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ピザ 作者:昆布茶コーラ

再会2

「いらっしゃいませ。“ピザ・ボルゲーノ”へようこそ。お客様店内での食事でしょうか?テイクアウトでしょうか?」
「店内です。」
女性客は短く答えた。何故だかは分からないが、さっきから俺を見続けている気がする。それにしても、どっかで会ったような気がする。
女性客を席まで誘導しメニューを渡した。(因みに全席禁煙です。)
「決まりましたらこちらのボタンを押してください。ではごゆっくり。」俺は、調理場に戻った。「ねぇお兄ちゃん。さっきからお兄ちゃんを見ている女は誰?彼女?」
雪江が聞いてきた。まぁ普通の行動だよな。
「いやそれが知らない人なんだよな。どっかで会ったような気がするンだけどな。それもかなり前に。」
そう。かなり前に。彼女があいつならそうなる。雪江が生まれる前に隣近所に住んでいたあの子に。面影が似ている。
ギャー
あっ。ボタンを押した音だ。あ、例の客だ。俺はその客の所へ行った。
「お客様お決まりでしょうか?後、お客様。そうでなかったら申し訳無いのですが、もしかして智美ちゃん?」
そうしたら彼女は、ハッと顔を上げ俺を見て、目をウルウルさせて
ギュッ
突然彼女は俺に抱きついてきた。どうやら俺の間違いではなかったようだ。
「気付くの遅いよ。けど、嬉しかったな。だって私だってわかったんだもの。私が引っ越したのが小学校入学前なんだけど、よくわかったね。」
「髪型だな。お前の髪は昔から綺麗だからな。よく変えなかったもんだ。今でもよく似合っている。可愛いな。」
なんだこいつ?急に顔を赤らめた。俺は何をしたんだ?原因究明を急ぎたい。
「あ、メニュー。翔ちゃん。シーフードピザください。」
まだ顔を赤らめて彼女は言った。俺は、彼女のオーダーを聞いて調理場に戻った。そうだ、彼女は幼なじみの池田智美(いけだともみ)だ。前田桜と俺と同じ幼稚園に通ってたあいつか。
懐かしい顔が揃ってきた。俺はそんなことを思いながらピザを作り始めた。

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