茨城県内原子力施設チェック 大規模災害時チェック 日本の原子力施設チェック

 

2015年04月12日

J−PARCは「住民の理解の上に研究が成り立っている」と考えているのであれば、施設周辺の放射線量のデータを住民が理解できる「マイクロシーベルト」に変換して公表すべきだと思う!

J-PARCに対する要望

J-PARCセンターは、4月中のハドロン実験施設運転再開を目指している。
下記リンクの13ページに記されているとおり、
4月17日原子力安全技術センターの検査を受ける予定だ。
運転中の放射線レベルを実際に測定し、基準内におさまっているかを調べ、
また一次ビームラインの天井遮蔽の構造(気密)等の確認をすることになっている。
https://j-parc.jp/ja/topics/HDAccident20150409.pdf

この検査に合格すれば、1週間程度で合格証が交付され、
運転再開できることになるらしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150410/CK2015041002000188.html


ところで、私は住民説明会の場で
「施設周辺の放射線量のデータ公表をもっとわかりやすくして欲しい」
という要望を出した。
しかし残念ながら、4月11日現在、
私の要望は聞き入れられていない状況にある。。。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/416836156.html



J−PARCが公開している「J−PARC周辺の放射線量」を
皆さんは御覧になったことがあるだろうか。
https://j-parc.jp/ja/Operation/monitoring_post.html

上記サイトで原子力科学研究所または核燃料サイクル工学研究所の文字の上をクリックすると各々の施設の放射線モニタリングにジャンプするので是非一度チェックして頂きたい。
(もしくは下記2つのリンクでご確認頂きたい)

皆さんは上記各施設の放射線モニタリングデータを見て、いかが感じられたであろうか。
「わかりづらい」
と感じられた方が多いのではないだろうか。

上記2箇所の放射線モニタリングのページは、
いずれも日本原子力研究開発機構(JAEA)のサイトとリンクされている。
J-PARC独自のものではない。

福島第一原発事故後、私たち国民が目にし、
耳にしてきている放射線量の単位
マイクロシーベルトだ。

ところがJAEAの公表しているデータの単位はナノグレイである。

研究者としては「ナノグレイ」で良いのかもしれないが、
一般国民、住民の多くは「ナノグレイ」といわれても、さっぱりわからない方が多いだろう。

放射線モニタリングデータは、
なんのために一般に公開されているかを今一度考えて頂きたい。

住民に安心を与えるために公開しているのではないのか?

住民に安心を与えるために公開しているのであれば、
住民にわかるデータで公開しなければ意味がない。

「我々研究機関はきちんとデータを公開している」といくら言っても
そのデータが住民に伝わらない、理解しにくいものであれば、
単にデータを公開しているだけで、住民不在ということになってしまう。


「住民の理解の上に自分たちの研究が成り立っている」
と理解したJ-PARCであれば、この放射線モニタリングデータの単位は
「マイクロシーベルト」に変換して公開してくださるものと思っている。

「我々は測定装置のデータをそのまま公開するので、マイクロシーベルトにしたい人は自己責任でナノグレイからマイクロシーベルトに単位変換をして下さい」
というような考えでは「住民の理解の上に自分たちの研究が成り立っている」という言葉を使うこと自体やめないといけないと思う。


臨界事故を起こしたJCOは、
住民からの要望に従い、ナノグレイ表示ではなくマイクロシーベルト表示でデータを公開している。
http://www.atmp-jcomonitor.jp/

しかもJCOは住民の立場に立って考え、様々な工夫もしている。

  1. データは測定開始時点から全てのデータを確認できるようになっている。
     
  2. グラフ表示もグラフスケールを0.1、0.5、1、5、10、50μSv/hで表示でき、過去24時間、7日間、30日間、90日間、180日間と住民が自由に設定して見られるようになっている。


いかがだろうか?

繰り返しになるが、
「住民の理解の上に研究が成り立っている」
とするJ−PARCが今すべきことは、
住民にわかりやすいデータを公開することだ。
測定機器のデータをそのまま公表して終わり
ということでは住民の理解は得られない。

J-PARCには是非、JCOのデータの公開方法を参考にして頂きたい。
住民に安心を提供するためにしっかり対応して頂きたい。




追伸、J-PARCの運転再開に賛成したわりに、J-PARCに対してうるさいことを言ってると思われるかもしれないが、これが私の考える住民目線の監視の1つだと思って頂ければと思う。
言うべきことは言い、要望すべきことは要望する。
そのかわり応援もしていく。


posted by 古性隆 at 00:30 | Comment(2) | J-PARC問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
津波対策のこと、更には安全対策が進んだはずの今年1月に火災を起こしたことから考えて、私はJ-PARCの運転再開に反対です。
しかし、J-PARCは反対住民の意思に反して運転再開をしてしまうのでしょう。
運転再開をどうしてもするのであれば、住民がいつでも放射線量を確認できるようにわかりやすくマイクロシーベルトで公表して欲しいです。
それくらいはJ-PARCもすべきだと思います。
Posted by 東海村 at 2015年04月12日 09:02
Posted by 東海村 at 2015年04月12日 09:02様

コメントありがとうございます。

住民がパッと見てわかるものでなければ公開していても、それは単に公開しているだけのことになってしまいます。
本文にも書きましたが、J−PARCが「住民の理解の上に研究が成り立っている」と本当に考えているのであれば、住民にわかりやすいデータを公開することが必須だと思います。
住民の立場に立ってなんとしてもJ−PARCには対応して頂きたいです。
Posted by 古性隆 at 2015年04月12日 10:13
コメントを書く
お名前(地名等でも結構です):

メールアドレス(任意):

ホームページアドレス(任意):

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。