用を足した後のトイレが臭い――。誰もが経験する生理・生活現象が原因で、殺人未遂事件に発展してしまった。
長男(3)のトイレをめぐって口論となり、夫(34)を包丁で切り付けた妻(29)が13日までに、殺人未遂容疑で警視庁大森署に現行犯逮捕された。
同署によると12日午後、先にトイレで踏ん張っていた夫のもとに、尿意を催した長男がドア越しに「パパ~、トイレ」と催促。夫は急いで用を足し、そのまま長男のトイレを手伝おうとしたところ、妻の依美容疑者が「手を洗わずに触れるな!」と激怒したという。
無言で手を洗い、再び長男のもとに戻った夫に、今度は「こんな臭いトイレじゃ子供が入れない!」と罵倒。これにブチ切れた夫と壮絶な夫婦げんかに突入したという。
「ぶっ殺すテメー!」「おう、やってみろや!」
以前から、こうした過激発言が飛び交う夫婦げんかだったため、その行動はエスカレート。ついには妻が近くにあった文化包丁(刃体18・7センチ)を手にし、夫を切り付けたという。
夫は左頬に全治1週間の切り傷を負い、妻は警察の取り調べに「夫が『刺せよ』と言い、自分から(刃に)顔を当ててきた。殺そうとは思っていなかった」と供述している。
まさかトイレのにおいでここまでの大ごとになるとは…。実際のトイレのにおいや、消臭剤の有無について、大森署は「検証していない」という。
夫婦は昨年1月にも警察沙汰の騒ぎを起こしている。捜査関係者の話。
「夫婦げんかが原因で妻が家を出て行き、公衆電話から夫に『いまから殺しに行く』と予告した。これにビビった夫が所轄警察に駆け込んできたが、酒に酔っていて何を言っているか分からなかった。結局、親族の方が2人の間に入って話し合いをすることになった」
今回の事件も夫婦げんかの延長とみられるが、一番かわいそうなのは、それらをいつも間近で見てきた長男に他ならない。
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