藤田知也
2015年4月14日10時48分
米グーグルが運営する口コミ投稿サイトの記述について、千葉地裁松戸支部がグーグルに削除を命じる仮処分決定を出したことがわかった。グーグル側は13日、朝日新聞の取材に「利用者が意見を直接共有できる重要な手段だ」とコメントし、異議を申し立てる方針を明らかにした。
仮処分決定は7日付。千葉県内の診療所が、数年前に投稿された2件の口コミについて「事実と異なる記述で名誉を傷つけられた」として、削除の仮処分を求めていた。地図検索サイト「グーグルマップ」で診療所名を検索すると、地図と一緒に口コミ投稿が表示される。今回は、事故に遭って診療所で治療を受けたところ症状が悪くなり、会社まで辞めた、といった内容の投稿が問題になった。
診療所代理人によると、投稿者は特定できないが、事実とは明らかに異なる点があるという。地裁は診療所側の主張を認めて仮処分を決めたが、投稿2件のうち1件が13日時点でも表示されている。
グーグル側が異議申し立てをすれば、地裁が異議を認めるかどうか判断する。診療所側は、削除しない期間分の「罰金」を求める間接強制の申し立て手続きに入った。口コミサイトの投稿削除を命じる仮処分の決定に対し、サイト運営事業者が従わないケースはめずらしく、今後、民事訴訟に発展する可能性もある。(藤田知也)
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