ひるブラ 「伝統の美!焼き物にワザあり〜福岡・東峰村(とうほうむら)〜」 2015.04.15


生字幕放送でお伝えします
かやぶき屋根、いいですね。
趣がありますね。
ここは、江戸時代から続く焼き物の窯元なんですね。
あの建物自体も150年の歴史があると。
ここは福岡県東峰村です。
2つの焼き物が350年共存する焼き物の里なんです。
シックでシンプルな焼き物ですね。
400年の伝統、高取焼。
そして、同じ土から作ったこちらは小石原焼です。
この独特のらせん状のデザイン。
これが料理を引き立てるんです。
同じ土から生まれた福岡の2つの焼き物をきょうはご紹介したいと思います。
益若さん!焼き物って興味あります?
まだデビューはしたことないんですけど息子も小学生になるので一緒にできそうかなと思ってやりたいですね。
お子さんと一緒にロクロを回すというのは。
きょうは、そのロクロ土のほうからご紹介したいと思います。
福岡県の東峰村は焼き物には絶対に欠かせないとってもいい土が採れる場所なんです。
東峰村は福岡県の東部大分県との県境にある山あいの町です。
道沿いには至る所に焼き物の窯元があるんです。
ずらっと並んでいますね。
その数およそ50軒。
村の中心にある道の駅ではさまざまな窯元の作品が展示されています。
もちろん実際に買うこともできるんです。
2つの焼き物の特徴なんですが、まずは高取焼。
主にお茶の道具を中心とした気品あふれる陶器です。
江戸時代から福岡藩の御用窯として大切にされてきました。
福岡県内におよそ10軒の窯元があります。
そしてこちらは小石原焼。
こちらも江戸時代からこの地に伝わった焼き物です。
日常的に使われる器が主流でシンプルな色使いそして、ハイセンスな模様デザインが特徴なんです。
午前中に降っていた雨も上がりましたけどね。
高取焼をご紹介しましょう。
この中はギャラリーになってましてその器を見ると土のよさが分かると思います。
この扉なんですけど…。
こうやって開くんです。
跳ね上げ式です。
武家屋敷の名残なんです。
いい感じです、これ、作品。
どうですか?シックな…。
高取焼。
高級感ありますね。
主に茶道具を作ってましたからね。
茶入れとか茶碗
(ちゃわん)。
水差しも。
さらに、なんと400年前の高取焼があるんです。
まさしく、黒田官兵衛とか長政親子がいた時代のものです。
本当に官兵衛はお茶が好きでしたからね。
益若さん。
ハート形です。
ハートみたいですけどハートじゃないです。
くつ形っていうんです。
足に履くくつの形をしてます。
沓茶碗
(くつぢゃわん)といいます。
こちらの窯元の奥様高取七絵さん。
こちらが、よさっていうのはどういったところに?
これは織部風のアンバランスな魅力がある。
あえてこのぐにゃっと言ったら…。
最後は、陶工の方が失敗したってわけじゃ…。
これが味なんですね。
アンバランスな味だと。
貴重なお宝をありがとうございます。
高取焼の土の特徴和食器で見るとよく分かるんです。
これはふだん使いもできる感じなんですね。
厚さが全然、違う。
薄いんですよね。
薄くて丈夫っていうのが高取焼の土で作った器の特徴なんですよ。
これ、さんしょうの実がぱっと、はぜたデザインだそうです。
かわいいですね。
この薄くて丈夫なのを作るには土が重要。
ここからは土と向き合う人の仕事をご覧いただきましょう。
私、ロクロ場に行ってきます。
この建物のすぐ横にロクロ場があります。
土から今度は器へと命を吹き込まれるのがこのロクロ場です。
まだ、焼かれていない器などもずらっと並んでいます。
素焼きもされていない土から形になったばかりの器です。
今、作業されているのがここの窯元の高取八山さん。
これ、今、使っているロクロ注目してください。
下、足で蹴るんですよ。
蹴ってロクロを回すんです。
これ蹴ロクロと呼ばれるものなんです。
どうして電動じゃないかというとやっぱり、この土は薄く作りますので細かいスピードの調節が必要なんです。
だから、こうやって蹴って自分でスピードを調節する蹴ロクロが土に適しているわけなんです。
八山さん、薄く作る…やっぱ、土がいいわけですか?
高取はずっと茶入れを一番力注いできた窯ですので、小石原の土のコシがあって、のびがいいのでこの土を選んだと思いますね。
大変薄作りで作りやすいんですね。
しかも蹴ロクロじゃないとやっぱり?
