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人生いろいろ、ベルもいろいろ。
今やショッピングセンターにはかかせないフードコート、ここには他にない独特の活気を産み出すグルーヴがある。ピーピーピー、ピッピーピピーとあったかくておいしい料理の完成を告げる呼び出しベルの音だ。あれ、テーブルに置いておくとふるえて動きますよね。
> 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー イオンモール与野からはじまった。
フードコートで飯を食う、あの高揚感はなんだろうか。がやがやしてるし、水のコップもなんか形状が安定しない軟質プラスチックとか紙のやつだし小さい。しかしいつも立寄りたくなる。あの引力は一体、なんなんだろうか。
ちなみに与野はバラの町らしいのだがなんでローマ字
と、ある日の昼食時にフードコートで目を閉じて喧噪に耳を傾けていると、ほのかな振動と共にけたたましく鳴り響くコールが心臓の鼓動にシンクロしてきた。ベルが鳴っている、震えている。飯ができたのだ。
ワンタッチ・コール
「ピー、ピー、ピー」「ピー、ピー、ピー」ご飯時の喧噪の中、至る所でベルの鳴き声が立ち上がり、フードコートというハコに詰めていたオーディエンス達に動きが生まれる。「4番でお待ちのベイベー!」飛び交うMC。カウンターに向かう人も飯を取り引き返す人も、皆笑顔だ。ベルはまだどこかで鳴り続けている。ゲットした飯からほのかに立ち上る煙、シズル感、YEAH、 いただきます、んまい!これがグルーヴ!呼び出しベルが生み出すグルーヴ!!
「消」というボタンを押すと音が止む。
昔読んだ短編漫画「グッドバイブレーション」(小谷健一短編集「湘南ストーリー」収録)の台詞を思い出した。
「バイクもサーフィンもバイブレーションは同じだ、グッドバイブレーションさ!!」 あるんだよ、あるんだよフードコートにも、グッドバイブレーションが。 広く、雑然としたフードコートの中で、グッドバイブレーションによって僕らと飯をつなぐ、いわば命のベル。どんなのがあるのか見てみよう。 空港での出会いすごく南の島、石垣島からの帰り、石垣空港でスターバックスのチャイラテを飲みながら飛行機を待っていた。
蝶を飼育しているスペースがあって目を見張った。
ボーッとしていると充実した旅の思い出がよみがえる。レンタカーの送迎車ではベタにTHE BOOMの島唄が流れていたっけ。
♪島唄よ風に乗り〜ラララララララ〜ラララララララー、ピピピーピピピピピピピ〜届けておくれ〜ピピピピピピピピー…なに!? ピピピは前方から聴こえる…
島唄にいつの間にか浸食してきたあの音、見ると寿司屋のカウンターがあって、カップルがねずみ色のデバイスと引き換えに鉄火巻をゲットしているではないか。ブルーベリースコーンを食べて腹がふくれていたにも関わらず私は寿司店にダッシュして鉄火巻を発注した。
わーい、べルだ。エアコンも点きそう。
製品名は「リプライコール」、前出の「ワンタッチ・コール」よりサイズは少し大きいがホールド感は良好。ポケットに入れて持ち歩きたい。
ディスプレイに赤く映える充電残量表示。
鳴りだした瞬間を切り取るために動画を撮影した。(あたり前ですが音が出ます)
覚醒。ディスプレイには10の表示が。情報がかぶっている。
ピーッ、ピーツと車のバックのようなコール。同時にバイブレーションで注意を喚起するのだが、その振動で机を蹴ってわずかにベルが動く。すごくかわいくてよくないだろうか。
動画なんて見ていらんない方のために結果をまとめた。 石垣島空港(リプライコール)
なき声:ピーッピーッピーッピーッピーッピーッ…… ふるえ:★★ 鉄火巻きはおいしかった。ベルもおいしさに寄与していると私は信じる。
こんな感じでフードコーティング(フードコートに行くこと)を重ねる。
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