7NHK高校講座 化学基礎「文明の歴史と化学〜化学と歴史の深〜い関係〜」 2015.04.15


(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
この番組は化学の基礎を優しく学んでいこうという番組です。
「理科系苦手」というあなたにも分かるように一緒に勉強していきましょう。
はい。
はい。
ナオちゃんは中学生です。
どうですか?理科は。
難しい?今はプラスチックを勉強してるんですけどまだ化学が難しいかどうか分からない。
そっか。
お姉さんのカナちゃんは理系なんです。
どうですか?高校の時とか得意だったんですか?う〜ん。
やっぱり化学は面白いです。
大学の時もいっぱい実験しました。
そうなんですね。
じゃあいろいろ助けて下さい。
お願いします。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
はい。
はい。
はい。
今日のテーマは…「歴史と化学」って何?えっとね…つまり…こういう事です。
「化学と歴史の深〜い関係を知ろう」です。
化学と歴史って昔の化学?そうかもね。
では今日はその秘密に迫ってみましょう。
化学は人間の歴史に深〜く関わってきました。
ここはスペインの北部。
世界遺産に指定されている洞窟アルタミラがあります。
この洞窟を世界的に有名にしたのは洞窟の天井一面に描かれていた壁画。
今からおよそ1万3,000年以上も前の人が残したさまざまな動物の絵です。
牛だよね多分。
実はここに人間の歴史と化学の接点があるんです。
え〜何だろう。
では質問。
この牛の絵きれいな赤色ですね。
さて…何かな。
血かな。
血?でも1万年も前だから残ってないよね。
それはないか。
何だろう。
正解は赤鉄鉱という石を砕いたもの。
赤は血の象徴だとも言われているんですよ。
ナオちゃん少し当たってました。
これが赤色のもと赤鉄鉱という石をすり潰したものです。
へえ〜。
このように乳鉢ですり潰しました。
昔は油や樹液で溶かしたらしいのですが今日はノリを混ぜてみました。
何か絵の具みたいですね。
うん。
じゃあナオちゃん何か描いてみてくれる?は〜い。
どう?川?何描いたの?川。
字の川?どう?昔の人の気持ちになった?うん。
楽しい。
楽しい?ナオちゃんよかったね。
このように昔から人間は自然にある物質を利用してきました。
その中でも特に人間と関わりが深いのは金属。
人間は初め自然に採れる金や銀を利用してきましたがやがて金属を作り出せるようになりました。
古くから利用されてきたのは銅。
武器や儀式などのためにさまざまな青銅器が作られました。
その後人間は鉄を手にします。
鉄を利用する事で武器や農耕の道具などが飛躍的に進歩し文明は大きく発展したのです。
そして今から150年くらい前から利用されるようになったのが…アルミニウムを作り出すのには大量の電気が必要なため近代になるまではあまり利用されなかったのです。
現在では新幹線や飛行機などに広く使われています。
人間は長い歴史の中で化学の力を使って金属を取り出してきたのです。
人間は昔からこういったいろんな工夫をして自然の中から役立つものを作り出してきたんですね。
このコーナーのケミカルポイントは…今日の一推しは乳鉢。
これで食べ物をすり潰してミルクの代わりに赤ちゃんに与えていたから乳鉢っていうんですって。
この曲線が生み出す使い心地は抜群。
乳棒とセットでとってもお得です。
ケミカルガールには必須のアイテム。
素材はセラミックスです。
今度は「金属からプラスチックまで」です。
「金属からプラスチックまで」?そう。
人間は今までいろんな物質を自然の中から作り出す事で役立ててきたっていうのは分かったよね?うん。
じゃあ今度はそれを実際に見てみましょう。
イエイ。
ではまず金属を見てみます。
金属は自然の中にある石から作られます。
へえ〜。
ここで問題です。
これはくじゃく石という銅を含んだ石。
この中から銅をとりだす方法は?砕いたり…。
砕く?溶かす?溶かす。
どうなんだろう。
カナちゃんお願いします。
はい。
実験してみます。
ではくじゃく石から銅をとりだす実験スタートです。
それではくじゃく石から銅をとりだしてみましょう。
実験に使用するのはくじゃく石と活性炭。
そしてるつぼやるつぼを入れるマッフルなどです。
その後…どうなるでしょう?ではふたを外して見てみましょう。
熱いので熱が冷めてから扱います。
ほら茶色くなりました。
活性炭の働きで銅に変わったんですよ。
これが石を熱して出来た銅です。
これが銅?それなら電気は通るんですよね?はい。
じゃあやってみます。
お願いします。
どれどれ。
あすごい!ついた。
ついたね。
へえ〜。
では代表的な金属を3つ紹介します。
それぞれの特徴を見てみましょう。
了解。
まず銅といえばこれ十円玉。
へえ〜。
実は百円玉や五百円玉にも銅が含まれているんですって。
同じ銅なのに何で色が違うの?それは合金っていって銅のほかにも実は違う金属が含まれているからなの。
へえ〜。
金属の割合で性質や色が変わるんです。
次は鉄。
これみんな鉄なの?うん。
鉄は建物の骨組みや機械など幅広い用途で使われています。
最後にアルミニウム。
アルミニウムは軽くて利用しやすいのが特徴ですね。
アルミニウムってアルミ缶?そう。
アルミニウム缶イコールアルミ缶。
このマークの付いたアルミ缶は見た事ありますね?アルミニウムといえば一円硬貨もそうです。
金属の特徴をまとめます。
…といった特徴があります。
分かりました。
では次はプラスチックです。
ここで問題です。
う〜ん何だろう。
答えは石油。
どうやって作るの?それは石油のもとになっている原油からプラスチックの成分を取り出して出来ているんです。
