関西電力高浜原発３、４号機（福井県高浜町）の運転差し止めを求め、周辺の住民らが申し立てた仮処分で、福井地裁（樋口英明裁判長）は１４日に決定を出す。決定はすぐに効力を発揮する。差し止められた場合、関電は不服を申し立てるとみられ、主張が認められない限り再稼働できない。

　高浜３、４号機は２月、九州電力川内原発（鹿児島県）に続き、原子力規制委員会による適合性審査に合格。現在、地元の同意に焦点が移っており、関電は１１月の再稼働を想定している。

　仮処分の争点は、過酷事故が起きる可能性や再稼働が差し迫っているかなど。住民側は、関電が想定する基準地震動（耐震設計の目安となる揺れ）を超える地震により、放射性物質が飛散する過酷事故に陥ると主張。関電は「津波や地震の際の安全は確保できている」と反論している。

　樋口裁判長は昨年５月、関電大飯原発３、４号機（福井県おおい町）の運転差し止めを命じる判決を言い渡し、名古屋高裁金沢支部で控訴審が係争中。住民らは１２月「決定を勝ち取れば、即座に原発を止めることができる」として、高浜と大飯の計４基の仮処分を申し立てた。大飯の２基の審理は分離された。