高浜原発:「同じ判断期待」「影響拡大困る」反応割れる
毎日新聞 2015年04月14日 22時48分(最終更新 04月15日 06時29分)
◇福井地裁の3、4号機再稼働差し止め仮処分決定
福井地裁が14日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜市)の再稼働を差し止める仮処分の決定は、各地にさまざまな反応を巻き起こした。
使用済み核燃料再処理工場など原発関連施設が集中立地する青森県。訴訟で事業許可の取り消しを求めている「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」代表の浅石紘爾(こうじ)弁護士は「勇気ある決定だ。(裁判長らは)清水の舞台から飛び降りる気持ちだったのではないか」と評価した。
茨城県東海村に立地し、半径30キロ圏に全国最多の約96万人が暮らす日本原子力発電東海第2原発。運転差し止め訴訟では今回の高浜原発と同様、新規制基準の問題点を主張している。原告世話人を務める元同県龍ケ崎市議の披田(ひだ)信一郎さん(66)は「東海第2でも同じ判断を期待する」と述べた。
一方、東海地震の想定震源域内に立地し、海抜22メートルの防波壁を造って再稼働を目指す中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)。市内のホテルに勤める男性(40)は「宿泊客の大半が原発関連で、正直再稼働してもらわないと苦しい。浜岡原発に影響しないように祈る」と当惑した様子。再稼働の是非は県民投票で判断するのが望ましいとする川勝平太知事は「決定は注目すべきもの。県も原発の安全性を独自検証していく」とのコメントを出した。【伊藤奈々恵、佐久間一輝、平塚雄太】