（大山七々子）
杜の都仙台。
伊達政宗が切り開いた人口１００万人を誇る東北最大の都市です
その仙台から仙山線で２５分ほど行った愛子という町に私の住む家があります
いってきます！
（大山夏枝）はいいってらっしゃい。
気をつけてね。
おはよう。
おはようございます。

（アナウンス）「仙台仙台。
ご乗車お疲れさまでした」待ちなさい！ねえこのバッグあなたの？はい。
あなたを窃盗の現行犯で逮捕します。
おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
子供は何歳になりましたか？５歳です。
あなたが１人で子供を育てていくのは大変な事と思いますが今回で４回目の検挙です。
残念です。
どんなに苦しくても子供は母親の明るい笑顔さえあればそれだけで幸せなはずです。
検事さん…。
子供達の事は心配しないで。
あなたが服役している間私が責任持ってお世話します。
ええっ!?だからお務めが済んだら今度こそ真面目に働くと約束してください。
そして明るい笑顔を毎日子供に見せてあげてください。
約束します。
今度こそ目が覚めました。
検事さんありがとうございます…。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
しっかりね。
検事という顔の他に私には誰も知らないもうひとつの顔があります

（戸部金造）春ちゃん！
（春駒）あら金ちゃん。
相変わらず色っぽいねぇ。
お座敷？ええ。
金ちゃんは？勤務明け。
これから１杯やっていく。
今度ごちそうしてね。
喜んで。
じゃあ。
春ちゃんって…誰かに似てるよな？こんばんは。

（長唄）春駒です。
はっ！はっ！よおーっ！はっ！・
（咳込み）
（咳込み）しっかりして！今救急車を呼ぶから！
（野崎竜次）ああああ…。
夜桜…お七。
夜桜お七!?何が言いたいの？誰にこんな…。
そういう事言うんだよ。
どう思う？
（携帯電話）何だよ金ちゃん。
ちょっとごめん。
はい。
日吉町の路地ね。
了解！オヤジ悪い。
（パトカーのサイレン）ご苦労さん。
ご苦労さまです。
ご苦労さまです。
どうだい？
（前田刑事）いやまだ何も出ていません。
大山検事!?金造さん私が事件の第一発見者なんです。
あなたが？あなた方の仕事ぶりを拝見するいい機会です。
やっぱり現場の緊張感ってすごいですね。
はあ…。
失礼します。
『夜桜お七』「赤い鼻緒がぷつりと切れた」「すげてくれる手ありゃしない」「置いてけ堀をけとばして」「駆けだす指に血がにじむ」「さくらさくらいつまで待っても来ぬひとと」「死んだひととはおなじこと」夜桜…お七。
何が言いたかったのかしら？「…燃やした肌より白い花」「浴びてわたしは夜桜お七」・
（夏枝）七々ちゃんごはんよ！七々ちゃんどうしたの？朝っぱらから演歌なんか聴いちゃって…。
お座敷の下準備？ううんちょっとね。
ねえ七々子あんたがね母さんの夢を継いで芸者を続けてくれてるのはホントにうれしいんだけど…。
でも何かの拍子にお役所の人に知れたらと毎日心配でたまらないの。
あんたって娘は何でも突っ走るだけ突っ走ってしまう性分だから。
お母さん私が今辞めたらそれこそ仙台芸者は根絶やしになってしまう。
仙台から伝統文化の灯がひとつ消えてしまうのよ。
お母さんが現役の頃よりはるかに厳しい状況なんだから。
まあそりゃわかるけど。
それにわかさ園の子供達の事を思うともう辞めるに辞められないわ。
遊んでてね。
あの施設には交通遺児や親から見放された子供達だけじゃない。
私が刑務所送りにした人達の子供もいるのよ。
稼げるだけ稼いであの子達の将来のために役立ててあげたい。
だからなおさらお座敷の仕事を辞める訳にはいかないの。
まあ…。
・
（チャイム）美保!?
（入江美保）七々子助けて…。
助けて…。
どうしたの？家がないの…。
私の家が消えてしまったの！どうぞ。
バーゲンのチラシを見てすずふり屋に買い物に出かけたの。
途中道で転んで…。
気がついたらこんな身なりで歩いてるの。
（美保）訳がわからないまま家に帰ったら…。
ないのよ。
ついさっきまでそこにあった家が…。
（美保）上手上手！はい。
（入江雅彦）じゃあね。
お父さんいってらっしゃい。
いってくるね。
バイバイ武志。
バイバーイ。
ねえこんな事ってある？買い物に出かけて戻ったら家も主人も子供も消えてしまってる。
ＳＦ小説じゃあるまいし一体どうなってるの？ねえ七々子教えてよ！美保…あなた何も覚えてないの？覚えてないって…何？ねえ何？覚えてないって何？美保よく聞いて。
あなたは２年前姿を消したまま行方知れずになっていたのよ。
行方知れず!?失踪していたの。
そっそんな…。
ご主人の雅彦さんは警察に捜索願まで出して捜したけど見つからず…。
その間この不況でご主人リストラされてローンが残ってる家を処分せざるを得なくなったのよ。
今は八木山のほうのアパートで暮らしてるはずよ。
でっでもどうして私２年もの間…？こっちが訊きたいわよ。
２年の間どこでどうしていたのか。
なぜ失踪したのか。
覚えがない…。
覚えがない？記憶がないって言うの？何も覚えてないの。
何も…。
ああ…。
それ血？ああ…わからない。
七々ちゃん専門の病院で診てもらったほうが…。
私達の手には負えないわ。
ばあさん！おためごかしに横から口出すんじゃないよ！引っ込んでな！まあ…。
美保…。
あっ私何か言った…？
（医師）お名前は？入江美保です。
ちょっと目に光入れますね。
こちら見てください。
（木村庄助）相原検事正には事情を伝えてあります。
本日の取り調べ分は明日以降に回すように手配しておきましたから…。
ご心配ですね。
中学時代からの友人なものですから…。
あっそれと木村さん昨夜日吉町で起きた事件について何か報告が入っていませんか？いえ今のところは何も…。
そうですか…じゃあ何かあったら電話ください。
美保終わった？ちょっとここで待ってて。
先生にお話を聞いてくるから…。
（医師）こちら診断書です。
そうですか…ありがとうございました。