ひねり返しとかすべて、スピードが少しずつ微妙に変えて作るもんですからまた逆回転で糸を切ったりですね。
このようにいい作品、小石原焼の作品作るにはいい土が必要なんですがちょっと重いんですけどこれが東峰村の土なんですね。
これはこのままではもちろん使いません。
使えるようになるには半年以上かかるんですよ。
ここから、土作りの物語が始まります。
益若さん!益若さん!その土が、こっちにてんこ盛りです。
その土作りの第一歩はこの土を砕くところから始まるんです。
その土を砕く装置をご紹介します。
これ、すごいでしょ!
大きくないですか?
これ、川の水を取り込んで巨大な、ししおどし!
ちっちゃいのは見たことあるけど…。
あまりのダイナミックさに僕、ちょっとびびってます。
近くで見るととんでもなく、すごい。
これが、唐臼
(からうす)っていうんですけど石の臼の中に、土を入れて…すごいんだ!ダイナミックです。
この作業をなんと1か月、繰り返します。
この作業、1か月繰り返す。
この技法も数百年続いているものなんです。
1か月つき続けるとこれ見てください。
さらっさらです。
本当に、きな粉っていう表現が当たってる。
このダイナミックな作業のあとは1か月続いたあとは非常に繊細で地味な作業が続きます、今度は。
その地味な作業をご紹介しましょう。
地味な塩田さん!
私が地味というわけではないですけどこれ、作業は地味なんですけど非常に大切な作業をしています。
これ、何をしているかといいますと…。
水に溶けた土をこうやってすくって別の水槽にざるで、こしてるんです。
土こし場というところですが。
何をしてるかというと取れるんじゃないんです。
唐臼で砕いた土を、まずこちらの水槽に入れると比較的大きな粒、石などは下に沈んでしまいますね。
細かい土は浮いてるわけです。
浮いてる土をすくって今、こっちに入れてるわけですよ。
このざるっていうのは土にとっての関門です。
ここに、引っ掛かってしまう土はだめです。
これを通り抜けた選ばれし土たちがこの別の水槽の底に入っていくわけですよ。
今、濁ってるので別の水槽で見せましょうか。
選ばれし土たち。
分かります?沈殿している土。
これが高取焼の選ばれし土たちなんですよ。
汚れが何もない。
きれいな…。
これが、だんだん沈殿が上がってきて水槽にいっぱいになるとようやく、取り出す。
取り出して絞るとやっと粘土状のものになるんですよ。
これ、非常に粘りがあってきめ細かいんですよね。
これで作るんです。
大体、ここまでくるのに…。
およそ、ここで土コシが2〜3か月かかってまた3か月ぐらい寝かせてから使いますので半年ぐらいかかりますね。
半年かけて土を作るわけです。
それだけ、やっぱりいい土なんですよ粘りがあって、きめ細かい。
ここでできた土で作品を作って今度は焼くわけですけどもこの焼く窯も土に適した窯なわけですよね。
八重桜も咲いててきれいなんです。
桜の横にあるのが登り窯。
大体、大きいですけど何個ぐらい作品、焼けるんですか?
大体、1回で3000個は焼けますかしら。
山の斜面を利用して斜めになってるわけですよ。
これが、焼き物を焼く窯。
これが1、2、3、45部屋あるんです。
これで3000個を焼いていくんですが春と秋にしか、この窯には火を入れないんですよ。
ちょうど今は焼く前。
あと2週間ぐらいで焼こうと思っています。
今、作品がね。
たくさん入りだしたところなのでよかったら中をのぞいてみてください。
この部屋、意外に広くて私170cmぐらいあるんですけど立っても大丈夫な部屋です。
ここに、まきが入るわけです。
一部屋ずつ。
そうなると、この中1300度ぐらいになって非常に高温になります。
高温で焼いてもこの土は耐えられる。
より丈夫で硬いものになるということなんですよね。
作品にも置くコツがあるんです。
今、置いてありますけれども…。
これ、さっき火が私のほうから当たるって言いましたよね。
そうすると、この土に炎の形がつくってことなんですよ。
どういう形がつくのかちょっと、ご覧いただきましょう。
八山さんに持ってきてもらいました。
この登り窯で焼くと…。
例えば、火色っていうんですけど表と裏で、白い土がこのように真っ赤に染まって。
こういう感じで火が当たって火の形が土に刻まれて表情が出ると。
火に強いほうを正面に持っていったらいいんですね
火が当たる方向がどうやら正面のようですよ。
登り窯のよさっていうのはどういうところでしょうか。
この中で炎が激しく舞うんですよね。
その舞うことによって一点一点が全く同じものにならず個性が一つ一つ出るわけですね。
あけてみないと分からないと。
季節によっても湿度によっても違うので毎回、違うんです。
土のよさを最大限生かすためのものなんですね。
こうやって土と向き合ってきた人々の結晶が高取焼に流れてるわけなんですよ。
益若さん!高取焼と同じ土を使っている東峰村のもう一つの焼き物ですね。
先ほど紹介しました、小石原焼。
特徴はなんといってもデザインです。
見てください、これ!全然、雰囲気、違う趣、違うでしょう。
同じ土ですけど。
コーヒーカップもあるし下のほうにはこれ、カレー皿です。
サラダボウルにこれ、カレー皿ですね。
見てください。
益若さんこんなの好きなんじゃない?ランプシェード。
ランプにもなるんですね。
小石原焼なんです。
若い人からお年寄りまで幅広い世代にウケてるのは、やっぱりデザイン模様なんですね。
これ、菊のお花みたいになってるんですけどこれ、刷毛目
(はけめ)っていう模様なんです。
問題です。
この刷毛目は何で付けるでしょう。
割り箸?
