ドル・円は119円後半、浜田氏発言で円買い圧力-米指標見極め
2015/04/14 16:01 JST
(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=119円台後半で推移。米国で3月の小売売上高など経済指標の発表を控えてドルの上値が限定的となる中、浜田宏一内閣官房参与の為替水準をめぐる発言の影響が残った。
14日午後3時53分現在のドル・円相場は119円74銭付近。一時は119円63銭と5営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。前日の海外市場では一時120円84銭と3月20日以来のドル高値を付けたが、「120円はかなり円安」などとした浜田氏の発言が伝わると、119円台後半まで急速に円が買われる場面もあった。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの山田修輔チーフFXストラテジストは、政権から近い人物から円安に関する発言が出たということで、ドル・円相場の上値が重くなっていると指摘。その上で、「けん制が入ってくる可能性が意識され、120円を超えてドルの上値を追いかけにくくなる」と話した。
米エール大名誉教授の浜田氏は14日、ブルームバーグの電話取材に対し、円安は徐々に限界に近付いており、日本銀行は無理に2%の物価目標を達成する必要はないことを示唆した。「例えば130円に行くと問題ということか」との問いには、「そういうことは長続きしないか、あるいは一種のバブルみたいなのが起こってガクッと修正ということになるから125、130円になるだろうと思っている人はある程度本当かなと注意してみなくちゃいけないんでしょうね」と述べた。
同氏は13日夜のBSフジの番組で、購買力平価からすると「120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」との見方を示していた。クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司エグゼクティブ・ディレクターは、具体的に105円という水準に言及したことに市場が反応したと説明。加えて、日銀の物価目標に関する発言をしたことで、「外国人投資家を中心に今月30日の金融政策決定会合で追加緩和期待が剥落して、円買い圧力がかかりやすい」とみる。
ユーロ・円相場は1ユーロ=127円ちょうど付近から一時126円10銭と2013年6月以来の水準までユーロ安・円高が進行。同時刻現在は126円36銭前後で取引されている。
米経済指標米国では14日に3月の小売売上高や生産者物価指数(PPI)、17日には消費者物価指数(CPI)などの経済指標が発表される。
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更新日時: 2015/04/14 16:01 JST