（美保）ばあさん！おためごかしに横から口出すんじゃないよ！引っ込んでな！そいでその人をね病院の精神科に連れて行ったんですけどそれきりまだ戻ってないんですよ。
奥さんその方の姿格好着てたものもう一度教えていただけますか？いやですからねこうパーッと派手にパーマをかけてそう何ていうのかしらドギツイ化粧をして…。
色はブルー？ええまるで水商売の人が着るような…。
でもね気味が悪いのはねその洋服に血の痕が…。
血の痕!?あそこです。
美保どう？ご主人と坊やに会う踏んぎりついた？いらしたわ。
武志！今頃になってのこのこ出て来てどういう気なんだ？
（美保）どういう気って…。
何が起こったのか自分でもわからないのよ。
記憶がないの！記憶がない…。
はっまるで国会議員の答弁だな。
２年も好き勝手な事しておいて今さら下手ないい訳はよせよ。
雅彦さん美保が家に帰れなかったのは電話でお話ししたとおりホントに記憶をなくしていたからなんです。
病院で診てもらった診断書もここに…。
（雅彦）大山さん！理由はどうあれ買い物に行くと言って家を出たまま２年も失踪していた妻をはいそうですかと素直に受け入れる気持ちになれると思いますか？それは…。
普通に幸せに暮らしていた家庭から４歳の子供を残して母親が突然訳もわからずいなくなったんですよ。
それでも私は美保が何か事件に巻き込まれたんではないかと心配で心配で警察にも何回も足を運びました。
（雅彦）武志は毎日毎日お母さんは？お母さんは？と泣くばかりで。
私は仕事に身が入らず会社も不況の波にもまれ私はリストラされたんです。
それでやっと手に入れたマイホームも手放す羽目に…。
美保がいなくなってからこの２年不運の連続でした。
それでも武志と２人歯を食いしばってここまでやってきた。
美保のいとこの晶子さんも見かねて誠心誠意力を貸してくれてます。
それをいきなり舞い戻って来て元のさやに納まりたいと言われても…。

（嗚咽）美保！ご主人が恨みつらみを言いたくなる気持ちもわからないでもない。
お互いしばらく冷却期間をおいたほうがいいと思うわ。
七々子ありがとう。
大切な仕事も休ませてしまってあっちこっち引っ張り回してごめんね。
何言ってるの。
中学高校からの友達じゃないの。
何があっても私がついてるから安心して。
（嗚咽）おい止めろ。
下だ。
はい。
大山検事。
こちらの方を昨夜の事件の参考人として署にお連れする事になりました。
昨夜の事件の参考人？金造さん参考人ってどういう事？昨夜１１時頃現場付近でガイシャともめている水商売風の女性が目撃されてるんです。
申し訳ありませんが検事のお留守中に彼女の衣服を押収させていただきました。
その衣服が目撃証言と一致するんです。
それに衣服に付着していた血液はガイシャと同じ血液型です。