なんでですか!刷毛目なんだから、刷毛でしょう。
ロクロを回してるときに土をかけてこういうふうに、とんとん…とこれを刷毛でつけていくんですね。
もう一つ、益若さん。
これ波模様みたいなものこれは何で付けてるでしょう?これ、櫛目
(くしめ)といいます。
櫛です。
これをロクロを回してるときにこうやって、すーっと筋目を付けるんですね。
小石原焼の独特な模様です。
飛びかんな模様といいます。
これは、じゃあ何で付けてるでしょうか。
これ、つまようじですよね?
惜しい!実は、これです。
全然、違いますね。
つまようじと。
これ、何か分かります?これ、実は昔の柱時計とかの中に入ってる、ぜんまい。
ぜんまいバネ、ご存じですか。
このぜんまいバネをこうやって短くカットして、この弾力を使う。
これを使って付けるのが飛びかんなの模様なんです。
果たしてどうやって付けるのかといいますとその一瞬の早技ですから見てもらいたいんですが今からまばたきをやめてください。
一瞬なので。
それでは、よろしくお願いします。
え…すごい…。
付いてる!今、全部、付きました?一列だけ?
いや、全部、付いてる。
あと、びっくりしたのは模様もそうですけど、音なんです。
こちらの窯元の和田さん。
これ、見えないですよね、目では。
なんとなく目では見えるんですけど…。
音が大事なんですよ。
低い音だと、深く入っている。
高い音だと…ぐっと入ってるんですよ。
疑ってますよ、私まだ。
なので、音に注意して…。
このブーンっていう音がすごく心地いいですね。
なんかの羽音…。
空気がふーって震えてるような。
いい音、羽音のふーんって。
それの強弱があるんですよ。
高い低い音があって非常に心地いい音ですね。
いい音だといい作品になったなという感覚はありますか?
硬さによって角度とか速度とかを注意しながら、そのつど変えているので。
音によって微妙に力を変える。
これ、明治・大正から続いている技法なんですね。
こうやって飛びかんな音を頼りに付けたものがこういった形になるわけですね。
これ、普通の人がやったら均等にならないんですか?
やってみますか?
俺のこと?今、明治・大正から続いてる技法だって言ってるじゃない!益若さん、そんな無茶ぶりする?やるの?
あまりにもきれいだからすごさが分からないです。
心の準備ができる前にこれ、東峰村では5月3日から陶器市も開かれますのでもしかしたら、西村さんが飛びかんなを付けた模様が見られるかもしれませんからそんなところも考えながら、西村さん土の思いも込められています。
ちょっと集中させてくれ!
土の色が刻まれるわけですから。
塩田さんと益若さん両方で言わないで!集中してるんだから!
西村さんの土への思い、見せてもらいます!
どうでしょう?
和田さんどうです?この出来栄え。
初めてにしては相当…。
僕、持ってる!2015/04/15(水) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ 「伝統の美!焼き物にワザあり〜福岡・東峰村(とうほうむら)〜」[字]

福岡と大分の県境・東峰村は50ほどの窯元がある焼き物の里。村を代表する小石原焼と高取焼の2つの焼き物の魅力をご紹介!伝統の技におしゃれさが光る逸品は必見です!

詳細情報
番組内容
「伝統の美!焼き物にワザあり 〜福岡・東峰村(とうほうむら)〜」 【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】益若つばさ,【司会】塩田慎二 〜福岡県・東峰村から中継〜
出演者
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】益若つばさ,【司会】塩田慎二

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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