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【戦後70年】特攻(8)人間魚雷「回天」隊員が遺した「2分半の肉声」…円盤に刻まれた感謝と日本人の心

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【戦後70年】
特攻(8)人間魚雷「回天」隊員が遺した「2分半の肉声」…円盤に刻まれた感謝と日本人の心

特攻隊の出撃を見送る人たちも様々な思いを胸に抱いていた(森丘哲四郎少尉の妹、名和まさゑさん提供)

 当時9歳だった悠策さんには少尉に強烈な思い出がある。19年11月、久しぶりに実家に戻った少尉に胸ぐらをつかまれ、頬をたたかれた。「両親のことはお前に頼んだぞと、たった1人の弟に言いたかったのだと思う。体でそれを覚えさせようとしたのだろう」

 母親に、心境をつづった1冊の手帳も残していた。

 「俺ハ立派ナ日本人ニナレレバ満足ダ。忠義一途ノ人間ニナレバ、ソレガ人ニ知ラレズニ消エヨウト、誤解ノ中ニ葬ラレヨウト、俺ハ満足ダ」

 悠策さんは「手帳を読んでいると、国のために夢中になって、自分のことを考えていないことが分かる。今の人には全然ないことだ。そんな日本に歯ぎしりしている人はたくさんいるよ」と涙を浮かべた。

   ×   ×

 回天を考案した海軍機関学校51期の黒木博司大尉=当時(22)、殉職後少佐=は、妹の教子(のりこ)さん(88)に古事記を読むことを勧め、こう伝えている。

 「皆が自分を忘れて御国(おくに)の為に捧げる日本の本当の姿にかえる日を未だ生まれない明日の日本、十年二十年後の日本の子供に望みをかけているのです…略…しっかりしっかり本当に心して勉学をしなくては駄目です…略…本当に御国の為を思う真心の勉強です」

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