「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
東京中央区。
人形町駅の近くに8年前オフィスを構えた会社があります。
この会社に社員食堂はありません。
昼の12時一番先に席を立ったのが…。
はい。
(スタッフ)早いですね。
向かったのは会社から徒歩1分のコンビニ。
早めに会社を出ましたがすでに店内にはレジ待ちの行列ができていました。
今度は営業部の女性社員がランチに向かいます。
他の部署の仲よしと待ち合わせて4人で外へ。
周辺で働く人たちでどの店も行列ができています。
こちらの店も…。
4人が向かったのは会社から徒歩3分の中華料理店。
行列はできていないようですが…。
申し訳ないです。
どうしよう。
これ都心のオフィス街でよく見かける光景。
社内のフリースペースにやってきたのは…。
愛妻弁当です。
昼休みを有効に使いたいと去年12月から奥さんに作ってもらうことにしたそうです。
その時間を使って…。
こうしたオフィスでランチに悩む人たちに弁当を届けようとベンチャー企業が動き出しました。
早くて便利がキーワード。
都心のランチ問題をビジネスチャンスに変える。
新たな試みを追いました。
注文はスマホでワンタッチ。
弁当がわずか10分でオフィスまで届く。
その方法とは?いつでもオフィスで食べられる体に優しい20種類の総菜。
おふくろの味は社員食堂を超えられるか?仕事中社員たちの手がついついお菓子に伸びる。
チョコレートに勝つ新商品の開発が始まった。
よし…。
おおもうこんな時間か。
あっキミ。
はい。
今日昼めしどうする?僕は今日これなんですよ。
ん?おっ!ちょっと見せてもらっていいかな。
え?はい。
どれどれ?愛妻弁当かいいねぇ。
ヘヘヘッ。
ああ…外に食べに行くのも大変ですからね。
まぁそうだよな。
まぁ確かにこの時間だといつもの定食屋は並んでるしいつものあのそば屋もいっぱいだよな。
そうですね。
よし今日はコンビニにするか。
(ドアの開く音)あっキミ。
はい。
コンビニで買ってきたの?そうです。
ちょっと見せてもらえる?あどうぞ。
えっ課長今から行くんですか?うん。
いやレジにすっごい人並んでますよ。
ホントに?まだ弁当あるかな?いやもうほとんど残ってなかったですね。
ああ…じゃあおにぎりは?おにぎり…あっ!それ最後の1個買っちゃいました…。
ああ…。
どうすればいいんだ?今日の昼めし…。
オフィスで働く人にとってランチをどうするかは毎日頭を悩ませる問題のようです。
そこで今回社員食堂のない会社に勤める200人の方に番組でアンケート調査を行いました。
昼の休憩時間にランチを食べられないことがありますか?という質問に対して…。
38%の方が食べられないと答えていました。
『ガイアの夜明け』今回はオフィスで働く人にとって意外と悩みの多いランチ問題。
それを解決する新たなランチビジネスを追いました。
その34階にオフィスを構えるこちらの会社。
12時過ぎ社員たちがランチに出かけます。
しかし…。
エレベーターになかなか乗れません。
その頃オフィスに残っていたこちらの社員。
おもむろにスマホを取り出しあるアプリを起動しました。
画面には弁当の写真。
迷うことなく注文のボタンをタッチしました。
このとき12時22分。
注文はスマホを3回タッチするだけだといいます。
そして12分後…。
(バイブ音)はいわかりました。
もう届いたようです。
お疲れさまです。
おひとつでよろしいですか?はいありがとうございます。
ありがとうございました。
支払いは事前に登録したクレジットカードで決済。
あの写真にあった弁当です。
鶏つくねかぼちゃの天ぷらなどが入ってそうですね。
簡単に注文できてすぐ届く。
その名はベントー・ドット・ジェーピー。
運営する会社は東京渋谷にあります。
マンションの一室を利用したオフィス。
社員はわずか3人です。
もともとゲームソフトを開発する会社で働いていました。
そこで小林さん去年4月弁当を1個からでも届けるという宅配サービスを始めました。
最速20分とうたっていますが平均10分で届けているといいます。
事務所には大量の弁当が。
よく見ると1種類だけ。
1日1種類にすることでコストを抑えられ配達の効率もぐんと上がるといいます。
弁当を袋に入れ青い保温バッグに詰めていきます。
10個入れたら青縦10と呼んでいます。
