磁石に引き寄せられる。
…という訳。
今日の不思議これで解決。
(関口)あ〜俺もサラ・ブライトマンと宇宙行きてえな。
土星とかきれいだよね。
(垣内)こんにちは。
隊長こんにちは。
う〜んいい天気ですね。
今日は探検日和ですよ。
探検に行きましょうよ。
まあそう焦らないでのんびりいきましょうよ。
そうも言ってられません。
今日のテーマを教えて下さい。
じゃあ言いますよ。
今日のテーマは「宇宙のはじまり」。
「宇宙のはじまり」?う〜ん宇宙のはじまりっていうけどどんな事なんでしょう。
手がかり教えて下さい隊長。
知りたい?じゃあ教えてあげましょう。
今日探るのはねぇ…これです。
ダン。
ダン。
「ビッグバン」「宇宙の膨張」「宇宙の晴れ上がり」。
はい。
ビッグバンぐらい知ってますわね。
はい。
ビッグバンは何かバ〜ンと。
まあそんな感じですね。
次の「宇宙の膨張」は?まあ広がってるって事ですね。
じゃあ「晴れ上がり」って?晴れてるって事ですね。
えっ?もうよく分かりません。
だから調べるんですけどね。
ではまずはビッグバンから調べてみましょうか。
はい宇宙がビッグなバ〜ンからはじまったって事ですか?ええ行ってらっしゃいませ。
はい!行ってきます。
パスポートパスポート。
国内ですけどね。
はい行ってきます。
行ってらっしゃ〜い。
行ってきま〜す。
さあ垣内隊員頑張って調べましょう。
向かったのは宇宙といえばこちら…国立天文台の歴史は古くもとになった東京天文台が造られたのは明治時代。
そのころは暦の計算などを行っていました。
現在は日本中の大学や研究機関が共同で使える施設として宇宙の謎の解明に取り組んでいるんです。
これは1929年に完成した天文台。
1990年代までさまざまな観測に用いられました。
へぇ〜天井も高い。
ふ〜ん。
あそこが開くんですかね?ここから星空を観測し宇宙の謎に思いを巡らせていたんですね。
う〜んロマンです。
でも星を観察する事でなぜ宇宙のはじまりが分かるのでしょうか?おっ垣内隊員いいところに気付きましたね。
実は…世紀の発見をしたのはアメリカの天文学者エドウィン・ハッブル。
ハッブルは遠くの宇宙を観測している時に遠くにある銀河ほど速く遠ざかってる事を発見したのです。
それは1929年国立天文台にある古い望遠鏡が出来たのと同じ頃の事でした。
でも遠くの銀河が速く遠ざかる事とビッグバンはどう関係があるのでしょう。
それはこういう事。
例えば風船に印を描きます。
風船を膨らますとそれぞれの印は離れますよね。
この時遠くにある印ほどより離れてしまいます。
このように宇宙が風船のように膨張しているからこそより遠くの銀河がより速く遠ざかっているという事になるんです。
そして宇宙が膨張してるという事は過去に遡れば銀河同士はもっと近くにあったという事。
そして更に遡ればもっと近づいていて…。
「一番最初の宇宙のはじまりはただ一点から」という事になりませんか?宇宙の膨張が発見されたからビッグバン説も生まれたんですよ。
この望遠鏡と同じくらい昔に天文学者は宇宙の膨張に気付いたんですね。
ハッブルさん偉いです。
それでは現在考えられているビッグバン説を宇宙の歴史を表した宇宙年表でご説明します。
右端が現在。
左端が宇宙のはじまりです。
ビッグバンが起きたのは今から140億年ほど前。
宇宙は無の状態から密度も温度も無限に高い点として突然発生しました。
ビッグバン直後には宇宙全体が太陽の中心部よりもはるかに高温になっていました。
原子はまだなく原子のもとになる陽子や中性子電子が飛び交っていたのです。
そこから次第に温度が下がるにつれてさまざまな原子が生まれやがて星のもとになるガスが生まれ恒星が出来銀河が出来やがて現在の宇宙の姿が形づくられていったのです。
ほら隊長この風船の点を見てて下さい。
ここね。
はいはい。
こうやって風船を膨らませると点と点が離れますね。
この時遠くの点ほど離れていきますね。
確かにお隣同士よりも端っこ同士の方が遠く離れましたね。
こんなふうに宇宙は今も膨張しているんです。
膨張〜。
そして膨張しているんだから昔はもっと小さくて最初は何もなかったんじゃないかというのがビッグバン説だったんです。
