出張に使うホテルの決め手は?
楽天トラベルが1月に発表した「出張に関するアンケート」結果によれば、1位「価格」、2位「立地」は当然として、3位に「朝食の質、量」がランクインした。これは、観光旅行客の選ぶポイントとはひと味違う傾向で、ビジネスホテルのサービス差別化といえばビデオ視聴やインターネット接続が中心だったが、これらが一般化した今、朝食の充実が新たな戦場となっているのだ。
回答者の約半数は「定宿」があると答えている。この調査では95.5%の人が出張時のホテルは自分で予約したと答えており、ホテル選びには本人の意志が強く反映されていることがうかがえる。「リピートしたい!評価の高い出張向けチェーンホテルTOP10」の1位にはリッチモンドホテルズが選ばれ、朝食に、バッテラ寿司、どて煮、たこ焼き(なんば大国町)、土鍋博多地鶏雑炊(博多駅前)、皿うどん、長崎採れアジみりん干し(長崎思案橋)といった地元メニューに力を入れている。2位のドーミーインもしじみ飯、出雲そば(EXPRESS松江)、めはり寿司、茶がゆ、くじらの竜田揚げ(PREMIUM和歌山)といった具合だ。ホテルチェーンだからどこでも同じサービスではなく、地域の特色を生かした朝食は、特に全国に出張を繰り返す人にはうれしいはずだ。
ドーミーインは各施設ごとに地元の名物料理が楽しめるというのが特徴で、全国各地の朝食が一覧できるページもあるので見比べてみるとおもしろいだろう。
このアンケートの対象は平均客単価が1万円以下のチェーンホテルで、出張宿泊先としてはやや高価格帯の施設がランキングの中心になっている。そのため接客や設備など総合的な満足度が高く、それでいて値ごろ感がある。それより下の価格帯=まず「価格」で選ばれるビジネスホテルでは、「朝食戦争」が激化している。
パン、おにぎりなどの無料朝食が基本だった東横インも、現在一部店舗では朝カレー、ちらし寿司、大根のそぼろ煮などを用意している。ロハスがテーマのスーパーホテルは有機野菜や有機味噌、特別栽培米を使った健康朝食が特色で、ルートインは本格的な朝食バイキングに力を入れている。HOTEL AZグループなど地方の小規模チェーンや独立経営のビジネスホテルにも、「無料朝食」を提供するところがある。
価格で勝負する低価格帯のビジネスホテルは設備やサービスでは独自の魅力を出しにくい。そのため、高価格帯のビジネスホテル以上に、無料朝食を充実させてリピーターを獲得したいところだ。その結果、低価格帯のホテルの無料朝食が、一般的なビジネスホテルの有料朝食をしのぎかねない現象さえ一部で起きているのだ。
無料朝食の質が向上すれば、有料にしているホテルはその上のサービスを提供せざるをえない。そんなわけでビジネスホテルの朝食のレベルは全体的に向上し、「朝食が出張の楽しみ」と考えるビジネスマンが増加中だ。「無料なのにこの内容!?」という驚きさえある「ビジネスホテルの朝食」が、新しいホテル選びの基準となりつつある。
文 ジュラ・高橋洋
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▽1位:リッチモンドホテルズ▽2位:ドーミーイン▽3位:ダイワロイネットホテルズ▽4位:JR九州ホテルグループ▽5位:ベッセルホテルズ▽6位:三井ガーデンホテルズ▽7位:ホテルメッツ(JR東日本ホテルズ)▽8位:ホテルオークラ・JALホテルズ▽9位:メトロポリタンホテルズ(JR東日本ホテルズ)▽10位:都ホテルズ&リゾーツ
女性スタッフが考え抜いた女性専用ルームを完備。「ダイワロイネットホテル仙台」は朝食に名物、笹かまぼこも。
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「地産地消」の素材やイタリアンなどクオリティーにこだわった朝食が自慢。全米ホテルベッドシェアNo.1のサータ社製ベッドやロフテー社と共同開発したオリジナル枕などが客室に。
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JAL国内線就航地や県庁所在地を中心に展開。朝食ビュッフェに焼きたてパンが用意されているホテルもある。
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