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【安倍政権考】
翁長沖縄知事「敵意」むき出しで首相と面会して何を得ようとしているのか
翁長氏が首相との会談を求めた理由は明らかではない。初めて顔を合わせた菅氏にいきなり要求したのは、首相でなければならない理由があるからだろうか。ただ首相に会い、菅氏のときと同じように、自らの主張をひたすら開陳するだけならば、支持者向けの政治的パフォーマンスのためだけに首相を引きずり出したとのそしりは免れない。
沖縄県では、6月23日を先の大戦の沖縄戦が終結した日として「慰霊の日」と定め、毎年この日に沖縄全戦没者追悼式が糸満市の平和祈念公園で開催される。ことしは沖縄戦も「終結70年」の節目になる。
式典には歴代の首相が出席してきた。安倍首相も昨年、一昨年と出席し、その機会を利用して仲井真氏と会食している。
首相は式典への出席に合わせて翁長氏と会談する可能性がある。ただ、翁長氏は追悼式で読み上げる平和宣言に、普天間の県外移設を要求する方針を盛り込む意向を表明している。翁長氏が翻意しない限り、首相は敵意むき出しの翁長氏と会談してもメリットは限りなく小さい。しかし、見送れば見送ったで批判を浴びかねない。首相も実は、難しい判断を迫られそうだ。
(政治部 峯匡孝)