちのにぎやかな声が聞こえないとやっぱりちょっと寂しいものですね。
こんばんは。
いつまでも子どもの心を忘れずにいや子どもの心のままの中井貴一です。
誰もいない教室〜。
…のはずなんですがほら見て下さい。
弁当を広げている大人たち。
あらおいしそうじゃないですか〜!こちらは大きなおにぎりだ〜。
え?毎日教室?ん?理科室で?理科室でお弁当ってあんまり食べた事ないですね〜。
何をしている方たちだと思います〜?持ち上げて俺の方へ引っ張ります。
はい。
誰もが一度はお世話になった事のある黒板。
お〜外れた。
へえ〜黒板の裏側ってこんなふうになってんだ〜。
持ち上げろ。
はい。
よく見ると黒板の表面にはたくさんの傷痕。
これを工場に持ち帰って一つ一つ直すのが彼らのお仕事。
もちろんそのままでは帰りません。
同じサイズのきれいな黒板と交換。
でもこれも補修済み。
つまり中古の黒板なんです。
え〜?これ新品じゃないの?ピカピカじゃないですか〜!ちなみに1枚の重さは30キロ。
取り外した黒板は工場へ持ち帰り再び使えるようにします。
ここに黒板の補修販売を専門に行う会社があります。
もちろん新品も扱っていますが仕事の9割が補修。
年間およそ1,000枚もの黒板をよみがえらせます。
注文が集中するのは学校の春休みと夏休み。
ふだんは社員3人でコツコツ在庫の黒板を補修しピカピカな黒板をストックする日々。
2代目社長の武内稔さん67歳。
そもそも黒板とはベニヤ板の上に金属の板その表面に緑の塗料を吹きつけたもの。
表面の塗料を削る事で消せない文字やテープの跡をきれいに落としていきます。
更に指先でへこみを確認。
見つけたらパテを埋め込みデコボコを補修。
あ〜結構へこんでる部分多いんですね〜。
なるほど〜。
黒板に青春の傷痕ありですかね〜。
平らになったら緑の黒板塗料を吹きつけ均等に1ミリの厚さに仕上げます。
これを乾燥させれば出来上がり〜!…かと思いきやもう一作業。
わあ〜水をかける?ゴム製の棒に目の細かい紙やすりを巻いて水で滑らせながら一斉に。
こうする事でチョークの粉がのりやすく文字の見やすい黒板になるんだとか。
かつて黒板のほとんどはこうした手作業で作られていました。
しかし昭和50年代第2次ベビーブームの子どもたちが小学生になる頃手作業では生産が追いつかず機械による製法が主流に。
全国に100以上あった水研ぎ黒板の工場は今や10社ほどなんだそう。
真冬だろうと素手で作業。
僅か0.3ミリを削るきめこまやかな感触は素手でないと分からないといいます。
実はかつてこの仕事を辞めようと夫に言った事もあったんだとか。
社長の言葉で続けてきたこの仕事。
時には黒板に贈られた子どもたちからの寄せ書きも。
工場へ持ち帰ってからもうれしくてしばらくそのまま飾っていたそうです。
今共に作業する加藤さん実は長女の夫。
もともと別の仕事をしていましたが職人の技術に憧れ8年前にこの道へ。
水研ぎの技術はしっかりと受け継がれる事になりました。
この日午前中で研ぎ上げた黒板は10枚。
古い黒板をよみがえらせるこの仕事。
毎日使っている先生でも知らない人意外に多いんだそうです。
さあお昼の時間!取り付けの日は教室でランチでしたがふだんはみんな2階の事務所で…ってあれ?あれ?武内さん?下おりちゃうの?ねえ武内さん?あ〜なるほどね。
四六時中一緒にいる妻への配慮ですか。
今日はアルバイトの方と一緒に。
ふだんはいつもこの休憩室で一人ランチ。
これが武内社長のサラメシ。
妻眞由美さんが作ってくれる大きなのりなしおにぎりが定番。
おかずは昨日のすき焼きの残りに菜の花のからしあえ卵焼きと紅しょうがは毎日欠かさないんだとか。
へえ〜何か特別なこだわりがあるんですかね〜。
何だ優しいじゃないですか!社長〜!頑固なんかじゃない!優しい〜!一方2階の事務所では眞由美さんと加藤さんで義理の親子ランチ。
加藤さんも愛妻弁当。
梅とひじきのおにぎりは小さめサイズ。
で眞由美さんはというと?夫婦おそろいののりなしおにぎり。
という事は中身もおそろいですかね?あそっちなんですね〜。
優しい〜!家に帰ると卵焼きの出来で盛り上がるんだそうです。
やった〜!社長〜!2階で褒められてますよ〜!助け合えるところは協力して黒板も弁当も夫婦の共同制作。
