トップ > 静岡 > 4月14日の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡

袴田事件 弁護士の接見?録音 県警のテープに

接見とみられる録音テープが見つかったことを明らかにした西嶋勝彦・弁護団長(左)=13日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで

写真

 静岡地裁の再審開始決定で昨年三月に釈放された袴田巌さん(79)について、静岡県警が逮捕当時の取り調べを録音したテープの中に、弁護士が袴田さんと接見した際のやりとりとみられる録音が含まれていたことが分かった。袴田さんの弁護団が十三日に記者会見し、明らかにした。刑事訴訟法が認める弁護士と容疑者の接見交通権を侵害した可能性があり、弁護団は「違法な盗聴行為で、言語道断だ」と批判している。

 袴田さんの再審請求をめぐっては、現在、東京高裁で即時抗告審が続いている。テープは昨年十月、県警の倉庫で見つかり、今年一月、弁護団に開示された。

 弁護団によると、袴田さんとみられる男性が「パジャマにね…血が付いた…そう言われても僕わかんないですよ」と訴える様子が録音されていた。テープを入れた箱には「8月22日No2 午後4時40分〜45分 岡村弁ゴ士」と記され、録音時間は約四分四十秒。弁護団は袴田さんが逮捕された一九六六年八月十八日の五日後に弁護士(故人)が初めて接見した際の録音と指摘している。

 刑訴法は容疑者や被告は立会人なしで、弁護士と接見ができると規定しており、西嶋勝彦弁護団長は「最も重要な被疑者の権利を侵害した違法行為」と強調。十六日に東京高裁で開かれる三者協議で、検察側に録音の経緯をただし、ほかに接見を録音したテープがないか確認する。

 東京高検幹部は「接見時とみられる音声が録音されていることは把握しているが、詳しい経緯は分からない」と話している。

 <接見交通権> 被告または被疑者が、立会人なしに、弁護人と面会することや書類や物を授受することができる権利。被疑者・被告と弁護士との意思疎通を確保するために刑事訴訟法で定められている。検察官が捜査のために必要である場合は接見などが制約されることもある。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo
地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索