バ〜ン!さあいろいろ分かってまいりましたですね。
それではビッグバンをこの辺でおさらいしてみましょう。
はいこの図でおさらいします。
宇宙には始まりがあってそれが今から…全てはここからはじまったって事ですね。
そしてその後しばらくはものすごく高温で物質どころか原子も出来ないくらいの状態が続きました。
そうそうそう。
う〜んでも何でこんな昔の事が詳しく分かるんですかね?う〜んそうだよね。
ビッグバンなんて想像なんじゃ?いやいや。
ちゃんと初期の宇宙の姿についてはデータがいろいろ見つかっているんです。
ホントですか?うん。
それがこの…晴れ上がり?その謎を解く鍵は宇宙のはじまりにあります。
ビッグバン宇宙論によればビッグバンの直後宇宙はものすごく高温。
どのくらい高温かというとあまりに熱すぎて普通なら原子核の周りを回っている電子が勝手に飛び回っていて原子にならないくらいむちゃくちゃな世界です。
そのため光などの…宇宙はいわば曇った状態だったのです。
でもビッグバンから40万年ほどたって宇宙の温度が下がってくるとようやく電子が原子核に捉えられて原子核の周りを回りだします。
原子が誕生したのです。
するとそれまで電磁波を遮っていた電子がなくなった事で宇宙では…これがビッグバン理論によって考えられた宇宙の晴れ上がり。
この「宇宙の晴れ上がり」実際にあったという証拠が現在の宇宙にも残されているんです。
実は宇宙が晴れ上がった時に発せられた電磁波を今でも観測する事ができるんですよ。
この電磁波を詳しく調査するために衛星からの観測が行われました。
この電磁波はまるで星の背景から放射されているように見えるので「宇宙背景放射」と呼ばれています。
これが観測を基にして作られた宇宙背景放射のマップです。
宇宙が晴れ上がった瞬間の宇宙背景放射。
お分かり頂けましたか?こうしてビッグバン説は多くの科学者に支持されるようになったのです。
宇宙背景放射。
もう一度図を見てみましょう。
はい。
ここで宇宙が晴れ上がる。
そしてこの時の電磁波が今観測できるという事ですね。
あっそれってこういう事ですか?この時に「お〜い」って宇宙全体に向かって叫んだ声の余韻が今でも「お〜いお〜い」って聞こえてるって感じですかね?ちょっと違うんだけど大体そんな感じかな。
とにかくこの……だとされてるんですね。
まあこういう証拠があるんならビッグバンが宇宙のはじまりって事は納得してあげてもいいですね。
何だか急に偉そうになった気も致しますけども。
じゃあ晴れ上がったところからおさらいしましょう。
はい。
温度が下がるにつれてさまざまな原子が生まれました。
そして星のもとになるガスが出来て星が出来て銀河が出来てそして今の宇宙になってきたという事なんですね。
そのとおり。
でも宇宙には今もまだまだ謎があって研究が続けられているんですよ。
そのとおり。
私国立天文台の中に更に潜入してきました。
さあ再び国立天文台の研究施設です。
ここが最新の研究が行われている所です。
あっ先生こんにちは。
(青木)垣内さんこんにちは。
出迎えてくれたのは…これが…?すばる望遠鏡の100分の1の模型です。
100分の1…う〜ん…。
どこにあるんですか?アメリカのハワイの山の上にあります。
ハワイ。
ハワイにあるのにすばるっていう名前なんですね。
そうです日本の望遠鏡ですから。
日本人が付けた名前なんです。
日本から6,000km以上離れたアメリカのハワイ島。
そびえ立つのはマウナケア火山です。
山頂の標高は富士山よりも高いおよそ4,200m。
空気も薄く観測には絶好の場所です。
ここに設置されてるのが望遠鏡すばる。
日本が誇る世界最高水準の望遠鏡です。
すばるは8mという巨大な鏡を使って遠くの星のかすかな光も集める事ができます。
更に最新技術を駆使して高度な観測ができるんです。
そしてなんとここ東京の研究室からハワイの観測結果を見る事もできるんだそうですよ。
今日はハワイで観測に当たっている研究者たちと垣内隊員がお話できるんですって。
いいなぁ。
現地は観測が始まったばかりの午後7時です。
今日は何を観測するんですか?