（笹川警部補）この男知ってるな!?どういう間柄なんだ？名前は？しっ知りません。
見た事も…。
知らない訳ないだろう。
昨晩現場付近であんたがこの男ともめていた。
何人も目撃者がいるんだ。
ですから何も何も覚えてないんです。
覚えがないんなら教えてやるよ。
あんたがこの男刺したんだ！金か！ほら！これがあんたが刺した男の血だ。
ほら！ちゃんとよく見ろ！凶器はどうした？どこへやった？
（嗚咽）記憶がない。
笑わせるな。
女検事は手玉に取ってもこっちはそうはいかんぞ。
いい加減観念して吐いたらどうなんだー!!ちょっと笹川さん。
黙って見てろよ。
こういう手合いはな一気に落とすに限るんだ。
いいかもう一度訊くぞ。
しつこいねあんたも。
知らないって言ってるだろ！これが病院の医師による診断書です。
頭部に古い傷がありそれが原因で外因性記憶喪失にかかったのではないかと医師は言っています。
（相原茂雄）今回記憶が戻ったという事か？はい。
しかし逆に記憶喪失状態にあった２年間が今度は頭から欠落してしまっている状態ではないかと…。
この２年間に何か異常な体験をしたのではないか…という所見は？はい。
私も医師の所見の最後にある極度の怖れやおびえや疑心暗鬼が彼女の潜在意識を支配しているという記述が気になっているんです。
異常な体験…。
いずれにせよ彼女の精神状態は極めて不安定で尋問や取り調べには到底耐えられません。
検事正これは基本的人権にかかわる問題です。
どうか直ちに取り調べや逮捕勾留の停止を…。
しかし重要参考人としての身柄はどうするつもりだ？少なくとも保護監察下に置く必要があると思うが…。
記憶が回復するまで私が責任を持ちます。
当人を私の自宅で保護したいのですが…。
君の自宅で…？医師は精神的ストレスがかからない状況で症状の回復を待つしかないと言っています。
いやしかしだな…。
私とは幼なじみの間柄ですしそれが彼女にとって最善の方法ではないかと…。
何か？ちょっと思い出してね。
何をですか？君と一緒に風呂に入った事をだ。
検事正…。
いやいや…。
君が３歳頃の事だよ。
君のお父さんに夕食に招かれてその時お宅に泊めていただいた時にね。
覚えてるかい？相原さん…。
いえ検事正今は公務中です！はいはいわかりました。
では仙台西署の捜査本部に連絡してその旨伝えておきましょう。
ありがとうございます。
近頃親父さんに似てきたねぇ。
父に？君のお父さんはね仙台一の売れっ子芸者と大恋愛の末結婚するほどの情熱家だったがそれ以上の情熱をこの検事の仕事に捧げた人だ。
その大山さんが死ぬ間際娘の事をくれぐれも頼むと言われた。
まあ父親代わりとして言わせてもらうが身辺だけはきれいにね。
物議をかもすような異性関係スキャンダルは命取りになる。
それだけは頼むよ。
肝に銘じます。
あの女の化けの皮ひんむいてやる！お前達いいか！絶対にあの女から目を離すなよ！はい。
おい。
ここは私の部屋だから何も考えずぐっすり寝て。
七々子…。
大丈夫心配しないで。
ああー！いい気持ち。
こんな時間はね何ともないのよ。
何ともない？朝のうちや日の高い間は心の中が澄んだ水のようになってるの。
でも夕方になって辺りが暗くなってくるとその水が濁りだして…。
自分の知らないもう一人の自分が目を覚ましそうで…。
美保疑いを晴らすためにはそのもう一人の自分と向き合うしかない。
厳しい言い方だけどなくした２年間を見つけ出さない限り元の生活に戻る事も再出発もかなわないわ。
そうね。
そう思う。
でも怖いの。
見たでしょあの私のなり。
血の付いた服。
どんな世界で何をしていたのか？想像がつくわ。
それでも…。
逃げたらダメ！逃げずに闘ってご主人や武志君との生活を取り戻すのよ。
美保帰ろう。
母が食事作って待ってるから…ねっ。
怖い…。
怖い？どうしたの？あの人達知ってる人？検事！どうかしましたか？いえ何でもないです。

明らかに美保の失われた過去からやって来た男達でした

（ノック）はい。
ずいぶん熱心だね。
何を描いてるんだい？思いついた事心に浮かんだ事残らずです。
こうやって描き続けているうちに記憶の糸口が見つかると精神科の先生が。
なるほど。
何か？殺された男の身元が？石巻にあります城之内興業という運送会社の秘書課に勤務する野崎竜次２６歳。
秘書というよりは社長の身辺警護が主な仕事だったようです。
城之内興業…。
（ドアの開く音）彼女やっぱり変だね。
変？いや突然別人のようになって私に媚びを売るんだ。
まあ人間は理性でもう１人の自分を抑えながら生きてると言うが彼女はそんな分身を抑えきれずに…。
検事正。
うん？今誰が彼女を？あっ…。
交代を頼むの忘れた。
金造さん守衛室へ！木村さん食堂と売店へ！はい！美保！どうしたの？ほんの少しだけど何かを…。
思い出したの？何を？血。
血!?ナイフ。
ああ…！私…本当に人を殺したのかもしれない…！七々子どうしたらいい？ねえどうしたらいいの!?あっ奥さんお構いなく。
どうぞお座りになって。
お座りください。
失礼します。
あなた方がいてくださって助かるわ。
２人きりになったらどうしようかと。
さっ。
大山検事はどちらへ？今夜はお座敷です。
どうぞ。
お座敷？ええ。
えっ？あら。
あははは！やだわ私ったら。
いやあの娘ね児童養護施設の理事の仕事もしてますでしょ。
ですからねその関係の方から…そう。
お座敷がかかっちゃったの。
ふふっ。
児童養護施設の理事を。
大山検事はな服役囚の子供の面倒までみてるんだよ。
まったく頭が下がる。
いただきます。
どうぞ。
お菓子もどうぞ召し上がってください。
・
（美保）きゃー！どうしました？男の人がそこに！おい行け！はい！奥さん。
えっ？自分の部屋にいてもらえますか？もうやだわ…。
どうだ？いやこっちには何も。
一体何なんですかね。
彼女をどうしようっていうんでしょうか。
さあな。
おい気を抜くなよ。
はい。

