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三つ子たちとちょっぴり不器用なママ

不妊治療で三つ子を授かりました。26週の超早産です。

自分と向き合っても時間を無駄にするということで、研究をしない空いた時間に

アルバイトをすることにした(学会シーズンに入ったので今は忙しくなったけれど)。

といっても、無器用な私ができる仕事といえば、頭脳系の仕事であって、

今は大学受験生の指導をしている。

得意分野は論文や論述式の国語や英語長文なのだけれど、会社側の要望で一般的な英語を指導している。

実は、大学受験に関しては、それなりの努力はしたものの

(夫や兄みたいに3時間以上勉強したことがないという超人ではないけれど)、

勉強そのものに抵抗感がなく、あまり苦手感覚がなかったため、

真っ白な人に対していかに効率よく分かりやすく理解させていくのか日々苦戦している。

そう。私も、だけれど、私の兄や夫は結構お気楽に大学受験に成功しているんです。

兄なんて、高校時代はゲーム三昧で、私は兄が勉強したことを目にしたことがない。

なのに、全国模試では常に全国上位5番以内で、

本番の受験会場には漫画本を持ち込んで試験直前までずっと漫画を読んでいたという強者。

夫も、実際はどうなのかはわからないけれど、少なくとも今の研究姿勢についていえば、

普段からそんなに研究しているそぶりはないけれど、いざ論文を書くとなると、

研究書を数冊さらさらとものすごいスピードで読み流し、

なんと一晩でものすごく難解な大論文を書き上げてしまう。

これは、夫の大学の研究室でも今でも伝説になっているという。

夫は中学でも高校でもずっと校内で一番だった人。大学も私よりもずっと優秀な大学を出ている。

そう。私の兄も、そして夫も勉強ができない人の苦労をしらないのだ。


夫からもよく聞く話だけれど、私や兄の小さいときの記憶といえば、

勉強した記憶がない。

少なくとも、小学校の間はず~っと、夕方遅くまで、満足ができるまで遊びに徹していたと思う。

それが、私に関していえば、

高学年になって、歴史書が好きになり、気がつくといろんな調べ事をしていた。

特に、中国の歴史に興味があり、様々な論説文を読んでいたが、どの学者もいろんな学説を唱えている

ことに気がつき、それでは私が実際に原典にあたってみたらいいのではと思うようになった。

それで、実際に中国語の文章を解読し、自分なりの仮説をたてたりもしていた。

そして、気がつくと学校の授業がつまらなくなり、授業中も、そして登下校の間もずっと読書。

時間を忘れてひたすら読書。時々周囲に気がつかず、道路脇の溝に落ちたりもした。

私の本業は歴史の研究をすることであるけれど、これはだれに強要されたわけでもない、

私が勝手に決めた道。親からは一時反対されもした。

結局、大学には10年近くも在籍したのだけれど、自分がやりたいことだから当然ながら、

学費はほぼ自分で稼いで捻出した。

そう。今、私がやっている仕事は親が決めた道にそった生き方ではないのだ。

私の兄や夫にしても然り。親が敷いたレールとは全く違う人生を歩んでいる。


そうなると、今子供のいる私たちが子供たちにしてあげられることといえば何だろうか。

がむしゃらに勉強させることではなく、これからの人生の選択肢を広げてあげることだと思う。

一時私は我を失い、子供たちに勉強を強要したことがあった。

でも、失敗に終わり、成績が落ちるだけでなく、白紙答案を提出するという拒否反応を示すようになった。

それ以後、私は子供には一切勉強を強いることはなく、好きなことを十分好きなようにさせるようにした。

すると、子供たちは読書や創作活動に意欲を示すようになり、気がつくと家中は工作教室と化している。

材料は、A4のコピー用紙しか与えていないのだけれど、それで双眼鏡や万華鏡を作ったりしている。

最近のもっぱらのブームは、本づくり。背表紙から何から何まで自分らで手作りする。

当然ストーリーもしっかりしていて、創造性のないはずの長男ですらいろんな挿絵を書いて

いろんなジャンルの本を完成させている。

読書についても最近では発展性がみられ、連載物(科学・歴史雑誌)の本について、

一冊ずつの本の概略と感想は当然のことながら、全巻の流れについても解説できたりもする。

分析能力はものすごく鋭く、大人顔負けなものを感じてしまう。

そんな彼らであるが、将来、何になりたいかと聞くと、


わからない、という。


そうだろう。私ですら小学校高学年の時にですらまだ将来の夢が確定されておらず、

中学生になってはじめて「中国文学者」といった漠然とした夢が見えてきたのだから。

だから、私は今は、いろんなことにチャレンジさせていろんな可能性を伸ばしてあげたい。

ただし、子供たちには適正はある。

だから、それを私は事前に見極めてそれに沿った導きをしたいと思う。


少なくとも、がり勉は一時的な手段であって、目的ではない。

優秀でなくともいい。いい子でなくてもいい。

素直で優しくて自分らしさがあればそれでいいと思う。

少し欲を言えば、「自分」をもっている人間になってもらいたいと思う。

私は仕事柄プレゼンテーションをすることが多い。

その時に自分をしっかりもっていないと自分の言いたいことが相手にわかりやすく伝えることも

できないし、相手との信頼関係を築くこともできない。

こういうことは机上では学ぶことはできないので、

しっかり小学校に通ってよき先生と沢山のお友達とであって、

子供たちに揉まれながら学ぶべきことだと思う。


私の最近の教育観は変わってきたと思う。

勉強ばかりが全てではない。

今はまだエンジンをかける時期ではない(燃え尽き症候群になるのを恐れるため)。

完全にプログラミングされた自然体験や学習をさせるのではなく、

「自主性」「人間性」をはぐくむことを目的に、できるだけゆとりをもって

いろんなことにチャレンジさせたい。

山登りとか、遺跡探訪とか、近所の科学館での体験とか・・・。

生意気なことをいっているかもしれないけれど、

子供たちにとってやっぱり今はまだ試行錯誤の時期。

ゆっくり長い目で見てあげたい。

そして、将来きっと私たち夫婦が思いもしない職種につく時期がくるだろう。

それでもいい。やりがいがあれば。

その手助けができれば。親は子供の後についていくものなのだから。

そう自身にいい聞かせて、(時々起ってしまうであろう)私自身の暴走を防ぎたい。






















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