黒板工場のサラメシごちそうさまでした。
働くあなたのランチに突撃〜!え?ハハハッ。
では今日はこの方と!ランチを挟めば心が開く!聞かせてほしい!働くあなたの心の声を。
だから今日もあなたとさしでサラメシを!「さし飯」!午後2時とランチにはちょっと遅めの時間に向かったのは飲食店が立ち並ぶビルの地下街。
なじみだという中国料理店へご一緒させて頂く事に。
ありがとうございます!改めまして本日のお相手は…信託銀行勤続32年だそうです。
お待たせ致しました〜。
サクラエビのホイコーローでございます。
社食は混むから落ち着かないといつも外食派だそうでこの日はホイコーロー定食をチョイス。
ごはんとおかずをしっかり食べられる定食がお決まりのランチスタイルなんだとか。
お〜!割とがっつり!銀行では企業年金の運用に関するコンプライアンスを担当しているという竹本さん。
社内のルールを整えるためヒアリングや意見交換など日々さまざまな部署との会議が多いんだそうで…。
(取材者)3つ?へえ〜。
聞けば一日7つも会議をこなす事もあるという竹本さん。
7つって〜。
さては会議の達人現るか!?はあ〜会議が面白い?初めて聞きました。
そんな竹本さんに会議が苦手という20代のサラメシスタッフがつい本音を…。
なるほど。
会議の目的をはっきりさせ寛容な心で臨む事が合意への近道なんですよね竹本さん。
せっかくのお昼どきにうちのスタッフがほんとにほんとにお世話になりました。
よいご意見を頂きました。
感謝です〜!続いては皆さんから頂いたランチの物語をご紹介!「みんなのサラメシ」。
まずは大阪府のもりとさん女性の方から。
え〜と「私の夫は消防士で身長182センチ。
肉好きなので弁当には目いっぱい肉を詰め込みます。
牛肉200グラムにごはんはぎゅうぎゅう。
どれだけ詰めても空で戻ってくるのがうれしくて弁当箱もどんどん大きくなっちゃいました」って。
しかし夫が内勤になってしばらくたった今年正月。
衝撃のひと言が…「弁当箱小さくして」。
でご覧のとおり弁当のサイズは半分に。
おかげで夫の体重は2キロ減。
が…今度は自分が2キロ太っちゃった〜?実はもりとさんたくさん作っちゃう癖が抜けず弁当に入りきらなかった分全部食べちゃっていたんですって。
夫婦で体重プラマイゼロってまあそれも仲のいい証し!続いては長野県の陽子さんから。
「看護師の夫が日勤の日は毎朝弁当を作っています。
夫の好きなものしか入れないのが私の決まりです」。
へえ〜うれしいじゃないですか!その決まり。
ツナ入り豆腐ハンバーグに焼きジャケにごま昆布のおにぎらず。
これ全部夫の大好物なんだとか。
朝と夜には苦手な野菜もちゃんと出すそうですがお弁当だけは特別。
その訳は母のこんな言葉があったから。
「お弁当に嫌いなものは入れちゃいけない。
お弁当は開けてうれしいものでなければいけない。
それが心の栄養になるのだから」。
わあ〜深い!結婚した時この言葉を聞いて気付いたそうです。
学生時代母の作ってくれた弁当は好物ばかりだった事。
テストや課題がつらくても弁当を食べれば元気が出た事。
だから今は弁当を食べた夫が午後も笑顔で働けるようにと思いを込めて…。
いいじゃないですか好物弁当!これからも続けて下さいね。
続いてもこんな投稿を頂きました。
大石貴之さん34歳の方から。
タイトルは…え〜と…「実は今年の3月で私の父が定年します。
父は小豆島の小学校で校長をしておりその小学校も父と同じく3月で閉校する事になりました。
父の最後のサラメシを取材して頂けませんでしょうか」。
春は別れそして旅立ちの季節。
このサラメシが学校と校長の最後のランチ。
しかと取材させて頂きます。
いざ香川県は小豆島へ。
おはようございます。
(取材者)おはようございます。
はようからご苦労さまです。
こちらが投稿者の父土庄町立渕崎小学校の最後の校長大石雅章さん。
(取材者)先生すてきな…。
ああこれあの〜…子どもたちを受け入れたいと思います。
フフフ。
何でも昨晩息子さんから電話がかかってきたそうです。
「最後の日はプレゼントしたスーツをビシッと着て行けよな!」って。
生徒数128人の渕崎小学校。
創立138年を迎えた今年校舎の老朽化や児童の減少に伴い隣町の小学校と統合する事になりました。
