“窓際族”がちょっとした話題になっている。
窓際族は勝ち組ー。憧れは窓際族ー。
昭和の窓際族たちの切ない背中を知っている世代には、遠視気味の目をめいっぱい見開いて食い入るような発言が、ネットで飛び交っている。
きっかけは、「新社会人よ、窓際を目指せ」というネットマンガが、4月1日に公開されたこと。
エイプリルフールネタかと思いきや、その内容はかなり核心を突いた“優れモノ”で、実に巧みに時代を捉えていたのである。
目指すは、「閑職エリート」
ストーリーは、入社した新人たちが社内見学で、「雑務課」の業務内容の説明を受ける場面から始まっている。
雑務課とは、「仕事なんて何もしちゃいない 一般の社員が『あいつらと比べたら、自分はまだマシ』と見下すことで社内のメンタルヘルスケアに一役買っている部署なんだ」――。
このシニカルな設定の雑務課に集まるのは、選び抜かれた(?)“閑職エリート”。新聞を広げ、おしゃべりをし、勤務時間を過ごす。正真正銘の“窓際族”である。
「仕事なんて適当で調度良いのよ〜」「一度きりの人生なんだし、楽しんだもの勝ちよ〜?」
「うちは年功序列だから、俺みたいないい加減なのも年収八百万は貰ってるし」
「まあー君達みんな出世したら、俺の老後よろしくってコトで笑」
雑務課が醸し出す底辺の空気に圧倒される新入社員に、のうのうとこう語りかけたのは、雑務課のトップ、田辺課長である。
その社会人の誇りを微塵も感じられない課長の発言に、主人公の逆島君は、「本当の勝者はこの窓際だ」と、感銘を受け、“閑職エリート”を目指そうと決意。
- 電話は絶対に取らない
- 歓送迎会や花見は、「アマゾン来るんで」と断って帰る
- 挨拶はしない、されても無視 etc etc……
「評価されない」、でも「解雇されない」働き方を、「窓際の椅子は誰にも譲らねえ!」と熱い思いでひたすら徹底し、めでたく雑務課への第一歩である北関東ダンボールセンターに左遷される――、というのが、第1話のストーリーである。
まぁ、暇な人はぜひ見ていただきたい。かなり笑える。というか、かなり笑った。