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懐かしのPalmTop(2)

ということでカタログを中心に紹介してきた10年前に登場したPalmTopだが、なんと筆者はいまでもPTC-500を所有している。残念なことに遙か昔に故障しているため起動することすらできない状態であるが現在のパーム製品などとの比較のためにデジカメで取った写真をここで公開しよう。
これが開く前のPalmTopだ。左上には見慣れたソニーのロゴ、そして中央にはPalmTopのロゴマークが見える。中央からしたの窪みは持ちやすくするためのものではないかと思われる。
上の写真は実際に開いてみたところ。上半分にはバッテリスペース、スピーカーしおりボタン、などが配置されている。バッテリはなんと当時の8mmビデオ用でかなりでかい。しおりボタンは今で言うブックマーク機能をハードウェアで実現するものだ。下半分が実際の操作の中心となる画面とページを送るためのボタンとインデックスに素速くアクセスするためのボタンがが配置されている。ご覧いただいてわかるようにボタン類は最小限に押さえられており、現在のパームに通じるものがある。
次に主な仕様を紹介しよう。

入力は「静電容量結合方式によるペン・タブレット入力方式、分解能(0.1mm)日本語手書き文字認識(ファージー理論採用)」となっている。

表示機能は「512(横)×342(縦)ドット反射型STN液晶」だ。現在のパームデバイスは160×160ドットであることから当時としてはかなりの解像度だ。

また、8秒間の録音再生ができるボイスメモ機能や内蔵スピーカーからトーン信号を発生することによるダイヤラー機能12桁の計算機能世界時計アラーム機能なども標準でカバーしている。ボイスメモは下の写真を見ていただけるとわかるように本体のサイドにボタンが付いておりこれらを操作することで実現された機能だ。とっさの時に使う機能として協調されていたが、とっさの時に使うにはしんどいサイズである。第一素手で持ち歩くには不安でバッグにしまい込んでいることの方が多かったもの・・・。

さて、次にハードウェアのスペックを紹介しよう。

メモリは、プログラムと辞書用の2MのROMに、バックアップRAMが320Kバイト、動作用RAMが同じく320Kバイトが搭載されている。いわゆる住所録(コネクションと呼ばれた)のみで800人(70字/1人)分の容量となる。

インターフェースとしては専用の拡張コネクタ(28ピン)とメモリーカードコネクタ(60ピン)を備えている。

気になるCPUはモトローラの68HC000(8MHz)だ。昔のMacintosh Classicと同等の処理能力というところか・・・。

気になる寸法はというと、本体のみで閉じた状態で205×45×158mm、重量は約1160g、バッテリと合わせると約1300gになる。ちなみにバッテリの持ちは約6時間である。

重さは実感していただけないが、下の写真でパームの現行機種とのサイズの違いを確認して欲しい。

閉じたPalmTopの上にWorkPadc3とPalmIIIcが余裕で乗ります
さらに開くと一目瞭然。
PalmVシリーズの6倍の大きさといったところか。
では次に「パームノート」というソフトウェアについて簡単に説明しよう。筆者のPalmTopは電源すら入らないのでカタログからスキャニングしたもので勘弁してほしい。

まずは「書いた文字がどんどん活字に変わる活字プレート」、PalmTopの全ての入力の肝である。入力したい場所にペンでカーソルを合わせ、プレートのマス目に直接文字を記入していく。15万語の辞書を搭載しているのでたいていの漢字は問題ない。

下記の写真のように、よく使われる事例や件名、常用語についてはマス目の上部に「用件」「電話」などの文字を選択することで入力可能だ。
また、絵や図形の入力も図形プレートで簡単に入力できる。
そしてこれらのプレートを駆使してパームノートの3種類の基本ページである「アクション」、「コネクション」、「レポート」へデータをストックしていくわけだ。

「アクション」はパームの「予定表」と「To Do」を合わせたものと思って欲しい。下記の写真が「アクション」の画面だ。

「コネクションは」パームの「住所録」そのものだ。
そして「レポート」はパームの「メモ帳」に手書きメモ機能を追加したものと思って欲しい。当時で自由度の高いレイアウトができることが特筆に値する。
そしてパームノートによって蓄積されたカード型のデータベースはそれぞれリンクが可能で、予定は、日、週、月、年単位の表示も可能、また検索や並べ替えなども容易だ。ただ、操作に関しては必ずしも直感的だったかどうかは疑問が残る。

しかし、こうして見てみるとソフトウェアに関して言えば、日本語の手書き認識といい、パームに受け継がれたと言うよりも、1993年10月に登場したシャープのザウルスシリーズ(PI-3000)に受け継がれていったのかもしれない・・・とふと思った筆者である。

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