駐日ロシア大使:広島の平和記念公園で原爆慰霊碑に献花
毎日新聞 2015年04月14日 19時08分(最終更新 04月14日 19時33分)
ロシアのアファナシエフ駐日大使は14日、広島市を初めて訪れ、平和記念公園で原爆慰霊碑に献花した。大使は原爆資料館を見学後、松井一実市長と会談。核兵器使用を準備していたとするプーチン大統領の発言などを巡り、ロシア側に抗議した松井市長は「平和を阻害する言動には一貫して抗議している」と述べ、改めて核兵器廃絶に向けて取り組むよう大使に要請した。
プーチン大統領は3月、ウクライナ南部クリミアの編入時に核兵器の使用を準備していたと発言。ロシア軍の演習で、核兵器先制使用の可能性を想定していたことも明らかになった。松井市長は今月3日、「被爆者の平和への思いを踏みにじるものだ」と抗議文を送付。アファナシエフ大使は9日付の返書で「批判は見当違い」と述べ、米国と名指しはしなかったが「原爆投下国こそ抗議の対象だ」と反論していた。
松井市長は会談で「被爆者の思いを世界に伝えるのが広島の役割だ」と市の立場に理解を求めた。大使は「大統領は核兵器を使うという発言は一切していない」と述べたが、「広島市民の気持ちはよく理解している。悲劇を二度と繰り返さないことが大事だ」と話した。【加藤小夜】