（長唄）もうホントに急に申し訳ありません。
いらしてるんですか？ええもう小一時間も前に。
こっちです。
どうぞ。
失礼いたします。
春駒です。
（城之内徹）いやぁ無理を言ってすまなかったね。
まっ１杯いこう。
ちょうだいいたします。
さすが評判どおりだ。
どんな評判ですか？美貌の上に隙がない。
隙をみせたら食いつかれそうですもの。
仙台の方じゃありませんね。
どうしてわかった？仙台のいい男は残らず知ってますから。
ああ…なかなか言うね。
さっ。
うん。
お座敷おつけしましょうか。
いや楽しみはこの次にとっとこう。
今日はあんたに頼みがあって来たんだ。
頼み？何でしょう？正確には春駒姐さんにと言うよりは大山検事にと言うべきだろうな。
あんたの事は何もかも調べさせてもらったよ。
あんたが預かっているあの女は私のところから５千万円持ち逃げした泥棒猫だ。
５千万円!?もし素直に戻してくれるならあんたが肩入れしている児童養護施設にその５千万の１割を寄付しようと思ってるんだが。
どうだろうか？私が人の話を鵜呑みにしておいそれと友人を売るような半ちくに見えますか？断るって言うのかね。
芸者の裏稼業が世間にばれて地検をクビになっても構わないと？ええ何があっても美保はお渡しできません。
逃げられた!?すいません。
バカ野郎！素人に出し抜かれてどうするんだ！あっそうですか！ありがとうございます！わかりました。
愛子駅の駅員がそれらしい女が列車に乗るのを目撃してます。
２１時１１分発仙台行き快速…やべ仙台駅着いてるよ。
おい前田行くぞ！はい。
あらお帰りですか。
うん。
あのお車でもお呼びしましょ…。
いやいい。
お母さんから伝言で美保って人が急に姿を消したって。
美保が!?どうやらしばし休戦だな。
じゃいずれまた。
どうもありがとうございました。
またのお越しを。
おかみさんハイヤーを大至急！あっ…。
女が消えた。
サツより先に捜し出せ。
（２人）はい。
大山検事すみません！俺達がついときながら。
「今どこ？」今は…一番町アーケードの近くです。
じゃあ５分後に勾当台公園の角で。
運転手さん急いでください。
金ちゃん！春ちゃーん！ちょっと来て。
えっ…いやあの俺大事な人待ってる…。
いいから来て！何？何何…？金ちゃん今から私の明かす事誰にもしゃべらないって約束できる？そりゃあ春ちゃんのためならさ〜。
あっでもね悪いけどそれ今度にしてくれない？あの俺ね人待ってるのよ。
ごめん！大山検事でしょ。
そう。
どうしてそれ知ってるの？検事の大山七々子なら目の前にいるわ。
ええっ!?春ちゃんが大山検事!?今お座敷で会っていた人殺された野崎竜次の雇い主の城之内興業社長城之内徹に間違いないと思うんです。
その城之内ってのが春ちゃん…じゃねぇんだ。
大山検事に脅しをかけてきたっていうんですか。
脅しというより取り引きかしら。
美保を渡さなければ私が芸者をしている事を公にすると言うんです。
それは脅しです。
それにこれは彼が使った猪口です。
現場の指紋照合にと。
よく気がつきますね。
そのくらいの知恵はあります。
ただし指紋採取の経緯を上司にどう説明するか。
任せてください。
それくらいの知恵はあります。
ふふっともかく彼らよりも先に美保を見つけ出さないと。
わかりました。
それにしても…。
春ちゃん。
先輩！突然いなくなったと思ったらこんなとこで芸者としけ込んで！バカ！どういう気なんですか！こちらはお前…！紹介してくださいよ。
あっ行くぞ！紹介してください。
来い！こっち来いバカ！さあ行くぞ！はい！
それにしても美保はどうして家を抜け出したのか
（雅彦）武志は毎日毎日お母さんは？お母さんは？と泣くばかりで。
思い浮かぶ答えは１つしかありませんでした
どうした武志。
食欲ないのか？
（三上晶子）武志君トーストだけでも。
たっ武志！ご苦労さまです。
どうですか？今のところ何も。
・
（足音）じゃあな。
（入江武志）バイバイ。