集まった配達員のアルバイト10人に担当エリアを伝えます。
配達に使うのは普通のママチャリ。
10人のアルバイトがそれぞれ受け持ちのエリアに散り注文を待ちます。
ベントー・ドット・ジェーピーの本社。
いよいよ宅配の開始です。
届け先の住所は渋谷区南平台。
すぐに自転車を走らせます。
毎日狭いエリアで配達しているため抜け道裏道を熟知しています。
目的地には5分ほどで着きました。
青縦を持ち小走りで向かいます。
こんにちは。
こんにちは。
いつもありがとうございます。
ありがとうございます。
支払いは現金でもオーケー。
次は注文入ってるんですか?まだ…。
先月大学を卒業した吉沼さん。
半年前からこのアルバイトをしています。
(スタッフ)階段ですか?その頃本社には吉沼さんの担当エリアに大口の注文が入っていました。
名前の横の数字は手もとにある弁当の数。
このとき吉沼さんは4つ。
そこで周辺の配達員が今どこにいるか調べます。
いちばん近くにいる配達員に吉沼さんに弁当を届けるよう指示を出します。
それから5分後。
吉沼さんのもとに指示を受けた配達員がやって来ました。
いちいち本社に戻らなくても現場で弁当の補充ができます。
これも早く届けるための工夫です。
お待たせしました。
ベントー・ドット・ジェーピーです。
こんにちは。
弁当の宅配を始めて1年のその本社。
社長の小林さんのもとにある人が訪ねてきました。
この日弁当の試作品を持ってきたのです。
こちらは麻婆丼とピクルスのセット。
ベントー・ドット・ジェーピーはその1種類でその小林さん今度は銀色のバッグで新たな宅配サービスを始めようとしていました。
いってきます。
はいじゃあ気をつけて。
弁当より儲かるかもしれない。
そのサービスとは?注文を受けてから20分以内に弁当を宅配するそこに社長の小林さんの姿がありました。
向かったのはこの倉庫のような建物。
大阪で今話題のコーヒーショップ。
小林さん興味津々。
ここで扱うのは産地だけでなく農園にまでこだわった豆。
これは1台1,500万円もする世界でも最高級の焙煎機。
そして1杯1杯人の手で淹れていきます。
この人は窪田さん。
小林さんにこの店を紹介してくれた人です。
窪田さんは小林さん窪田さんと組んでこの日小林さんは窪田さんの紹介で別のコーヒーショップに向かいます。
それがここ2003年の世界バリスタ大会で優勝したオーストラリア人のポール・バセットさんの店です。
ポールさんが豆を厳選しスタッフに淹れ方の指導も行っています。
日本にはまだ2店舗しかありません。
ベントー・ドット・ジェーピー小林です。
お待ちしておりました。
するとバリスタが数種類ある豆のなかから1つを選び淹れたてのコーヒーをポットに詰め始めました。
ありがとうございます。
実はこの日から午前11時弁当だけでなくコーヒーも注文を受け付けます。
第1回目がポールバセットのコーヒ−1杯300円。
もちろん注文から20分以内に届けます。
コーヒーのポットと紙コップなどを入れたのは銀色の保温バッグ。
配達員がこの通称銀縦を背負います。
あのキックボクサーの彼も銀縦と青縦をカゴに入れて出発。
失礼します。
この会社5個の弁当と3杯のコーヒーを注文してくれました。
1杯300円。
同じコーヒーをポールバセットの店で飲めば310円です。
ありがとうございます。
はい!飲みたい!社長のおごりで更に2杯追加。
弁当と一緒にコーヒー。
うまい。
オフィスでの需要は高そうです。
その頃本社には続々とコーヒーの注文が入っていました。
初日から順調なスタートです。
社長の小林さんのもとにあの大阪のタカムラコーヒーから豆が届いていました。
第2弾はこのタカムラコーヒーを発売。
また京都や名古屋の人気コーヒーショップとも組むことが決まりました。
小林さん更なる可能性も探っています。
一方こちらの会社には社員が次々と集まってくる不思議な冷蔵庫がありました。
その名もオフィスおかん。
きんぴらごぼうにハンバーグおふくろの味です。
社員たちのために社員食堂を作りたい。
そう考えていても会社の規模が小さかったりオフィスが入っているビルの規約などによって作ることができない会社が多いそうです。
そんななか社員がランチを食べられるよう独自の工夫をしている会社もあります。
例えばこちらインターネット関連会社はてな。
昼休みになるとこのようにバイキング形式のランチが用意され社員は無料で食べることができるそうです。