この校門で児童たちを迎えるのも今日が最後。
(一同)おはようございます。
おはようございます。
うまい事言うな。
生まれも育ちも小豆島という大石校長。
60年の人生で島を出たのは大学時代のたった4年だけ。
農学部で造園について学びながら公園の管理者になる事を夢みていたんだそうです。
専攻していた農業関連の就職試験は全て不合格。
にもかかわらず小学校の臨時教員試験には一発合格。
教員免許を持っていなかったので通信教育で免許を取得し教職の道を歩み始めました。
で気付いたらふるさと小豆島で定年退職の日を校長で迎える事に。
そんな大石校長のランチタイムはいつも児童たちが給食を食べる30分前。
え?何で校長だけ早メシなのかって?以前番組でも取り上げましたが実はこれ検食と呼ばれる校長の大事な仕事の一つ。
その日の給食を事前に校長が食べ味はもちろん調理に不具合がないかどうかなどチェックするんです。
「かきまぜかぁ」ってこちらが最後の検食サラメシ。
実は大石校長小さい頃大のおばあちゃん子だったそうでよく作ってもらっていたのが…ほかにもうどんや菜の花のお浸しなど郷土の春を思わせるメニューばかり。
最後の給食思い出と共にゆっくり味わいたいところでしょうがまずは校長としてしっかり検食。
義務教育で9年教員になってからは38年。
計47年もの間給食を食べてきた大石校長。
この日もいつもどおりきれいに完食。
安心して食べられる給食の陰に校長のサラメシあり。
午後からはこの小学校で行われる最後の行事。
退職や転任が決まった先生方を送り出す離任式。
(児童)大石校長先生。
校長先生はどんなに寒い朝でも校門に立って笑顔で挨拶をして下さいました。
本当にお疲れさまでした。
(拍手)大石校長先生は今日で最後。
ふるさと小豆島の子どもたちのために力を注いできた38年。
小学校と共に幕を下ろします。
働く父の姿は息子の目にはどういうふうに映っていたのか。
番組に投稿をくれた長男貴之さんは小豆島を離れ東京で暮らしています。
(取材者)NHKの「サラメシ」と申します。
おはようございます。
よろしくお願いします。
せっかくなんでお父さんにも見せちゃいました息子の本音。
教頭時代はダサかったはずなんですよ。
「それサイズ違うでしょ!」っていう感じの何かズボンとかね靴とかも「何でそこにそれを合わせるの?」っていう。
校長になってちょっとしてからくらいですかね。
あの〜やっとこう何て言うんですかね「あ大石先生オシャレですね」って言われてうれしいんやっていう。
定年とか想像できないんで父が働くのが終わるっていうか…その実感はあるかとか想像していた自分…定年する自分とどう違うかっていうのを聞いてみたいです。
ありがとうございます。
いや本当に。
本当によかったです。
どうもありがとうございました。
まあお前に追いつかれないようにどこまでも駆け抜けていきたいなと思ってるしまあこれで終わりじゃないから。
じゃあ本当にやっぱりありがとう。
大石雅章さん60歳。
この日が新たな人生のスタートライン。
ちなみに島にいるとどうしても先生気分が抜けないのでまずは息子の暮らす東京へ遊びに行くそうで「大好きなビールをたらふく飲むぞ〜!」だそうです。
それでは今日はこの辺で。
お相手は中井貴一でした。
2015/04/13(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]
▽傷つき痛んだ黒板をよみがえらせる工場で仲良く働く家族の弁当をのぞき見!▽香川県小豆島の小学校で定年の日、最後の給食を食べる校長先生。▽ランチで聞く会議の極意。
詳細情報
番組内容
▽長野県にある、傷つき痛んだ黒板を新品のようによみがえらせる工場。仲良く働く家族のあったか弁当をのぞき見! ▽ランチを食べながら仕事の話をきく「さし飯」では信託銀行に勤務する男性に、会議の極意を聞く。 ▽香川県小豆島の小学校で定年の日、最後の給食を食べる校長先生。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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