被ばく線量:原発周辺除染 年間最大14ミリシーベルト

毎日新聞 2015年04月15日 21時05分(最終更新 04月15日 21時23分)

 原発作業員らの被ばく線量を管理している放射線影響協会は15日、福島第1原発事故後に同原発周辺で除染作業に従事した作業員約2万6000人の被ばく線量の集計を初めて公表した。年間平均被ばく線量は0.5ミリシーベルト、最大被ばく線量は13.9ミリシーベルトだった。厚生労働省は「年間50ミリシーベルトの健康限度値が守られていることが確認できた」としている。

 除染作業員については、厚労省令などにより被ばく線量の記録が義務づけられ、事業者が協会に線量を登録している。協会は国が直轄で除染を進めている除染特別地域などのデータを公表した。

 集計によると、作業員1人当たりの四半期ごとの平均被ばく線量は、2012年1〜3月が0.8ミリシーベルトと最も高く、同4〜6月に0.4ミリシーベルトとなった後は14年10〜12月まで0.2〜0.3ミリシーベルトで推移している。除染作業の従事者は11〜12年が1万1058人、13年が2万564人(11〜12年と重複している人を含む)。年間平均被ばく線量はいずれも0.5ミリシーベルトだった。

 厚労省によると、福島第1以外の原発の作業員の年間被ばく線量は1ミリシーベルトで、福島の除染作業員はその半分だったことになる。作業員の最大被ばく線量は12年が13.9ミリシーベルト、13年が6.7ミリシーベルト。年齢による被ばく線量の差はほとんどなかった。【東海林智】

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