WBC世界バンタム級王者山中慎介(32=帝拳)が13日、大阪市内で8度目の防衛戦(16日、大阪府立体育会館)の予備検診に臨み、挑戦者の同級7位ディエゴ・サンティリャン(27=アルゼンチン)と初対面した。相手に万全のコンディションでリングに立つことを求めるなど、仕上がりの良さをアピール。宿泊中のホテルからの散歩中に、かねて興味を持っていた老舗カレー店を偶然見つけたエピソードも披露した。吉兆を味方に、勝利に突き進む。

 勝利のお告げはカレー? 検診後の会見に臨んだ山中が、うれしそうに前日の吉兆を明かした。散歩中に、創業100年を超える老舗「自由軒」をホテル近くに発見。日本王座を獲得した10年6月の試合後に食べそびれたという大阪名物に「ずっと行きたいと思っていた。忘れていたけど、たまたま見つけてテンションが上がった。運命を感じたし、試合後に食べに行きたい」と表情を緩めた。

 失敗は繰り返さない。横に並ぶことはなかったが、初対面したサンティリャンの身長をしっかりと確認。10センチ差は、連続KO防衛記録が途絶え「打つ場所がなかった」と悔しがったV7戦と同じ。こだわりのKO勝利に向け「前回の経験を生かしたい。パンチを体に当てられれば何とかなるし、考えながら戦っていきたい」と作戦の一端を明かした。

 23戦全勝の挑戦者に「万全の状態でリングに上がって欲しい」と求めるほど、自身の仕上がりには手応えを感じている。コンディションを問われると「良すぎるぐらい良い」と力を込めて言い切った。日本人王者歴代4位タイとなるV8も、単なる通過点にする覚悟だ。【奥山将志】