大谷を怪物にした花巻東高校の「目標達成用紙」
NewsPicks 3月27日(金)10時31分配信
佐々木の指導は、練習法もロジカルだ。
「野球では経験論ばかりで語られるところがありますが、うちの指導ではメカニズムとして教えることを大事にしています」
例えば、「いい投手はお尻が大きい」と言われている。従って投手は走り込みを繰り返し、下半身を強化すべきだというのは昔からの定説だ。
だが花巻東では、必要以上に走り込みを重視しない。
「走ってボールが速くなるなら、長距離ランナーはめちゃくちゃ速いはず。投球動作を分解して考えると、下半身で大事なのは大臀筋です。足をステップするときに大臀筋を使いますよね。そこに筋肉をつけたかったら、足を開いた状態でスクワットをすればいい。そうやって物事を分解して考えていけば、正しいことが分かってきます。なんで速いボールを投げられるのか、うちでは科学的に考えています」
走ることで、下半身が鍛えられるのは事実だ。だが、もっと効率的な練習法で下半身の力をアップさせることができれば、残りの時間をほかのトレーニングや勉強にあてられる。万人が1日24時間で生きている以上、合理的に使える者が勝者たり得るのだ。
花巻東では、練習を意欲的に取り組ませるための工夫もある。例えば上体反らしのトレーニングを行う際、佐々木はただ「柔らかくしろ」と言うわけではない。「頑張れば、これくらいになるんだよ」と菊池雄星(西武)の写真を見せる。あるいは「大谷は高校1年のとき、20km増えたよ」と数字を示すことで、やる気に火をつける。大谷や菊池という成功例を引き合いに出すことで、選手は明確な道をイメージできるのだ。
「うちでは腕の位置がどうなっているかとか、映像を見せながら教えていきます。『雄星はこれくらい柔らかかったよ』と見せて、今度は数字でアプローチしていく。やっぱり、計測、計算がないものは伸びていかないと思います。現代のテクノロジーを使いながら、選手を競わせることで伸びていく」
大谷のような才能を誇る選手は、日本中を探しても決して多くない。だからこそ、指導者には大成させる責任があると佐々木は考えている。
「大谷翔平というひとりのスター選手を育てるために、花巻東があるわけではありません。ただ、大谷を育てなければいけないのは、僕の使命です。うちを選んで、来てもらっているわけですからね。その両方を組み合わせながら、本人を伸ばしています」
球界で前人未到の道を切り開き、これからピークにたどり着こうとしている大谷。この「怪物」が現れた背景には、確たる理由があるのだ。(敬称略)
中島 大輔
最終更新:3月27日(金)10時31分
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