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 インターネットバンキングの不正送金事件で押収した「プロキシ(代理)」と呼ばれる中継サーバーから、国内大手銀行のネットバンキング利用者約30人分のIDとパスワードが見つかった。警視庁が15日発表した。この銀行の偽サイトも見つかった。接続記録から、中国のグループが関与していた、と警視庁はみている。

 サイバー犯罪対策課によると、中継サーバーは、昨年11月に不正アクセス禁止法違反などの疑いで摘発した東京都内のサーバー管理会社にあった。IDとパスワードが見つかった約30人分の口座から不正送金された被害はなかったが、情報が盗まれていることに気づいていなかった人もいた。

 偽サイトは、銀行を装って利用者にIDやパスワードのほか、不正防止のための乱数表の全ての数字を入力させて盗み取るように仕組まれていた。

 中継サーバーを経由してネットに接続すると、発信元が特定されにくく、不正送金などに悪用されている。押収した別のサーバーからは、韓国のネットバンキング利用者の情報も見つかっている。