福島に屋内砂場が続々 支援の同女大教授がサイト開設
京都新聞 4月13日(月)10時18分配信
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の影響で、屋外活動の制限が一部で続く福島県を砂遊びの中心地にしようと、京都の研究者が支援を続けている。今月、砂遊びの魅力や砂場の情報を発信するホームページ(HP)を開設した。「砂や泥で遊ぶ楽しみを失いかけたからこそ、その大切さを伝えたい」と語る。
同志社女子大現代社会学部教授の笠間浩幸さん(56)。幼児教育学が専門で、砂遊びと子どもの発達に関する研究に取り組んでいる。五感を刺激し創造力を育む砂遊びの魅力を大人にも体感してもらおうと、各地でワークショップを催している。
出身は福島県いわき市。古里を襲った災禍に「直後は何をすればよいか随分悩んだが、福島で暮らす子どもたちの存在は看過できなかった」と打ち明ける。
震災翌年、中古のコンテナを活用した砂場を福島市の幼稚園に届ける活動を開始。2013年11月には、屋内砂場の可能性を研究者や保育関係者と議論する「福島インドア砂場サミット」を開いた。昨春は、巨大な砂場で遊ぶ催しを郡山市の私立幼稚園協会と企画し、2日間で延べ8500人の家族連れが訪れた。
制作したHPのタイトルは「福島Sand物語」。震災以降、福島県内には約20カ所の屋内砂場が開設されており、その規模は「全国最大」という。そうした施設紹介をはじめ、関連のイベント情報や「こんな砂場を作った」などの声を集め、砂遊びに関する情報を総合的に発信する。
「三都物語」をもじった「Sand」には、県内の浜通り・中通り・会津地方を結び、福島での砂遊びが豊かになるとの願いを込めた。笠間さんは「『福島は危ない』というイメージを抱くのではなく、砂場をきっかけに互いに支え合える関係が生まれればうれしい」と語る。
HPのURLはhttp://www.fukushima−sand−story.com
最終更新:4月13日(月)10時18分
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