【BOX】大人の山中、凱旋KOへ!1年ぶり地元関西決戦

2015年4月14日6時0分  スポーツ報知
  • 予備検診でリーチの長さを測定する山中

    予備検診でリーチの長さを測定する山中

 ◆報知新聞社後援 プロボクシング「ワールドプレミアムボクシング」 ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ 王者・山中慎介―同級7位・ディエゴ・サンティリャン(16日・大阪府立体育会館)

 WBC世界バンタム級王者・山中慎介が“脱・肉食系”でこだわりのKO勝利を引き寄せる。同級7位ディエゴ・サンティリャンとの8度目の防衛戦へ、13日は大阪市内の大阪帝拳ジムで予備検診に臨んだ。判定勝利に終わった前戦V7戦では、ダウンを奪った後にレフェリーの指示を守り切れずにKOを逃した。冷静なメンタルを心がけ、1年ぶりの地元・関西凱旋を果たす。

 山中は、東京の試合とは勝手が違う、報道陣が見守る中での身体測定にも、時折、ゆとりの表情を見せた。「コンディションは良すぎるぐらい。調子に乗りすぎず、仕上げていきたい」と迫り来る決戦へ、頬を緩めた。

 心を整える。「闘争本能を抑えていきます」。昨年10月のV7戦。7回に挑戦者スリヤン(タイ)から左で初ダウンを取った。規定ではカウント中はニュートラルコーナーで待機しなければならないが、KO勝ちにこだわるあまり「本能が出た」。追撃しようとスリヤンに再三近づき、その都度レフェリーに制止された。この間に20秒以上がカウントされ、相手は回復。KOチャンスをフイにし、結果的に判定決着に終わった。

 連続KO勝利が「5」でストップし、王者はずっと悔しがっていた。「今度はレフェリーに止められれば我に返るはず」と世界戦8試合で18度のダウンを取ってきた王者は今回も剛腕が火を噴くのは必至。KO奪取へ〈1〉ダウンを取った後はセコンドを確認〈2〉大和心トレーナー(39)も「待て!」と指示―と連係プレーを図る。

 検診でサンティリャンの身長が山中より10センチ低いことが判明。予想外の高低差に「小さいとは聞いていたけど、驚いた。前に戦ったスリヤンも160センチほどだったし、パンチを体に当ててからいろいろ考えたい」と25戦目となる豊富なキャリアでアジャストしていく。

 滋賀が故郷の山中にとって昨年4月のV6戦以来となる関西での大一番。大阪・難波の宿舎周辺を散歩していると、カレーライスの名店「自由軒」を見つけた。好物なだけに「前から気になっていた店。試合が終わったら行きたい」。クールな気持ちと目で、欲しいものをすべて手に入れる。(飯塚 康博)

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