「大阪都構想に賛成か、反対か」――。5月17日に実施される「住民投票」の前哨戦とされた大阪府議選と大阪市議選。大阪維新の会は、府議選では議席を減らしたが、市議選は、なんとか改選前を上回った。
 ただ、大阪維新が進めている「大阪都構想」がスンナリ実現するかどうかは別問題だ。

 時事通信の世論調査によると、大阪都構想に「賛成」「反対」は、ともに34%だった。しかし、大阪市民に直接「賛否」を問う住民投票が近づくほど「反対」が増える可能性が高そうなのだ。

 橋下市長は「大阪都構想」などと仰々しく呼んでいるが、住民投票で問われるのは、あくまで「大阪市」を5つの特別区に分割するかどうか、つまり「大阪市」を解体することの是非だけがテーマだ。賛成が上回っても、すぐに「大阪府」が「大阪都」になるわけではない。

 なにより「大阪都構想」には、ほとんどメリットがない。

「大阪都構想のメリットについて、橋下市長は“府と市の二重行政の解消だ”とPRしています。しかし、大阪市を5つの特別区に分けるため、区役所が5つ必要になります。そのうえ5つの行政区を統括する組織も必要になる。ムダが解消されるどころか、財政出動を迫られる。しかも、大阪市を解体するだけで大阪都になるわけじゃない。大阪市民がそうした実情を知ったら反対が増えるとみられています」(大阪市関係者)

 もし、今回の統一地方選のように低投票率になったら、大阪維新には不利だという。

「5月17日の住民投票は、自民、公明、共産が組織を挙げて“反対”に回る。投票率が低くなれば、組織票が力を発揮します。投票率がハネ上がらないと、大阪維新は苦しいでしょう」(市政関係者)