生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
地球の温暖化に対応するためCO2を減らす最新技術が注目されています。
担当は、室山哲也解説委員です。
室山さん、まず地球温暖化です。
現状は、どうなっていますか。
室山⇒地球温暖化は止まっていません。
二酸化炭素も増えていますので例えば北極の氷が夏場、縮小していたり異常気象を引き起こすとかいろんな状況になっているわけです。
基礎的なことを勉強しますと地球温暖化というのは、もともと私たちの生活の場火力発電所とか工場とか車とか生活しているようなものの中からCO2などの温室効果ガスが大気中に出るこれが原因なんです。
もともとそういうものは森とか海に吸収されてずっと昔はバランスがとれていたんです。
ところが私たちの生活がどんどん文明が発達する中でこの量が増えてしまって、アンバランスになってしまいました。
アンバランスになったためにいろんなことが起きています。
吸収が間に合わないんですね。
CO2を減らす最新技術があるということですね。
もともと低炭素化というか二酸化炭素を出してエネルギーにしたり省エネにするのがもともと対策なんですけれど止まらないのでしょうがないので火力発電所などから出てきている。
CO2を二酸化炭素を地中に封じ込めてしまおうそういう技術が出てきたんです。
この技術をCCSといいます。
CO2CaptureStorage二酸化炭素を回収してためる、貯留する技術です。
これがないと温暖化の被害を止めることができない。
そこまで国際機関が行っていまして各国で実証実験とか実際に始まっている国もあります。
日本でも北海道で実証試験が始まっています。
その様子を見てきました。
北海道の苫小牧です。
この辺は工場地帯です。
二酸化炭素が出るので二酸化炭素の一部をやぐらのところに集めまして地中に封じ込める実証試験をやっています。
やぐらの中に封じ込める装置があります。
室山さんも行かれたんですね。
夏の完成を目指して動いています。
パイプの中に二酸化炭素を入れて圧力をかけて長さ5000mぐらいの穴をあけます。
2本これからあけるということです。
1本はすでにあいています。
海の底の地中の安定した地層に封じ込めるということなんです。
封じ込めた先では圧力がかかっていますので液体のような形になってそこにおさまります。
海の底でそのようなことを行うということなんです。
かなり深いんですね。
模式図で仕組みを見てみます。
二酸化炭素を出す工場など火力発電所で二酸化炭素を集めて排気ガスなのでその中の二酸化炭素を分離して地中99%ぐらいまで濃縮して地層に入れていくということなんです。
地層に入れていくんですけれどここにためていきます。
漏れる心配はありませんか。
心配なのでそこはクリアしなくてはいけません。
大量に出てきた場合地域環境への影響とか調べなくてはいけないことがたくさん出てきます。
そういうことがあってはならないということです。
条件がいくつかありましてどういう条件かといいますとまずためる地層のところに隙間があるということです。
実際の写真ですけれども砂のようなところの間に青いところがあります。
そこに注入していきます。
そこに液体状になっておさまるということです。
次に地層の上に地層の層がなくてはいけませんこれがふたになるということなんです。
上に二酸化炭素が漏れないようにふたになっているということなんです。
3つ目はこの形がわん曲していると望ましいです。
包むようにかぶせるということです。
このような地層があってさらにこの辺り全体が安定している地震などがなくて活断層とか断層がなくてひび割れて上に出てこないようなそういう場所を探さなくてはいけません。
長期的にセンサーを入れて異常がないかということも監視していかなくてはいけません。
世界各国で適地を探しています。
国際機関が発行した図を見てみますと濃いところは有望なところです。
日本あたりも有望なところがあります。
地震国ですので慎重に見つけていかなくてはいけません。
非常に有望なところは石油とか天然ガスを産出しているところと重なっています。
設備を見ましたけれどもお金がかかりそうですね。
お金はかかりますけれども、何もしなかったら温暖化の被害でたくさんのリスクとお金がかかります。
それを食い止めるための技術だというふうに考えたほうがいいと思います。
効率を上げたほうがいいということで3つのアイデアをご紹介します。
CCSをパワーアップしましょうということです。
火力発電所のエネルギー源をバイオエネルギーでやったらどうかということなんです。
森林などを使って発電をすれば二酸化炭素を封じ込めるんですけれど森林のバイオエネルギーというのは木を植えますと育ちますと森林が空中の二酸化炭素をさらに吸収してくれますので循環ができるということなんです。
CCSとプラスしてダブル効果で削減が効果が期待できるということなんです。
2つ目は二酸化炭素の封じ込める場所ですけれども石油や天然ガスがあるところに封じ込めて、その圧力で産出するということです。
石油の採掘になるんですね。
これをまた無制限に使っていいわけではありません。
大切に省エネをしながら使ったりケミカルな化学物質にしたり手当をしていかなくてはいけません。
温暖化にならないような使い方を心がけなくてはいけません。
3つ目は封じ込めた二酸化炭素をこのまま宝の山にできないかということでここにメタン生成菌という菌がいますと、この菌は二酸化炭素がある環境でメタン、つまり天然ガスを作るそういうものがいるんです。
それを入れるなり注入することでエネルギーを作り出していく。
こういうあの手この手でCCSにかかるコストを削減したり価値をプラスアルファしていくというような検討しているんです。
一石二鳥、一石三鳥ということなんです。
最後のメタン生成菌の研究は日本で進んでいます。
産業技術総合研究所のこのグループではメタン生成菌を研究しています。
メタン生成菌は酸素がないところで生息しています。
その特徴とか効果を今、調べています。
顕微鏡でモニターで見てみますと青いところがメタン生成菌です。
光を落としますと光っているところがメタン生成菌です。
これを使ってさっきのようなことをやるということなんです。
バイオCCSという人もいます。
10年後の実用化を目指して研究を進めています。
CCSの最新技術で地球温暖化は解決するんでしょうか。
私たちが忘れてはならないのはCCSは一部でしかないということなんです。
やらなければいけない大本は省エネをして今までやってきた温暖化対策例えば効率の高い電化製品を使うとか二酸化炭素を出さない方法を考えるとかそういったものがベースにあって間に合わないのでこれが出てくるということなんです。
これ以外のものも含めて取り組んでいかなくてはいけません。
CCSが出てきたから大丈夫ということではなくてむしろ温暖化とここまで追い詰められているということで私たちはとらえて温暖化のことを考えていかなくてはいけない。
この技術は日本が得意な技術も含んでいますので世界に貢献もできるということで頑張ってほしいと思います。
室山哲也解説委員でした。
2015/04/15(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「地球温暖化 CO2を閉じ込めろ!」[字]
NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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