（武志）おはよう！
（子供達）おはよう！美保…。
魚丸水産…。
あっ金造さん？大山です。
至急手配してください。
（及川三郎）奈美ちゃん捜したよ。
ミキちゃんが君の居場所を教えてくれてね。
ずっとつけてたんだ。
ミキちゃん？ほら君と一緒に働いてたミキちゃん。
あなたは？及川だよ。
忘れたの？城之内興業の連中が血眼で君を捜してる。
見つからないように裏道を通って帰るからね。
（奈美）帰るってどこへ!?
（及川）心配しなくていいよ。
俺に任せな。
ありましたよ！魚丸水産石巻です。
いやおい…塩釜にも営業所があるだろ？よし。
１班は石巻２班は塩釜だ。
急げ！はい。
はい。
仙台から６５キロほど北上したところに位置する石巻市
漁業の町として栄えた日本有数の港町です
営業で使っている車は１０台ほどですが。
その１０台を全部チェックさせてもらいたいんですけどね。
全部!?今全車出払ってるんですよ。
よろしく。
はいもしもし。
えっ？今ですか？今あのひばりが浜の市道にいます。
あっそう。
わかった。
はいもしもし。
今ですか？さつき町のスタンドで給油してますけど。
今友福さんに納めたとこです。
１０台のうち９台の所在が明らかになりましたが不明だった残る１台も翌朝…
松島の漁港で発見されました
同時にその車を運転していたと思われる及川三郎という社員の遺体も
（パトカーのサイレン）車内に残っていた指紋や前回と同じ殺しの手口という事で今回も入江美保を重要参考人として手配する事になりました。
行方はわからないんですね？ええまったく。
５千万円を持ち逃げしたという件については？情報源は伏せて上には報告してあります。
捜査本部はそれが犯行動機と見るでしょうね。
（ため息）私が美保を追い詰めてるようなものだわ。
それにあのお猪口の指紋ですけどどちらの現場からも同一のものは出てきませんでした。
そう…。
金造さんどう思います？客観的状況から言わせていただければやはり入江美保が…。
でも私の知っている美保が５千万ものお金を持ち逃げしてそのために人を２人も刺し殺したなんて到底…。
私も長年数々の事件や被疑者を見てきましたがよく聞くのがあの人に限ってはという言葉です。
犯罪者は往々にして２つの顔を持っています。
相原検事正が言われたように彼女は記憶喪失によってもう１つの人格を抑えきれなくなったんじゃないんでしょうか？
金造さんが頭の中で何を思い描いているか想像がつきました