こちらの料理がどこから運ばれてくるかというと会社近くにあるマンションです。
実はこの部屋はてなが借りていて毎日ここで専属の料理人に栄養バランスを考えたランチを作ってもらっているそうです。
こうしてオフィスまで運んでもらうんですね。
今日はそのランチを実際に用意してもらいました。
どうもはじめまして。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
おいしそうですけどもこちらなんですか?今日は豚肉と2色ズッキーニのマーマレードソースっていうのとこちらがスナップエンドウとサツマイモのニンジンドレッシングのサラダになってます。
なるほど!いやぁいいですね。
これ毎日メニューを考えるわけですか?変えています。
飽きないように。
続いてはこちら。
施設の内装などを手がけている乃村工藝社。
毎日昼になると会社敷地内にこのような弁当販売の車がやってきます。
実は会社の周りには食事をするところが少ないため日替わりで3つの業者に来てもらっているのだそうです。
今日は実際にこちらにも来ていただきました。
なるほど車ごといらっしゃってます。
どうも。
どうもこんにちは。
こんにちは。
はじめまして。
実際こちらではどのような料理を出してるんですか?うちはアジア料理を。
アジア料理!この中で一番のオススメは?うちぞうさん食堂オリジナルのトムヤムごはん。
トムヤムごはん!はい。
なるほど〜いやぁおいしそうですね。
こういったアジアンフードを食べられるってのもこういう移動販売の魅力ですかね。
このように社員が手軽にランチを食べられる環境を作ることは会社にとって大事な福利厚生のようです。
そこに目をつけた新たなビジネスがありました。
こちらは東京・五反田にあるIT関連の会社。
コンビニから帰ってきたこの男性社員。
かなり遅めのランチです。
買ってきたのはおにぎり2つと野菜ジュース。
そしてどこかへ向かいます。
小型の冷蔵庫の中にはびっしりと並んだ袋が。
1つ取り出しました。
(スタッフ)それは何ですか?真空パックのサバの味噌煮。
備えつけの箱に100円玉を入れて…。
容器に移して電子レンジで1分。
オフィスで家庭料理が味わえます。
いつもの味気ないランチが急にグレードアップしました。
実はこれ新しいオフィス向けサービス。
その名も…。
冷蔵庫の中にはおよそ20種類の総菜などが入っています。
それを温めるだけ。
味もいいうえにこちらの女性この日のランチはすべておかん。
きんぴらごぼうとハンバーグ。
そして玄米ご飯。
夕方5時退社前のこちらの女性。
冷蔵庫からひじき煮を取り出すとそのまま鞄の中へ。
東京・代々木にあるマンション。
その一室におかんの本社があります。
社員5人のベンチャー企業です。
もともとコンサルティング会社に勤めていましたが不規則な食生活で体を壊した経験からランチタイムは自分もオフィスおかんの総菜です。
そのうちの一つが先ほどの会社。
まず会社が1か月分の料金を払い総菜を購入します。
この会社の場合は9万円で300品というコース。
社員は食べる分だけ1品につき100円か200円を料金箱に入れます。
これもおかんの売り上げに。
つまり会社が料金を負担することで社員が安く食事をとれる仕組みなのです。
社員食堂の代わりとして利用する会社が多く社長にとってもありがたい存在のようです。
結構ハードルが高いんですよね。
北陸この日おかんの社長沢木さんがやって来ました。
向かった先は福井県内に8店舗を展開するコンビニエンスストア。
一見よくあるコンビニのようですが店の半分は総菜売り場になっていました。
ここの総菜は保存料などの添加物を使っていないのが売り。
味もよく健康にもいいと地元でも人気です。
いらっしゃいませ。
こんにちは。
このコンビニを運営する大津屋の社長小川さん。
実は沢木さんここから総菜を仕入れています。
ここの総菜はある特別な方法で作られていました。
大津屋の本社。
総菜は自社工場で作られています。
その秘密兵器がこれ。
袋に食材と調味料を入れ真空パックにします。
それをこの機械に入れて…。
そこに沢木さんは目をつけました。
大津屋ではコンビニ用の総菜だけでは工場に空き時間ができていました。
おかんの仕事を引き受けることで稼働率があがったといいます。
一方こちらのオフィスでは社員の食生活に問題が起きていました。