(小野寺)エマニュエル!観測で大変な事は何ですか?すばるを使って研究をするため年間1,000人以上の天文学者が世界中から訪れているんです。
不思議ですハワイと今つながっているっていうのが。
ハワイではこれから徹夜で観測が行われます。
100億光年離れた銀河を観測する事は100億年前の銀河の姿を探る事。
天文学者たちは…東京とハワイがつながってハワイと宇宙がつながって宇宙の遠くの遠くの姿がハワイから見えてくる。
宇宙は今の私とつながっている。
宇宙の事もっと調べた〜い!先生よろしくお願いします。
こんにちは。
今日出てきたビッグバンなんですけど。
はい。
いろいろ頭では分かったんですけども…。
ものすごくバカな質問していいですか?はいどうぞ。
小さかったものが膨張してきて今の宇宙になっている訳ですね今ここは。
って事は壁がある訳ですね。
この壁をコンコンってできますか?つまり今私たちは宇宙のここにいるという時にここに境界が描いてありますね。
ここまで行ったらどうなるかという事ですね。
大きくなったらどこで認識するかといったら壁がある訳ですよね。
この壁の内側が広くなったと思う訳じゃないですか。
それとビッグバンは違うんですか?それとは違うんですね。
違うの?それは宇宙の年齢が約140億年。
その間で光が届いた範囲がここで描かれてるんですね。
ですから壁があって向こうが見えないんじゃなくて光が到達するだけの時間が足りていない。
この外側は本当はあるんだけどまだ見えてないという世界になっているだろうというふうに信じてます。
って事は私たちは日常生活のここからが境界とか分かっている感覚の中には宇宙を捉える感覚はない?ないですね。
私たちの境界っていうのは空間がある中で仕切りを入れてここの範囲といってる訳ですが…その日常の感覚では捉えられないですね。
分かったような分かんないような。
こうなったら自分がビッグバンになってみるしかないですね。
フフフ。
(破裂音)キャ〜!隊長今日はどうでしたか?いや〜宇宙は巨大なだけあって謎が深いなぁと思いますね。
「壁があるのか」って言ったら「ない」って言うしさ。
もしかしたらここから我々2人宇宙船に乗ってず〜っとまっすぐ行ってみたらこっちから帰ってきたりしてね。
そんな事なのかもしれないなって気がしてきちゃった。
垣内隊員は?ハワイの天文台に行かせて下さい。
はなから攻めてくるね随分ね。
よかったら隊長も一緒に…。
いつにします?いやあの…。
私来月予定あるし…。
研究熱心なのはいいけどね。
隊長の予定も…。
2015/04/15(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「宇宙のはじまり」[字]
「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。
詳細情報
番組内容
宇宙は、いつまでも姿を変えない静かな世界ではない。ビッグバンとよばれる大爆発から始まり、今も全体が膨張を続けている。誕生直後の宇宙は高温で、電子による散乱のために光がまっすぐに進めない状態だった。だが、約40万年たつと温度が下がり、電子が原子にとりこまれた。このときに放たれた光は現在、宇宙マイクロ波背景放射として観測され、ビッグバンについて詳しく調べられるようになった。【出演】関口知宏、垣内彩未
出演者
【出演】国立天文台准教授…青木和光,【司会】関口知宏,垣内彩未,【語り】市川展丈
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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