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【安倍政権考】
翁長沖縄知事「敵意」むき出しで首相と面会して何を得ようとしているのか
菅義偉(すが・よしひで)官房長官と沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事による5日の初会談は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古への移設をめぐって双方が主張を譲らず、「平行線」に終わった。翁長氏は政府の辺野古移設方針を「上から目線」「政治の堕落」となじり、両氏が一致したのはこの会談を「第一歩」として今後も協議を継続することだった。翁長氏はこの場で安倍晋三首相との会談を要求したが、何を見いだそうとしているのか。
「翁長」コールに押され…
会談が行われた5日午前。那覇市内のホテル近くには数百人規模の辺野古移設反対派が集結した。沖縄県警は警察官をホテル周辺に大量動員し、大がかりな警備を実施した。
「頑張れ、頑張れ、翁長」
翁長氏を乗せた乗用車が反対派の前を通ると騒然となり、翁長氏は車の窓を開け、手を挙げて歓声に応えた。翁長氏は昨年11月の知事選で、辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を承認した当時現職の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏を破った。その原動力となった辺野古反対派の声援を背に、菅氏が待つ会場に入った。