東北発☆未来塾 演劇のチカラ「教えてオリザ先生!人はわかりあえない?」 2015.04.15


「お二人はご夫婦なんですか?」「東北発☆未来塾」応援団長のサンドウィッチマンです。
どうも。
4月は「演劇のチカラ」がテーマです。
講師は…平田さんって東海林太郎みたいな眼鏡がトレードマークだよね。
誰?東海林太郎…。
戦前の歌手じゃん。
よく知ってんなお前。
いや俺も知らないけど。
知らねえのか。
あこの人ね確かに似てるかもしんないね。
10代の頃の写真がこちらですね。
度がきついですね〜。
目が写ってないじゃないですか?ほんと。
こういう変わった眼鏡の人が演劇をやるんでしょうね。
関係ないと思いますけどね。
いやほら今回の塾生たちもいっぱい眼鏡かけてんじゃん。
そういやお前も「伊達眼鏡」か。
僕「伊達眼鏡」じゃないですよ。
僕は目悪いですからね。
それに塾生半分以上眼鏡かけてないからねこれね。
よく見て下さいよ。
さあ今回はですね平田さんから塾生たちに課題が出ます。
福島が抱える復興の問題を題材に演劇をつくるんだよね。
そうなんですね。
今回は福島県いわき市で取材し演劇のストーリーづくりを目指します。
う〜ん難しそうなお題だねこれできんのかね。
それは見てのお楽しみ。

