インデックス投資のメリット・デメリットまとめ
更新日:
資産運用の考え方
投資初心者におすすめの投資手法にはインデックス投資があります。TOPIXや日経平均、MSCI Kokusaiなどの株価指数に連動するパフォーマンスとなり、とても無難です。他方、マイナス面も存在しています。
インデックス投資のメリット・デメリットについてまとめます。
目次
インデックス投資のメリット
安価な手数料
インデックス投資をする際に買うことになるインデックス投信・ETFの手数料は、アクティブ投信に比べるとかなり低めです。
投資信託だと販売手数料は0円で信託報酬は年率0.25%~0.7%程度です。
ETFだと信託報酬は年率0.1%~0.5%程度で、上場株式と同様の売買手数料がかかります。ただし、ネット証券の信用取引&現引・現渡を使うと売買コストは0.05%未満にすることができます。
また、カブドットコム証券には「フリーETF」という仕組みがあり、なんと売買手数料無料で信託報酬が最安値水準のMAXISシリーズやSPDR S&P500などを取引できます。
多くのアクティブ投信に勝つ実績
国と時期によって異なりますが、概ね50~70%のアクティブ投信がインデックス投信に負けている時期が多いです。以下はバンガード社に掲載されていた米国大型株式アクティブファンドが市場インデックスに負けた割合の推移です。
(引用:バンガード社Webサイト)
1985~2008年の時期は、5年累計リターンでは62%、10年累計では53%、20年累計では68%のアクティブファンドがインデックスに敗北しました。これは米国大型株式に限らず、日本株やグローバル株式も同じ傾向があります。
ではインデックス投信よりもパフォーマンスが良い投信を事前に選べばいいかというと、良い投信を選ぶためにはポートフォリオや売買について分析しないと良し悪しを判断できません。
以下のような項目をチェックして良し悪しを判断する必要があります。
- 具体的にどのような投資戦略を立てているのか。その投資戦略が有効であると判断できる論理的根拠は何か。
- その投資戦略によって、売買コストなどや運用報酬を勘案して、市場平均および他社のアクティブファンドを上回ることが可能である論理的根拠は何か。
- その投資戦略は今後どの程度有効である見通しがあるのか。有効性が切れたと判断した際はどうするのか。
- 特に注目する指標ないしデータは何か。
- 投資対象の候補群はどのように設定するのか。そこから実際に保有する数までどのように絞り込むのか。
- 平均保有銘柄数はどの程度か、業種のウエイトはどのように決定するのか、対象銘柄の平均的規模はどの程度か。
- 個別銘柄の保有ウエイトはどのように決定するのか。
- 売買回転率はどの程度か。売買に関しては、どのような基準があるのか。
- ポートフォリオはどのようにメンテナンスするのか。全体のリスクとリターンをどのように管理していくのか。
このような判断ができる人は、当然に良い銘柄を選ぶことができるはずです。したがって、最も低コストで期待リターンが高い個別株式投資をすればよく、いちいちアクティブ投信を買う必要性は乏しいです。
分散投資で無難
インデックス投信・ETFは分散投資が行き届いていることが多く、初心者が大した根拠なしに集中投資して、大ヤラレする事態は避けられます。
もちろん分散投資すると期待リターンも下がります。集中投資はハイリスク・ハイリターン、分散投資はローリスク・ローリターンです。
どちらを選ぶかは好みにも左右されますが、初心者向けには分散投資は無難です。
インデックス投資のデメリット
トレーダーに食い物にされる
インデックス投資というのは、インデックスに連動する運用を行います。インデックスというのは運用ルールを事前に公開しています。
それをトレーダーに利用されて、高く買って安く売ることを繰り返すことになります。以下のチャートは楽天証券です。
「スマートベータは伝統的インデックスよりも過去5年とか10年とかパフォーマンスが良い」という話がよくあります。
それの要因の一つは、伝統的インデックスは過去ずっとカモられ続けてきたのに対して、スマートベータのバックテストは空想上のテストなのでカモられていないことがあります。
JPX400が過去数年はTOPIXよりも成績がいいとしても、今後はJPX400がTOPIXと同じようになる可能性があります。