私こそ２つの顔を持つ女なのです
武志君？武志君！武志君！あなたは？家に戻らないんで心配して捜していたんです。
やっぱり母親が恋しいんですね。
何かしら…。
扉かな…。
扉とぶどう…？
その扉の先に美保が失った２年間が秘められてるような気がしました
桜かしら？夜桜…。
夜桜…お七。
ああいいお湯だった。
七々ちゃんお風呂入ったら？あっはい。
あら。
何これ？ガスタンク？ああ〜。
好きな女が２人いたと思いますよ。
で１人はきりっと理知的で颯爽としてるのね。
うん。
でもう１人で艶やかで色っぽくてキップまでいい。
その２人がだよオヤジ。
ある日突然１人になっちゃったんだよ…。
金ちゃん仕事のしすぎじゃないか？支離滅裂だよ。
わっかんねぇオヤジだな！人生の２つの楽しみが１つになっちゃったんだぞ！・
（ドアの開く音）うう〜…。
あっいらっしゃい。
何だかなこの店。
二度と来ねぇこんなとこ。
バカ野郎…。
検事…!?ごめんなさいこんな時間に。
いやぁとんでもありません。
何でしょう？丸いガスタンクが２つ並んでるような場所金造さん心当たりないかしら？丸いガスタンクが２つ…さあちょっと…。
ああ石巻。
石巻？ええ石巻にありますよ。
石巻…。
あれですね。
これだわ。
間違いない。
美保はこのガスタンクを描いていたんです。
この近くに住んでたって事ですかね？それにこの扉。
きっとこの町のどこかにこの扉が…。
美保は何か思い出しかけたと言ってた。
その記憶を辿ってこの町をさまよってるんじゃないかしら？そんな気が…。
検事は今でも…。
もちろん美保の無実を信じてます。
私まで見放したら美保はどうなります？母親の帰りを待ち焦がれる息子の武志君は…。
金造さんお願いです。
力を貸してください。
出張？今回の事件の核心は石巻にあると思われます。
ですから石巻で捜査をしたいのですが。
大山君君の気持ちはわからないでもないが現場の捜査は警察の連中に任せておけばいい。
君がそこまでやる必要はない。
しかし検事正。
刑事訴訟法第１９１条第１項に検察官は必要と認められる時は自ら犯罪を捜査できるとあります。
それは特別な場合であってだね…。
特別な場合だからこそお願いしているんです。
君は重要参考人が自分の友人だからそこまで力を入れるのか？いいえ違います！検事として事件の真相を究明したいんです。
（ため息）思い返せば君のお父さんも現役の頃我々後輩を連れて現場へ飛び出し警察官と共に犯罪と取っ組み合ったもんだ。
君にもそういう経験が必要なのかもしれん。
検事正…。
そのかわりくれぐれも無茶はいかんぞ。
無茶は…。
はい。
よそ者が目立たない港魚市場盛り場が主な捜索ターゲットです。
すいませんね忙しいのにさ。
ごめんなさいね。
この女性見た事ないか？ああちょっとこのへんで見かけねぇな。
ああそう。
ありがとう。
ごめんね。
恐れ入りますがこの人ご存じないですか？ごめんね忙しいのにね。
石巻は宮城県第２の都市です
ここで１人の人間の足跡を辿るのは至難の技のように思えました
木村さん！はい。
（店主）去年の今頃だったと思うんですが友達になった記念に撮ってくれって言って来られましてね。
（カメラのシャッター音）名前とか住所は聞いてます？さあ…。
伺った気もするがなにせ１年前の事でねぇ。
働いていたところとかそういったお話は？さてね…。
でもあのなりからしてバーとかクラブで働いてたんじゃないですか？ああみんな閉まってますね。
（ため息）これじゃあ調べようがないなぁもう…。
検事夜まで待ちましょうよ！これ…！美保はあの店で働いていたんです。
間違いありません。
客を装って探りを入れてみますか？私が行きます。
（３人）えっ!?こういうところは内部に深く入り込まなければ情報の収集は無理です。
深く入り込むってまさか検事…。
表にホステス募集の張り紙がありました。
いけませんよ検事。
いくら捜査といっても私がお叱りを受けます。
ちょっと検事…いけませんよそれだけは！ありがとうございました。
また来てください。
ありがとうございまーす。
はっいい女ですね。
どれどれ？ホントだ。
バーカ。
検事!?芸者姿もいいけどホステス姿もいいなぁ…。
芸者？うん？
（咳払い）何言ってんだ！・
（照美）奈美ちゃん！あっ…。
どこ行ってたのよ！ごめんなさい。
奈美ちゃんだと思って…。
すいません…。
奈美さんって？最近までこの店にいたんだけど私に何も言わないでいなくなっちゃって…。
仲よしだったの？ルームメイトよ。
あなた新入りさん？面接まだなの。
採用されたらよろしくね。
うん！何でも教えてあげる。
（滝沢）今までどちらで？仙台の国分町のクラブで５年ほど。
何か訳ありみたいですけどちゃんと働いてくれればうちは一切構いませんよ。
いつから来れますか？よかったら今夜からでも。
結構。
いらっしゃいませ。
こんばんは。
こんばんは。
ようっ。
新人のゆかりちゃんです。
ゆかりです。
うわかわいい…。
はい。
どうぞここに座って。
いいですか？お邪魔します。
座って。
あっ空ですね。
１杯作りましょうか。
何かお強そうですね。
濃い目がいいのかな？はい。
どうぞ。
うめぇな〜！お客様秋田の方？そう！よくわかるね〜。
友達が秋田なの。
あっだからすぐわかるんだぁ。
どうぞ飲んでください。
は〜い。
俺もね特に田舎…。
一見してただもんじゃありませんね。
ただ者じゃない？よし。
しばらく泳がせて様子を見るんだ。
失礼します。
お待たせしました。
（お客）おお〜新人の娘？待ってたよ。
さあどうぞ。
最初道端で会ったの。
道端で？うん。
客と朝までカラオケで遊んで帰る途中…。
どうしたの？
（照美）ケガしてるよ。
近くなら送ってってあげるけど家どこ？何も…何も覚えてない…。
車にひかれそうになって倒れて。
それから何にも覚えてないらしいの。
自分がどこの誰かも。
何だかかわいそうになっちゃって。
家に置いてあげたのね？私も男と別れて１人だったし同性と暮らすのも悪くないかなぁって思って。
病院とか警察に連れて行こうとは思わなかったの？本人も行きたがらなかったし私警察苦手だから。
うふふっ！それに１か月ほどしたら見違えるほど元気になって。
いやぁー！あっ！うお〜来たよ波！はあー！ああー！ねえお店で働いてみない？照ちゃんの行ってるお店で？私にできるかしら？あなた顔もいいしスタイルもいいから座ってるだけでお客がつくわよ。
ええ〜？ねえやろうよ〜！どうしようかな〜！
（照美）隠れた才能っていうのかしら？お店に出るようになってからすごいの。
あっという間にナンバー１になって。
ナンバー１に？歌もうまいのよ。
歌？例えばどんな？十八番はねぇ…。
「さくらさくらはな吹雪」「燃えて燃やした肌より白い花」「浴びてわたしは夜桜お七」『夜桜お七』…。
もうその曲ばっかり歌うんでお客から夜桜お七ちゃんなんてあだ名を付けられたくらい。
うふふっ！ナイフ。
私…人を殺したのかもしれない…！夜桜…お七…。
どうして奈美ちゃんの事ばっかり訊くの？知り合い？友達なの。
そっか。
そんな気がした。
２年前行方不明になって捜してたのよ。
そしたらたまたま写真館であなたと美保の写真を見つけて。
美保っていうのねホントの名前。
ええ。
入江美保。
お店からいなくなったって言ってたけど何があったの？奈美ちゃんにはいろんなお客がついてたけど奈美ちゃんを一番ひいきにしてたのが城之内興業の社長の城之内さん。
城之内さん？運送業が主なんだけどあの店のオーナーでもあるのよ。
でも奈美ちゃんには好きな人がいたの。
好きな人って？松島で亡くなった魚丸水産の及川三郎さん？うふっ！及川ちゃんは奈美ちゃんに夢中で毎日のように通ってたけど本命は違うの。
城之内社長の秘書の野崎竜次って人。
えっ？社長に知れたらどうしようってこっちもハラハラもんよ！でもそういう危険な恋ってかえって燃え上がるのよねぇ。
（照美）その２人の仲をホステスのミキって娘が社長にチクっちゃったの。
その次の日よ。
奈美ちゃんと野崎さんが石巻から姿を消したのは。
城之内社長の県会議員選挙に出るためのお金を野崎さんが持ち逃げしたって噂も。
あんたが預かっているあの女は私のところから５千万円持ち逃げした泥棒猫だ。

