郷ひろみ21年ぶり連ドラ「千載一遇のチャンス」
歌手の郷ひろみ(59)が、21年ぶりに連続ドラマに出演することが14日、分かった。26日スタートのTBS系連続ドラマ「天皇の料理番」(日曜・後9時)で、佐藤健(26)演じる主人公・秋山篤蔵に、天皇のお抱えシェフとなるよう促す在仏日本大使役。役作りのため「人生初」という長いひげをたくわえ、フランス語の長せりふにも果敢に挑戦。10月に還暦を迎える節目の年に「忘れかけていたチャレンジ精神を見つけることができた」と晴れやかな表情を浮かべた。
連ドラ出演は94年のNHK「企業病棟」で医師を演じて以来21年ぶり。民放では90~91年の日テレ系「刑事貴族」以来、実に24年ぶりとなる。還暦の節目に役者としてのオファーを受け取った郷は「千載一遇のチャンス」と、新たな挑戦に身を投じることを決めた。
TBSの60周年ドラマとして制作される本作は、宮内庁の料理長として明治、大正、昭和の激動の時代を駆け抜けた秋山(佐藤)の人生を描くヒューマンドラマ。郷は、青年期の秋山が明治時代に留学したパリで才能を開花させ、天皇の料理番としての辞令を授ける在仏大使・粟野慎一郎という実在した人物を演じる。
粟野の「大日本帝国は一等国であると、あなたの料理で証明してください」というせりふは、ドラマの核。石丸彰彦プロデューサーは「一番大事なことを言わないといけない役。厳しさとエレガントさをあわせ持つ存在」と起用理由を説明する。
フランス語を流暢(りゅうちょう)に話す演技も要求される難役。「出るだけでも重責だなって思っていたのにフランス語も。このハードルの高さは世界記録に匹敵する」と苦笑い。「1か月間、毎日どこに行くにもずーっとフランス語を聞いていた。子供も覚えて『アロー(フランス語の「もしもし」)』って話し出すぐらい」とのめりこんだ。役作りにもアイデアを出し「ここまで長く生やすのは人生で初めて」と口回りに長いひげをたくわえ熱演した。
郷は26日の放送初回と7、8話(6月7、14日)に出演予定。「忘れかけていたチャレンジ精神を見つけることができた。これから違う世界を広げて、人生を変えていけるような気がする」と60代からの俳優活動にも意欲を見せた。ドラマは文科省、厚労省がそれぞれ手掛ける留学、職業能力開発の施策とタイアップし、ポスターなどが全国各地に掲出される。