【現地ルポ】トヨタ、円安と技術力で復活

 名古屋から車で50分ほど南東に移動すると豊田市に着く。記者が訪れた同市にはトヨタ自動車が日本国内に設置している12工場で最も古い元町工場がある。昨年12月から世界で初めて販売を開始した最先端の水素燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の生産現場だ。加藤光久副社長は「MIRAIは(ハイブリッド車の)プリウスを超える技術革新の結晶だ」と述べた。それだけトヨタの「技術復活」を象徴しているとの説明だ。

 MIRAIは発売から1カ月で企業・官公庁(840台)、個人(660台)の注文があり、1カ月で年間販売目標(400台)の4倍を達成した。トヨタ関係者は「工場をフル稼働しても年間700台生産するのがやっとで、来年には年2000台の生産ラインを増設することにした」と説明した。

■円安と技術力、日本車の復活

 日本の自動車メーカーによる最近の躍進は目覚ましい。トヨタ、日産、三菱、スバルなどは昨年、一斉に過去最高の業績を上げた。2014年3月期の売上高は27兆538億円、営業利益は2兆2220億円、営業利益(10.2%)は6年ぶりに9%を超えた。株価は底値だった2011年11月に比べ3倍以上に上昇した。リコール(回収・無償修理)問題、リーマンショック、東日本巨大地震などの悪材料から脱却した格好だ。

 現場で会ったトヨタ関係者は、復活の原因について、「円安による価格競争力上昇で北米での販売が伸びたことも大きいが、『技術第一』を改めて強調したことも大きな原動力になった」と話した。

 一例として、トヨタは08年の世界的な金融危機直後、営業損益が赤字に転落した際にも、売上高に占める研究開発費の割合を増やした。当時就任した豊田章男社長は「ものづくり精神に立ち戻ろう」と呼びかけた。「もっといいクルマづくり」プロジェクトを開始し、コストを抑えつつも品質が優れた20以上の新技術を開発した。

豊田(日本愛知県)=李恵云(イ・ヘウン)記者
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