14日午後8時すぎ、広島県三原市の広島空港で、ソウル発のアシアナ航空162便エアバスA320(乗客74人、乗員8人)が着陸直後に滑走路から外れて停止した。乗客乗員は全員、脱出シューターを使って機外に出た。広島県警などによると乗客ら22人が負傷したが、いずれも軽傷とみられる。
国土交通省は航空事故と認定、運輸安全委員会は15日に航空事故調査官3人を広島空港に派遣する。
国交省によると、アシアナ機は空港の東側から着陸し、滑走路の進行方向左側にそれ、逆向きに停止した。
東側の滑走路端から約300メートル離れた場所にある高さ約6.4メートルの無線設備が損傷。アシアナ機は機体左側の主翼とエンジンが損傷、機体尾部にも擦った痕跡があった。左主翼の付け根付近にある車輪には、無線設備のアンテナとみられるものが引っかかっているのが確認された。
国交省は、着地する直前に滑走路端の無線設備に車輪を接触させたとみている。
広島空港事務所によると、アシアナ機は滑走路の中心部近くで南側にずれて停止した。
広島空港は、午後8時すぎから滑走路を閉鎖、広島着の5便のうち2便が出発地に引き返し、ほか3便は目的地を変更した。広島県警は緊急事態対策本部を設置、詳しい状況を調べる。
広島地方気象台によると、午後8時ごろの広島空港周辺は、南東から南方向にかけて霧が発生。弱い雨が降り、風は弱かったという。
アシアナ機はソウル・仁川国際空港を午後6時半ごろ出発した。〔共同〕
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