(2015年4月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
2015年初め、米国は力強い景気回復に乗り出したと見られており、少なくとも3%の経済成長が予想されていた。米連邦準備理事会(FRB)は目前に迫った金融引き締めについて語っていた(そして今も語っている)。
一方、ユーロ圏は景気不振にはまり込んでいると見られており、欧州中央銀行(ECB)がまさに量的緩和政策を発表しようとしていた。
ところが、ここへ来て、米国の成長の勢いが鈍る一方でユーロ圏のそれが回復している。
何が起きているのか。また、それはなぜなのか。そして、これは政策にとってどんな意味を持ち得るのだろうか。
今のところ、予想のコンセンサスに目立った変化はない。3月のコンセンサスはまだ、米国が2015年に3.1%、2016年に2.9%成長するというものだった。一方、ユーロ圏は今年の成長率がたった1.4%、2016年が1.7%にとどまると見られている。
欧米の相対的パフォーマンスに大きな変化
だが、ギャビン・デービス氏が指摘しているように、欧米の相対的なパフォーマンスに大きな変化が起きている。
同氏の推計では、米国の年率換算の成長率は現在、わずか2.0%で推移しており、1カ月前の2.5%、昨年秋の4.0%から減速した。一方、ユーロ圏の年率換算の成長率は1.7%で、2月の1.3%から上昇したという。