残業代ゼロ制度:反対プロジェクト発足 労働法学者ら
毎日新聞 2015年04月13日 20時05分(最終更新 04月13日 20時41分)
高収入で専門的な仕事につく人を労働時間規制から除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション」(残業代ゼロ制度)に反対する労働法学者らが13日、同制度を考える「かえせ☆生活時間プロジェクト」を発足させた。
プロジェクトの発起人は、浜村彰法政大教授や浅倉むつ子早大大学院教授など労働法学者5人と、マタニティーハラスメント問題などに取り組む圷(あくつ)由美子弁護士。学者らは、同制度が年収と仕事の専門性で対象者を定め、労働時間など仕事に関する裁量権の定めがないことから「使用者の職務命令で働かされ放題となる制度だ」と指摘する。浜村教授は「仕事で時間を奪われ、子育てや家庭生活、地域活動への参加など人間らしい生活が喪失する」と制度の危険性を強調した。
プロジェクトは生活時間の視点からフォーラムや集会を企画し、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業や女性グループ、与党議員も含めるなど幅広い層に参加を呼びかけたいとしている。同制度は労働基準法改正案に盛り込まれ、政府は今国会での成立を目指している。
27日に衆院議員会館でフォーラムを、5月14日には日比谷野外音楽堂での集会を予定している。問い合わせは旬報法律事務所(03・3580・5311)へ。【東海林智】