ようやく事件の全体像が見えてきました
照美さん城之内社長に２人の事を告げ口したミキって人は？土曜日だけ応援に来る娘なんだけどこの事があってからぱったり姿を見せないわ。
でも奈美ちゃんどこ行っちゃったのかな…。
会いたいな…。
お姉さんのように思ってたの。
チンピラに絡まれた時なんかすっごい剣幕で追っ払ってくれた。
うふふっ！ずっと一緒に暮らしてもいいなぁって思ってたのに…。
なかなかの面構えだな。
（カメラのシャッター音）
（カメラのシャッター音）
（カメラのシャッター音）
（前田）城之内興業社長の城之内徹です。
この人よ。
華の湯の奥座敷で会ったのは。
まったく動きを見せないっていうのは気になりますよね。
ひょっとして美保さんすでに城之内達の手の中に…。
私もそんな気がするの。
切り札を握ってじっとこっちの様子を伺ってるような。
大丈夫でしょうか？美保さん。
秘書の野崎竜次や魚丸水産の及川三郎を殺ったのは城之内興業の連中かもしれないんですよ。
美保さんが金をどうしたのか思い出すまで手を出す訳ないだろう。
それにな選挙資金を持ち出した野崎竜次はともかく連中には及川三郎を殺す理由がないんですよ。
じゃあ一体誰が…？私は検事には申し訳ありませんが入江美保は金を独り占めするために２人の男を殺害したと考えます。
ですから直ちに令状を取って城之内興業に踏み込み彼女の身柄を確保すべきだと…。
木村さん。
私はどうしても美保の犯行とは思えないんです。
何か重大な見落としをして真犯人を見過ごしているような気がして…。
重大な見落としって…。
もう少し情報収集させてください。
せめてあと１日。
ミキ？ほら土曜日だけ応援に来るって人。
ああ…妙な娘なの。
無口で愛想がなくていっつも支配人に叱られてた。
でもすっごいやきもちやき。
やきもちやき？奈美ちゃん達の事チクッたのも野崎竜次に横恋慕してたからなの。
ジェラシー…。
土曜日だけって事は他にお勤めしてたって事よね？何か聞いてない？さあ…でも変わってるからまたひょっこり来るかもよ。
ロッカーもそのまんまだし。
照美さんミキって人の似顔絵を作りたいの。
協力してくれる？似顔絵？輪郭がこんな感じ。
ちょっと細面で…。
オラー！何嗅ぎまわってるんだ？おいお前ら！おい何やってるんだよ。
こら…！大丈夫ですか？検事。
いつの間にあんな技…。
ナイショね。
ナイショって…。
お相手をしてもらえるかな？ご指名とあれば。
ほう…変幻自在だな。
この間のお話の続きですか？いや…今日はもう野暮な話は抜きだ。
私は客あなたはホステス。
それなりの夢を見せてもらいたいね。
夢？歌でも踊りでも仙台随一と言われるあなたの芸をね。
『夜桜お七』なんかいかがです？『夜桜お七』…？『夜桜お七』「赤い鼻緒がぷつりと切れた」「すげてくれる手ありゃしない」「置いてけ堀をけとばして」「駆けだす指に血がにじむ」「さくらさくらいつまで待っても来ぬひとと」「死んだひととはおなじこと」「さくらさくらはな吹雪」「燃えて燃やした肌より白い花」「浴びてわたしは夜桜お七」「さくらさくら弥生の空に」「さくらさくらはな吹雪」「さくらさくらさよならあんた」「さくらさくらはな吹雪」あなたが直々潜入捜査を行うというのはただ事じゃない。
一体どんな嫌疑で私を調べるのかそれを伺おう。
１つは入江美保に対する監禁です。
もう１つは野崎竜次及川三郎両名が殺された事件への関与です。
バカな…。
監禁については裏付けがありますので明日でも強制捜査が可能です。
この私を脅そうっていうのか？城之内さん県会議員選に出馬されると伺いました。
わずかな汚点も命取りになると思いますが…。
負けたよあんたには。
よし女は返そう。
その代わり持ち逃げされた５千万は…。
私が責任持ってお返しします。
殺しに関してはまったく無関係だ。
この城之内命を賭して誓う。
その言葉二言はないと信じます。
明朝８時石巻の埠頭に来たまえ。
惚れ直したよ。
（ため息）美保…。
・美保！
容疑が晴れた訳ではなく美保の身柄は警察病院の管轄下に置かれる事になりました
木村さん。
はい。
５年前会社の上司をナイフで傷つけ傷害とストーカー行為の容疑で逮捕された女性覚えてますか？ああ覚えてます。
確か誓約文を書かせて起訴猶予に。
資料ありますよね？もちろん。
・
（ドアの開く音）お待たせしました。
こちらですね。
やっぱり…。
検事？美保のいとこの三上晶子です。
いとこ？ああ入江美保のご主人や息子さんの世話を焼いているという…。
えっ？それって一体…。
ナイフによる傷害ストーカー行為照美さんが描いたこの似顔絵の目。
ピンときませんか？まさか…クラブランタンから姿を消したもう１人のホステスミキは…。
三上晶子…。
（パトカーのサイレン）お願いします。
はい。
ホステスのミキと三上晶子の指紋が一致しました
お邪魔します。
はい。
仙台西署です。
はい。
こちらに三上晶子さんっていう方お勤めですよね？はい。
三上さん…。
呼んでいただけますか？今ちょっと外出してますけど。
外出…。
じゃあ連絡…。
いない!?金造さん三上晶子はかつてストーカーの常習犯で切羽詰ると愛するものを傷つける習性が…。
美保さんのご主人と坊やが危ないですよね。
アパートへ急行します。
木村さん私達も出動します。
はい。
晶子さん。
晶子さん？晶子さん？晶子さん！晶子さん！
（パトカーのサイレン）お父さん息子さん…。
今晶子さんが連れてっちゃったんですけど様子が変なんです。
前田！追え追え！お願いします。
国道４８号線を秋保温泉の方向に向かってます。
金造さん深追いしないで。
武志君の身の安全が第一よ。
わかりました。
おいペース落とせ。
はい。
・
（前田）検事！たぶん大滝です。
おい応援呼べ。
（前田）はい。
検事！晶子さん！来ないで！それ以上近づいたらこの子と一緒に飛び降りるから。
わかった。
わかったから話を聞いて！あなた雅彦さんや武志君を愛してるんでしょ？だったら武志君を傷つけないで！美保は私から雅彦さんを奪ったのよ。
だから美保が憎くて許せなくて…。
嘘でしょう？雅彦さんが自分のものだなんてあなたの思い込み。
その思い込みからあなたは美保に殺意まで抱いて２年前…。
それっきり美保は行方知れずになって１年ほどしてからあなたは偶然見かけた…。
美保は記憶をなくして別人のようになっていた。
でもいつ記憶が戻るかわからない。
あなたはそれが心配で美保が働くクラブに潜り込んだ。
美保ってホントにひどい女…。
あの店で私が好きになった人まで…。
あなたはそれを城之内社長に告げ口した。
２人をひどい目に遭わせてやろうと思ったのね。
ところが美保は城之内社長のお金を横領した野崎竜次と逃げた。
あなたは２人を追いかけて…。
奈美さん！イヤー！美保は野崎竜次が刺されたショックで今度は失踪中の記憶をなくしてしまった。
あなたはその美保に殺人の罪を着せようと美保に夢中だった及川三郎って人をそそのかして…。
うっ…。
キャー！何？その場で美保も殺しすべてを美保の犯行のようにするつもりだった。
でも城之内の男達に美保が渡ってしまったのはあなたの筋書きにはなかった。
いえそれ以上にあなたの思いどおりにいかないものがあるわ。
武志君の母親を思う心美保の家族への愛情…。
ランタンの照美さんの人へのやさしさ…。
それらがあなたの犯罪を暴いたのよ。
・
（美保）晶ちゃん！・
（雅彦）武志！晶ちゃんそんなに私が憎いの!?ねえだったら…だったら武志の代わりに私を滝つぼへ突き落としてよ！ねえ…晶ちゃんお願い…。
何でも言うとおりにするから。
武志だけは助けて。
その子だけはお願い…！ねっこのとおりよ…。
（武志の泣き声）ママー！武志！お願いします。
武志ごめんね。
お母さんを許してね…。
本当にごめんなさい…。

