高木勇、開幕3連勝!7回降板直後に強運「逆転待ってた」

2015年4月13日6時0分  スポーツ報知
  • 3勝目を挙げ、笑顔の高木勇はスタンドにサインボールを投げ入れた

    3勝目を挙げ、笑顔の高木勇はスタンドにサインボールを投げ入れた

 ◆巨人6―1ヤクルト(12日・東京ドーム)

 「サンデー勇人」の誕生だ。巨人のドラフト3位・高木勇が、7回1失点で開幕3連勝。巨人の新人で3戦3勝は、00年の高橋尚(現DeNA)以来、15年ぶりの快挙となった。打線は7回に3つの押し出し四球でひっくり返し、8回は坂本の4番初安打となるタイムリーなどでダメ押しした。チームは2カードぶりに勝ち越した。

 味方の反撃を信じていた。「逆転をしてもらうイメージを持って待っていました」。高木勇の願いは通じた。坂本の押し出し四球で勝ち越した瞬間、逆転の糸口となる四球を選んだセペダとグータッチ。1点を取られてベンチに戻ってきた悔しさは、喜びへと変わった。

 粘り強さが勝利につながった。7回。先頭の畠山に四球を出し、犠打などで1死一、三塁のピンチを背負った。自慢のカットボールが狙われていると感じ、バッテリーはシュートを選択。中村を詰まらせたが打球は左前に落ちた。

 ただ、ここからが真骨頂だった。なおも一、二塁。「僕は、点を取られ『どうしよう』とか、点を『取られた』と思っていない。目の前の打者を打ち取ることしか考えていなかった」。ポリシーを貫き、後続を断った。打線が序盤に先制点を奪った過去2戦とは違い投手戦となったが、6回まではカットボール、スライダーなど多彩な球種で要所を締めて無失点、3度目も結果を出した。

 原監督は「(高木勇は)非常に安定感もある。しっかり戦っていると勝利投手というものも来る」と信頼を口にした。7回5安打1失点で開幕から3戦3勝。巨人の新人では00年の高橋尚(DeNA)以来、15年ぶりの快挙だ。高木勇は「うれしいです。でも今から次の登板への準備をしたい」と慢心はなかった。

 自然体を貫くが、周囲の見る目は変化している。広島遠征中だった前回(7日)の休日。原爆ドームの見学と地元の商店街で買い物をした。歩いていると少年たちに「あ、高木投手だ」と気づかれた。スマートフォンのカメラを向けられ野球ファンの間では“時の人”だ。メディアの報道も過熱で練習時間が削られることもあるが「こうして報じていただけることはうれしいことです」。謙虚な姿勢はルーキーそのものだ。

 プロ初登板初勝利した田口に続く好投で、チームは2カードぶりに勝ち越した。25歳の新人右腕は、3週連続で日曜日のヒーローインタビューを受けた。「サンデー勇人」の襲名だ。「僕は、僕です」という名ゼリフを残した前回と同じく、この日も「僕は、今日がんばりました!」。お立ち台の“僕はシリーズ”の定着を予感させた。こんな楽しいお立ち台なら、毎週でもファンは飽きない。(楢崎 豊)

 ◆高木勇のこれまでのお立ち台

 ▽3月29日・DeNA戦(東京D) プロ初登板を6回2失点で勝利。社会人で7年プレーし、5度のドラフト指名漏れと苦労した末の白星に「あの…今まで頑張ってきてよかったです」と目に涙を浮かべ、両親やこれまでの指導者らに感謝。

 ▽4月5日・阪神戦(東京D) 2安打完封で2勝目。インタビュアーから「ファンの皆さんに自分のピッチングの強さは『こんなところだ』というところをぜひ、おっしゃってください」と促されると「僕は、僕です。しっかり次へ向かって頑張ります」と真顔で答える。

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