世界中から注目を集めている忍者といえば、伊賀と甲賀に分かれて激しく対立していると認識している人が多い。そんななか、両者の故郷、三重県伊賀市と滋賀県甲賀市が手を組んで2月22日を「忍者の日」と制定、観光戦略などで連携していくことを決めた。「歴史的和解か」と驚くかもしれないが、実は昔から協力関係を築いていた。それが劇画やアニメなどのイメージが強すぎ、いつの間にか“対立の構図”が定着していったという。正しい史実を伝えるため、歴史研究家たちも立ち上がった。(吉田祥子、宮崎文雄)
「伊賀と甲賀は、そんなに敵対した歴史はありませんでした。同業者のよしみがあり、むしろ協力していたという説もあります」
「忍者の日」が制定されたことを記念して、甲賀市の「甲賀の里忍術村」で開催されたセレモニーで、滋賀県の三日月大造知事はこうあいさつした。
セレモニーには、三重県の鈴木英敬知事のほか、中嶋武嗣・甲賀市長や岡本栄・伊賀市長も出席。さらには、朝日放送系で放送中のスーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(日曜午前7時半〜)のキャラクター5人も姿を見せて花を添えた。
忍者の日は、伊賀上野観光協会(三重県)と甲賀市観光協会(甲賀市)などが制定。三日月知事のあいさつに対して、鈴木知事は「甲賀と伊賀は忍者のふるさととして多くの人に知られています。世界中でさらに忍者がブームになっていくことを願っています」と応じた。
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