仕事の合間にチョコレートやスナック菓子を食べ続ける社員たち。
これはなんとかしなければ…。
東京・代々木にあるベンチャー企業おかん。
オフィスでいつでも総菜が食べられるサービスを展開しています。
お願いします。
よろしくお願いします。
やって来たのは総菜を配達してくれている業者のひとつです。
荷物を運ぶその背中には「水の宅配しています」と書かれています。
総菜を積み込んだ車にはウォーターサーバーと水のボトルが。
この水の宅配業者。
水の配達だけでは空き時間が多く効率の悪いことが悩みでした。
おかんはそこに目をつけたのです。
よろしくお願いします。
ここはおかんを利用している会社。
冷蔵庫を開けると何がどれだけ減っているかここまでしてもらってもコストは大手宅配業者の半分以下だそうです。
その理由は…。
はいありがとうございます。
チラシを取り出し本業の水の宅配サービスをアピールします。
ありがとうございます。
もしよろしければどうぞ。
水の配達の合間におかんの客に総菜を届けます。
補充が終わるとすかさず…。
水を売り込みます。
もともと名古屋を拠点にしていたというこの水の宅配業者。
4年前に東京に進出しましたが知名度がありません。
おかんの社員お忙しいところすみません。
よろしくお願いします。
水木さんは利用してくれている会社のサポートを担当。
定期的に訪問して商品に対する要望などを聞きます。
スマートフォン向けのアプリを開発しているこの会社。
1日中パソコンの前に座って作業する人が多くあちこちでチョコレートなどをつまむ姿が見られます。
なかには引き出しにチョコレートをストックしている人も。
オフィスに戻った水木さん。
箱のお菓子買ってずっと食べてるみたいな子は…。
社長の沢木さんに報告します。
早速新商品作りが始まりました。
目指すは打倒チョコレート。
おやつになる総菜です。
オフィスおかんの総菜を作っている大津屋です。
工場ではチョコレートの代わりになる新商品作りが始まっていました。
用意したのは福井県産のトキミツイモ。
甘みの強いサツマイモです。
女性の方のおやつ代わりということで小さめにカットすることに。
それを袋に入れ特製のタレを加えると…。
真空パックにしてあの機械で加熱します。
いったい何ができあがるのでしょうか?おかんの顧客サポート担当水木さんがやってきました。
仕事の合間にお菓子を食べる社員が多かったあの会社。
そこに新商品を持ってきたのです。
ありがとうございます。
結構甘いので。
早速冷蔵庫の中へ。
多めに入れました。
担当者が社員たちに知らせてくれました。
すると早速男性社員が冷蔵庫を開きます。
取り出したのは新商品の大学芋。
5〜6個入って100円。
デスクで食べていると…。
食べる?引き出しにチョコレートを入れていたあの女性も食べていました。
おかんでは今後東京以外にもサービスを広げ今年中に取引先を400社まで拡大する計画だといいます。
注文からわずか10分程度でオフィスまで弁当を届ける。
オフィスの冷蔵庫にさまざまな総菜を用意しいつでも好きなときに食べられるようにする。
そんな新たなサービスが登場していることが今回わかりました。
意外と多くの人が困っているランチ問題。
そこにはまだまだビジネスチャンスがあるのかもしれません。
2015/04/14(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【今、“日本のランチ”が大変貌!】[字]
弁当が注文から10分で届く!驚きの宅配▽100円の総菜が20種類以上!社員の健康促進に役立つ?“置き総菜”とは▽オフィス街のランチ難民を救え!▽こだわりコーヒーも運ぶ
詳細情報
番組内容
オフィス街で働くサラリーマンやOLを悩ます、日々のランチ。高層ビルではエレベーターが大混雑し、外に出るにも時間がかかる。周辺の食堂やレストランには長蛇の列。コンビニで弁当を購入しようとしても、ここでもレジ待ちの行列に並ぶはめに…。そんな“ランチ難民”を救おうと、新しいサービスが登場している。これまでの常識を覆す方法でランチ戦線に挑むベンチャー企業の取り組みを取材した。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/
◆公式Twitter
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