へえ〜。
プラスチックっていうと熱すると柔らかくなったりしますね。
カップ麺や飲み物の入れ物がそうです。
ここにあるのが全てプラスチックなんですよ。
あっ消しゴムだ。
へえ〜そうなんだ。
自然の中からいろんなものが出来ていくんですね。
でも実際にはどんなふうに作られているんだろう。
もう少し知りたいね。
先生こんにちは。
はいいらっしゃい。
教えて下さい。
じゃあ取り出し方を見てみましょう。
今日はくじゃく石から銅を取り出しました。
この銅は製品になります。
自然の中の石これに含まれているいろいろな金属は化合物といって酸素や硫黄など別の元素とくっついています。
ふ〜ん。
化合物ですか?そうなんです。
その化合物から金属だけを取り出すのは非常に高度な技術が必要なんです。
この技術を製錬といいます。
「製錬」難しい字ですね。
今回銅を作るのには還元という処理をして製錬しました。
鉄を取り出すのも同じ原理なんです。
う〜ん。
じゃあ銅と鉄では何が違うんですか?主に温度ですね。
どのくらい高い温度ですか?そうですね簡単に言うと例えば学校のガスバーナーでは銅を溶かす事ができるんです。
でも鉄を溶かすのはとても難しいんですよ。
分かりました。
もう一つのプラスチックなんですけど石油から出来てるんですよね。
そうですね。
原油を精製するとプラスチックそして製品というふうになります。
石油を精製するという処理をしているんですがその工程はとても複雑で難しいんです。
石油化学工場に行くととても高い塔があります。
高さが高くなればなるほど温度が下がっていくんです。
それを利用していろいろな成分に分けてそしてプラスチックの原料を作ってるんです。
う〜ん。
とにかく難しいって事はそれだけすごい技術って事ですよね。
そうですね。
いろいろな発明や発見があって今のようないろいろな物質が使えるようになったんです。
今日は最初なのでこういった精製や製錬の仕組みなどは説明しませんがこれからだんだんこうした不思議を解明していきましょう。
はい。
納得して頂けましたか?ありがとうございます。
知ってる?ミカンの皮で溶けるプラスチックがあるらしいよ。
(一同)へえ〜知らない。
みんなで実験をしてみたいと思います。
(一同)イエ〜イ!まずはミカンをたくさん食べて皮を集めます。
たくさん集まったら皮を搾ります。
皮からほんの少し出る液体を容器に付けていきます。
プラスチックを溶かす事ができるかな?穴が開いて…い…ますね。
開いています!ついにプラスチックに穴が開きました〜!
(一同)イエ〜イ!覚えておこうね。
今度は「私たちの化学」です。
「私たちの化学」?そう。
今まで見てきた事でも分かったと思うんですけど化学ってとっても身近にあるんです。
そう言われればそうだよね。
これもそうなんですよ。
この陶器のコップ金属でもないしプラスチックでもない。
でもこの焼き物も化学なんです。
粘土をよく練って形を作り乾燥させてから高温で焼いたものが陶磁器です。
高温で熱する事で乾燥させただけだと壊れやすい性質が変化して硬くて水にも溶けない焼き物になります。
陶器を作る窯の中ではどのような変化が起きているのでしょうか。
焼き物を作るためには長い時には数日間にわたって高温で窯をたき続けなければなりません。
窯の中は1,200度もの高温になっています。
そこでは「ガラス化」という現象が起こっています。
ガラス化とは焼き物の表面にかけた灰や粘土の成分が高温の中で硬いガラス質に変わる現象の事です。
こうしてもろくて水を通す粘土から硬く美しい陶器が出来ました。
粘土やケイ砂という物質を高い温度で処理して作った物を化学ではセラミックスといいます。
今日はいろんなものを見たなって感じだったね。
うん。
この辺にあるものもみんな化学と関係があるの?洋服にも石油から出来ているものがあるんです。
ホント?うん。
タグにナイロンとかアクリルとかポリエステルとか書いてあったらそれは石油から出来た化学繊維なんです。
へえ。
洋服まで作れるの?うん。
どれどれ?あっナイロン入ってるね。
ホント?うん。
なるほど。
今まで周りのものが何で出来ているのか気にした事あんまりなかったけど化学を知るとそういう気持ちになるよね。
そうだね。
ではここで今日最後のケミカルポイント。
すごい。
最後まとめてる。
ホントに分かったの?分かったよ。
ナオちゃんこそ分かったの?分かったよ。
ホント?古くから利用されてきた金属は銅。
その後は鉄そしてアルミニウムを利用できるようになりました。
金属やプラスチック以外にはセラミックスも人間が作り出した物質です。
私たちの身の回りには化学繊維など化学が関わっているものがたくさんあります。
2015/04/15(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「文明の歴史と化学〜化学と歴史の深〜い関係〜」[字]

化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。

詳細情報
番組内容
人類の歴史が始まってから現在まで、化学は身近なところにある。たとえば、鉱物から金属を取り出す製錬の技術を獲得してから、銅・鉄・アルミニウムなどを利用できるようになった。現在では、石油からプラスチックを作ることができる時代。また、粘土から陶磁器を作る技術は古くから知られており、今ではセラミックの技術につながっている。
出演者
【解説】立教新座高等学校教諭…渡部智博,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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