過去最大級にひどかったのは、2000年4月の日経平均の銘柄入れ替えです。10%以上マイナスの影響を受けて、インデックス投資家が大損して、証券会社・ヘッジファンド・トレーダーが大儲けしました。
分散投資ゆえにリターンもそこそこ
インデックス投資は幅広い分散投資となるため、値動きはマイルドとなります。個別株式投資や先物等を利用したレバレッジ投資に比べると、高いパフォーマンスは得られません。
リスクを低下させるというメリット払いますが、リターンも低下させるというデメリットが有ります。ここらへんは裏表ですね。
まとめ
インデックス投資はメリット・デメリットがあります。資金量がある場合は、20~30銘柄程度に分散投資をしてポートフォリオを組めば、インデックスと同じくらいのリスクで運用することもできます。
デメリットを避けてリスクは同程度でリターン向上を目指すこともできます。また、バイ&ホールドではなく、絶対リターン獲得を目指していくこともできます。
多くのアクティブ投信がインデックス投信に勝てないというのは、多額の資金量で運用している要因も大きいです。500億とか1000億とかを運用する場合は、マーケットインパクトの影響が大きくなり、小回りが効かなくなります。
資金量が増えれば増えるほど、インデックスに勝つ難易度が格段に上がります。アクティブ投信とインデックス投信の選択なら、基本的にはインデックス投信がベターだと考えています。
しかし、個人投資家は数十万~2億円の資金量であることがほとんどです。この程度の資金量ならアクティブ運用でインデックスのアウトパフォームや、絶対リターン獲得を目指すことも選択肢の一つです。
ただし、手間はかかりますし、難易度は上がり大損するリスクも上がります。どちらを取るかは個々人で結論は異なるでしょう。
なお、アクティブ投信ならひふみ投信がよいと考えています。私も少しですが保有しており、かなりのリターンになっています。約2倍になりました。もっと買っておけばよかった・・・。
ひふみ投信は格付会社のR&Iの「R&Iファンド大賞2014最優秀ファンド賞」を受賞しています。R&Iファンド大賞で3年連続受賞しています。
自分で個別株投資をするのには抵抗があるけれども、インデックス投信だけではなくアクティブ投信も!という方にはおすすめの投資信託です。
⇒ひふみ投信の詳細ページ
インデックス投信を買う場合はSBI証券がおすすめです。nanacoやTポイントに交換できるSBIポイントが貯まる「投信マイレージサービス」がお得です。詳細は以下で解説しています。
ETFを買う場合は、カブドットコム証券のフリーETFを活用しましょう。カブドットコム証券は当ブログとスペシャルタイアップキャンペーンを開催しています。口座開設をするだけで、1,000円のプレゼントがあります。
Adsense
Adsense
関連記事
-
-
投資家必見の相場格言!頭と尻尾はくれてやれ
株式投資や投資信託・ETFの投資において難しいのは利益確定のタイミングです。特に現在のように
-
-
投資家として生き残るために必要なリスク管理
関西人の友人から「逆ヤーマン」と言われたまつのすけです。さすがの面白い突っ込みでした。確かに
-
-
楽天証券セミナーに藤巻健史降臨!氏の主張は?
本日、楽天証券サービス開始15周年記念投資セミナーが両国国技館で開催され、竹中平蔵氏と藤巻健
-
-
まだ株式・ETFを普通に買ってるの?信用取引&現引き・現渡が低コスト!
株式やETFを売買する場合、初心者は買う時は株式やETFを普通に現物買いし、売る時は現物売り
-
-
新聞社を見て再認識した損切りの重要性
新聞社を見て、損切りの重要性を再認識しました。特にトレーディングでレバレッジをかけている場合
-
-
SBI証券のPTSを使うと株式投資で利益の可能性が広がる。
SBI証券にPTS取引 (SBI PTS)というサービスが有ります。個人投資家も利用できる日
-
-
ルーブル大暴落!その時ロシア人がとった驚愕の行動は?
2014年12月には原油価格の戦慄的落下に伴い、欧米の経済制裁がボディーブローのように効いて
-
-
してよいナンピン、ダメな難平
ナンピン(難平)という投資行動がありますね。市場価格が予想とは逆に動いた場合に追加売買を行っ
-
-
投資家必見!ドル円の購買力平価に注目の動き
1970年代の変動相場制への移行以来、ドル円は大局的には長らく恒常的な円高傾向が続いていまし
-
-
リタイア後の資産運用の留意点
NRI国際年金研究シリーズ Vol.6 というレポートは、リタイア後の資産運用を考える上で参