【レポート】
米NetAppは、先週米国ラスベガスで開催した同社イベント「Insight 2014」で、オールフラッシュアレイ「FlashRay」の実物を展示した。
「FlashRay」は、オールフラッシュ ストレージ アレイで、フラッシュ ストレージ専用に開発された「Mars OS」を搭載している。Mars OSはLinuxをベースに開発され、フラッシュに最適化されており、ワークロードが増えてもレイテンシーが1/1,000秒以下に抑えられ、ほとんど上がらないのが特徴。シングルノードでは25万のIOPS(1秒あたりのI/O回数)を実現する。
また、ディスクに書き込む前に重複排除を行うインライン重複排除機能を搭載し、フラッシュの寿命を延ばす工夫がされている。4Uシャーシ1台にコントローラ1台を搭載可能で、16Gbのファイバ・チャネル(FC)を4ポート搭載。SANストレージとしての利用を想定している。
ストレージとしては480GBのcMLC(クライアントマルチレベルセル)を24台搭載(DS2246の場合、ユーザーが利用できるは7.71TiB(1TiB=1,099,511,627,776バイト))可能。容量を追加する場合は、コントローラを含めたノード単位で追加する、スケールアウト型テクロノロジーを採用する。同社では、今後Mars OSとData ONTAPを緊密に統合する予定で、互いのデータの移行をサポートする予定だ。
「FlashRay」は、9月から一部顧客に限定出荷され、一般提供開始は2015年の予定だ。なお、価格などの詳細は、一般提供が開始時に発表する予定。一般提供に向けては、ハードウェアはすでに完成しており、今後ソフトのブラッシュアップを図っていくという。
すでに日本でも2社(顧客とパートナー)に出荷され、導入に向けたテストを実施している段階だという。主に、データベースとVDIの高速化に利用される予定だ。
また、会場には、CiscoのUCSサーバ、Nexusスイッチ、NetAppのストレージを組み合わせたクラウド基盤「FlexPod」において、シュナイダーエレクトリックのラックを利用した静音タイプの「FlexPod Express with Schneider Electric」を展示、中堅企業やブランチオフィス向けの製品で、学校なのでの人気が高いという。
展示会場では、米NetAppが10月27日(現地時間)に発表した「Cloud ONTAP」のインストールデモを見ることができた。ただ、リリース前のため、画面の撮影は許可されなかったので、ご了承いただきたい。
「Cloud ONTAP」は、「NetApp OnCommand Cloud Manager」というツールをインストールする。このツールは、AWS MarketplaceおよびNetAppのサポートページからダウンロードできるようになるという。価格はリージョンにより、異なる。
インストールは、名前や説明、サイト、セキュリティオプション、ライセンス、サポートオプション、シンプロビジョニング、スナップショットの頻度やサイクル、重複排除の有無などを選択してインストールする。担当者によれば、最大25分程度かかるという話だったが、デモでは数分で完了した。
「Cloud ONTAP」は、数週間以内に利用可能になる予定だという。
同社は「Cloud ONTAP」をはじめ、クラウド環境全体のデータ管理を簡略化する新しいソフトウェア、サービスを先月末に発表したが、どのようにサービス強化を図っているのか、サービスプロバイダ向けサービスの強化を担当する米NetApp Global Senior Director Emerging ChannelsのChris Morgan氏に話を聞いた。
Q:NetAppはサービスプロバイダ向けに、どのようなサポートを行っているのか?
A:サービスを新たに開発する面では、NetAppのSE、Professional Service、ラボを提供して、開発を手伝っている。サービスの販売においては、Market Development Funds(MDF)を使った資金を提供しプロモーションを行ってもらったり、NetAppの営業がオンプレミス向け製品だけでなく、クラウド製品を販売しても、インセンティブを支払制度を作っている。サービスプロバイダからは、ネットアップが一緒に売ってくれるという安心感があると好評だ。
Q:日本のサービスプロバイダの特徴は?
A:全体的に保守的なイメージがあるが、AWSに対するニーズは非常に高く、新しいことに積極的にチャンレンジする面もある。AzureやAWSは日本を重視しており、積極的に投資している姿勢がうかがえる。私は、アジアパシフィックでは、日本とオーストラリアに注目しおり、日本は、東日本大震災の影響でクラウドの注目がより高まっており、それが日本でのクラウドの立ち上げを早めた要因だと思っている。
Q:クラウドサービスを強化すると、オンプレミスを中心にストレージを販売してきたリセラーが、売上げが減ると心配するのはないか?
A:これまでリセラーに対しても、クラウドビジネスはどういうもので、どのように販売していくかのトレーニングを行ってきた。また、サービスプロバイダ向けのサービスをリセラーさん経由で販売する取り組みも行っている。そのため、ネットアップではワークショップを通して、サービスプロバイダとリセラーの橋渡し役も行っている。
Q:現在、サービスプロバイダが注目しているサービスは?
A:これまでは、IaaSが中心だったが、最近はPaaSが注目されており、AWSはそこに強みがある。AzureもAWSの動きを見て、PaaSを強化している。
Q:オープンソースに対する取り組みは?
A:我々は、ストレージを管理するという面において、オープンソースに積極的に参加している。特にOpenStackに注目しており、CiscoやIBMとも連携を強めていきたい。また、OpenStackにはHPが積極的なので、今後はHPとの関係も強めていきたいと思っている。
Q:御社の強みは?
すでにパートナーが270社もおり、他社がこれまで大きなコミュニティを作り上げるのは容易ではないだろう。
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