三上晶子の車のトランクから横領された５千万と凶器のナイフが出てきました
いやぁあの５千万をそっくりそのまま児童養護施設に寄付するなんて城之内社長も太っ腹ですね。
選挙戦の宣伝になるって大山検事が吹き込んだんだよ。
まあ口車に乗ったってやつだ。
口車なんて…人聞きの悪い。
社長は私の芸に惚れて。
（咳払い）芸？惚れた？ともかく乾杯しましょう。
美保達家族の幸せを願ってカンパーイ！
（３人）カンパーイ！
（携帯電話）ちょっと失礼。
はい。
あっお姐さん。
８時？あっやだ忘れてた。
すぐ伺うって伝えて。
ごめんなさい。
大事な約束忘れてたの。
これ３人で存分に飲んで。
お預かりします。
じゃあ…。
はい。
あんなに慌ててどこ行くんですかね？大山検事はな今からそれはそれはきれいな蝶に姿を変えるんだよ。
今のままで十分きれいですよ。
同感です。
あれ以上きれいになられたら私は仕事になりません。
何言わすんだよ。
秘密を囲うという事は恋をするくらい苦しいもんだ。
カンパーイ！失礼します。
・はーい待ってました。
さあいらっしゃいいらっしゃい。
さあさあさあ…。
はいどうぞお掛けになって。
はい１杯いこう。
はいどうぞ。
はいどうぞ。
さっご返杯。
どうぞ。
どっかで会った事があるね。
お会いしてませんわ。
ささどうぞ。
いやどっかで会ってるよ。
そんな見つめないでください。
もういっちょいい？ええ…？《今夜は悪酔いしそう…》いってらっしゃい。
気をつけてね。
2015/04/15(水) 14:00〜15:51
ＡＢＣテレビ１
夜桜お七殺人事件　ダブルフェイスの女[再][字]

二つの顔を持つ女！昼はエリート検事、夜は秘密の艶姿？失踪した記憶喪失妻…空白２年間の謎を暴く！

詳細情報
◇番組内容
二つの顔を持つ女！昼はエリート検事、夜は秘密の艶姿？失踪した記憶喪失妻…空白２年間の謎を暴く！現役歌手・坂本冬美が土曜ワイド劇場初主演!!仙台市、秋保温泉、石巻と大ロケーション敢行！
◇出演者
坂本冬美、西村和彦、西岡徳馬、朝丘雪路、若林豪、愛川裕子、遠山俊也、早瀬久美、山上賢治、中曽根康太

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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