(テーマソング)今回の講師…これまで日本だけでなくフランスや韓国などで200以上の演劇を上演してきました。
オリザさんの演劇スタイルは対話劇です。
対話劇とは主に言葉のやりとりだけで物語を進める演劇。
フランスで制作した「別れの唄」では文化の違いを対話で表現しました。
(フランス語で)
(観客の笑い声)今回塾生たちに与えられたミッションはこの対話劇を自分たちでつくり自ら演じることです。
僕の定義は「会話」ってのは親しい人同士のおしゃべり。
「対話」ってのは知らない人との間の情報の交換とか知ってる人同士でも価値観が異なる時のすり合わせを対話という。
演劇ってのは必ず対話を要求する表現なんですね。
だから対話の訓練に非常に向いてるってことなんです。
この対話のチカラこそ原発事故に揺れる今の福島にとても必要なものだとオリザさんは考えています。
今までは…ねえ同じ土地で長くみんなが一緒に暮らしてきたから価値観を1つにする方向のコミュニケーションだけが求められてきたんだけれども…要するに異なる価値観異なる文化的な背景を持った人ともどうにかしてうまくやっていく。
要するに好きにならなくていいんで。
オリザさんは塾生12人を6人ずつの2チームに分けました。
15分程度の対話劇をつくり福島県いわき市で公演します。
お題は「今の福島」。
与えられた時間はわずか2週間。
今回注目するのはこちらの…「ハッ」て気づかされるようなものをつくってもう一気にいろんな人がハッピーみたいな感じになったらそれはもう理想ですよ。
このチームにひときわ張り切っている塾生がいます…事故を起こした原発がある福島県大熊町出身の17歳です。
真喜子さんが演劇に情熱を燃やすのには理由があります。
避難先の高校になじめないその苦しい心の内を表現したいのです。
言ってしまえば…なんだろう…やっぱみんなそう思ってるのかなって思っちゃうんですよ。
真喜子さんはこの3月高校を中退する決断をしました。
真喜子さんの思いを知ったメンバーは避難者と受け入れ側の住民との対話劇に挑むことにしました。
まずは避難者の取材からスタートです。
福島県いわき市にある仮設住宅。
原発20キロメートル圏内にある葉町から避難してきた人たちが暮らしています。
(塾生たち)こんにちは〜。
こんにちは。
お邪魔します。
こんにちは。
一刻も早くふるさとに帰って暮らしたい。
慣れない土地で先行きへの不安を抱えながらの生活は4年を超えています。
続いて受け入れ側のいわき市の住民に取材です。
(塾生たち)こんにちは。
よろしくお願いします。
こんにちは。
こんにちは。
話を聞いたのはいわき市の復興協議会のメンバーです。
いわき市民の中にはそのなんか原発避難の人のことを悪く言うじゃないけどあんまりよく思ってなかったり金もらってずるいみたいなことを言う人いるじゃないですか…。
小さな行き違いが大きなトラブルとなっている現状に受け入れ側の人たちも悩んでいました。
ただ私なんかは…事実をよ〜くたどっていくと…本当にお互いにだからその辺のこともね…真喜子さんはこの日受け入れ側の人たちの気持ちに初めて触れました。
本当に一部の人がその…なんでしょう…なんか賠償金のこととかゴミの出し方とかなんか仕事もしないでパチンコをやっているとかそういうことですごい避難先の方々ともめてるっていうのを聞いたことが何回も聞いてて。
私自身それはすごくつらくて。
同じ県民なのに福島県民なのにこんなに仲悪いのって本当に嫌で。
だから復興…福島の復興を考えていくんだったら本当に仲よくしたいなって思ってるんで。
ホントに…。
真喜子さんの思いに寄り添おうとする塾生がいます。
佐藤妃奈さん。
被害の少なかった福島の内陸部に暮らす高校生です。
取材をもとに塾生たちはどんな劇にするのかを話し合います。
…けど1幕って言われて。
1幕だと叫ぶのは難しいよね。
テーマは避難してきた人と受け入れ側の住民とがなぜ分かりあえないのかということ。
分かってもらいたいから話すっていうことが私は本当にこの3年間…2年間ぐらいずっとできなくて。
だからその…学校で自分みたいな境遇の人が全然いなくて。
今避難してない人に「私はこう避難しててこういうこういうことがつらいんだよね」って言えたらどれだけ楽で楽しい学校生活が送れただろうって今でも想像しちゃうぐらい…。
やっぱそれは環境なんじゃない?その学校とか周りの先生とか友達とかやっぱそういうさマッキーがやっぱ言いたかったんだよね分かんないけど。
言いたかった言いたかった。
でも…なんかその「あそうだったんですか」っていう共感をちょっとだけでも持ってほしい。
どちらが悪いってわけじゃなくて…前向きな気持ちにさせたい…真喜子さんと妃奈さんの話し合いに他のメンバーも反応し熱い議論となりました。
実は演劇づくりための熱い議論つまり対話をさせることがオリザさんの一番の狙いだったのです。
10時間以上の対話の末塾生たちが考えたストーリーがこちら。
場所はいわき市のとある集会所。
この町に避難してきた住民と地元の住民が仲よく交流するためのお祭りを開こうと企画します。
最初のうちはお祭りに反対していた若者が地元住民との対話で心を開きお互いに分かりあっていくというストーリーです。
物語にはお祭りを取材する新聞記者も登場します。
真喜子さんは自分の立場を客観的に見つめてみたいとこの役に立候補しました。
演劇のだいご味でもあるんでそれをやってみようかなと。
妃奈さんはお祭りに反対する若者役に名乗りを挙げました。
役名もそのまま「ひな」。
マッキーとかの話聞いてなんか避難してて仲良くしたいんだけどふるさとにも帰りたくてみたいな。
帰りたいからなんか仲よくしちゃうと別れがつらいしうわべだけのつきあいとして仲よくするのはこっちの人に悪いしっていういっぱい複雑な気持ちとか聞いたから…翌日ストーリーがほぼ完成したと聞いたオリザさんがチェックにやってきました。
おはようございま〜す。
おはようございま〜す!
(塾生)よろしくお願いします。
劇の…タイトルは「テーブル」。
原発からの避難者と受け入れ側の住民が話し合いにつくとの意味が込められています。
分かりあおうとするために一歩を踏み出してみようかっていう気持ちを持ちませんかっていう提案で終わりたいなと思っています。
ストーリーに及第点を与えたオリザさんですが物語の結末にはひと言。
ちょっと理解する。
相手の…お互いの立場をちょっと若い人たちが相手の立場をちょっと理解してでまあだからその「いろいろあるけどどうにかしようや」みたいな感じの方向になると思うんだよね。
ならないし。
いいですかそこを気をつけてつくって下さい。
演劇であってもあえて劇的な変化はしないまま終わる。
大切なことはそれぞれの住民の立場を伝え考えるきっかけを作ることだとオリザさんは言います。
…っていうふうに考えて頂くといいと思うんですけど。
私は残るけど残らない人のことも理解する。
私は去るけれども残る人のことも理解するっていう社会を作らないと福島はいつまでたっても再生はしないと思うんですね。
その時にこういうその…ストーリーが決まったので次はアドリブで演じながらセリフを考えていきます。
ちょっと変わったお祭りも創っちゃいました。
あの獅子舞のね。
あ獅子舞の獅子。
ああ。
…を組み合わせて…「ししうまい」。
「ししうまい」?獅子と馬?うん塾生たち頑張ったね。
これはね完成が待ち遠しいですよ。
でもさ「人は分かりあえない」って平田さんいいこと言うね。
どうした急に。
俺お前と20年以上のつきあいになるけどどうして髪の毛が金色なのか分かりあえないもんね。
そんなに金色でもないですから。
関係ない。
でも嫌いにはならないよ。
気持ち悪いな。
どうした。
さて次回はですねもう1チームの演劇づくりを見つめます。
仮設商店街の未来を演劇にするんだってね。
これも大事なテーマだよね。
そうですね。
こっちのチームも波乱万丈です。
いろんなことが起こります。
「東北発☆未来塾」次回もお楽しみに。
2015/04/15(水) 11:05〜11:25
NHK総合1・神戸
東北発☆未来塾 演劇のチカラ「教えてオリザ先生!人はわかりあえない?」[解][字][再]

劇作家・平田オリザさんのミッション「福島の今をテーマに演劇を自作自演せよ!」塾生は、避難する人と受け入れる人との摩擦を描こうとするが…。MCサンドウィッチマン

詳細情報
番組内容
講師の劇作家・平田オリザさんが与えた課題は、自ら取材し、自らストーリーを考え、自ら脚本を書き、自ら演じること。テーマは「福島の今」。時間は2週間。最後は、福島県いわき市で上演する。塾生は2チームに分かれた。「チームらふ」は、原発事故のため故郷に帰ることができない一人のメンバーの思いからストーリー作りにとりかかるが…。サンドウィッチマンも共感する平田オリザさんの人づきあいの極意とは?【語り】吉本実憂
出演者
【出演】劇団青年団主宰…平田オリザ,【キャスター】サンドウィッチマン,【語り】吉本実憂

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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