高浜原発:支援者ら「最高の決定」 再稼働差し止め仮処分
毎日新聞 2015年04月14日 22時54分(最終更新 04月15日 06時27分)
◇福島原発事故で避難生活者「当然の決定だ」
東京電力福島第1原発事故で避難生活を送る人たちの多くは「当然の決定だ」と歓迎した。
福島県南相馬市の自宅が避難区域となり、福島市で暮らす漁師の今井功さん(67)は「『原発に絶対安全はない』が福島の最大の教訓。福島の現状を考えた上での決定だと思う」と語った。原発事故後、同居していた息子一家は同県いわき市に移り、家族はバラバラ。各地で進む再稼働の動きについて「事故が起きれば生活が一変する可能性があると分かった上で判断してほしい」と話した。
第1原発が立地する同県双葉町から同県会津若松市に避難する60代の女性も「事故があるまで原発は安全と信じていた」と振り返る。東電に勤める長女は震災当日、第1原発敷地内にいた。5日後、疲れ切った娘と再会した時の様子を思い出すと今も涙が込み上げるという。「この苦しさは体験してほしくない。福井地裁の決定は当然であり、原発は一つもいらない」
同県伊達市から札幌市に自主避難した宍戸隆子さん(42)は、避難者コミュニティーの代表を務める。「司法が福島の事故と、我々被害者を忘れないでいてくれた。この決定を新しいエネルギー社会を目指すきっかけにしてほしい」と語った。【宮崎稔樹、喜浦遊、遠藤修平】