Jailbreak

新しい世界の切り取り方

日本のガールズロックバンドを時系列で考察してみる

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ガールズバンドというくくりがある。

女性だけで構成されたバンドのこと。また、自分達で楽器を演奏して歌を歌っているバンド。

 

そんなガールズバンドには流れがあると思う。

とはいえ、売れているものしか耳につかないし、情報だって入ってこない。

ジャズやるべ!ではなく、ロックやるべ!と音楽をやっているであろうガールズロックバンドを考察してみる。

 

 

SHOW-YA(1981年 - 1998年、2005年 -)、プリンセス プリンセス(1983年 - 1996年、2011年 - 2012年)

SHOW-YA スーパー・ベスト

 

きっとガールズバンドを語る上ではこの2大巨頭(いつから巨頭になったんだ?)の存在が大きいだろう。

 なぜ、その存在が大きいか。

後のガールズロックバンドの道を作ったからだ。

 

SHOW-YAは本格的ハードロックバンド。

プリプリは普通のロックバンド。(ハードになりすぎない点が重要)

 

ここからの流れはプリプリが作ったと思われる流れになる。

ハードロックやメタルをやっているガールズロックバンドがあまり売れていない、メインに上がってこない事が上げられる。

 

再結成しても話題に上がるのはプリプリの方が多いし、大々的だ。

事務所の力問題等芸能にはついて回るが、それも含めてつまり、そういうことだ。

 

JUDY AND MARY(1992年 - 2001年)

MIRACLE DIVING

 

厳密にはガールズロックバンドではないのだけれど、後のバンドを語る上で重要なバンドなのだ。

曲はギターのTAKUYAかベースの恩田が書き、歌詞はヴォーカルのYUKIが書いたものが中心であったはずだ。

 

重要なのはYUKIのカリスマ性

ただカワイイだけではなく、歌詞のセンスもファッションセンスもその存在自体がよしとしてしまうような人であり、後のバンドへ「フロントマンとしてのヴォーカル」を提示している。

その後解散しYUKIはソロ活動を行っているが、一定数のお客はついている。

 

ただし、残念ながらYUKIほどのフロントマンが出てきていないのが現在までの流れである。

 

Whiteberry(1994年 - 2004年)、ZONE(1997年 - 2005年、2011年 - 2013年)

 

夏祭り

 

昼ドラの主題歌関連で出てきたWhiteberryとZONE。

どちらも北海道出身だが、系統が異なる。

 

Whiteberry地元で普通の女の子たちが環境に恵まれて音楽をやってメジャーデビュー。つまり、元々アイドルの流れはなく、普通の女の子が楽器を覚えてバンドをやったのだ。

そして、別に見た目が良いわけではない(失礼!)

前述のジュディマリとは関係があり、元々ジュディマリのコピーバンドであり、メジャーデビュー後のプロデュースはジュディマリのベース恩田が務めている。

 

一方、ZONEは芸能養成スクール出身で、その中から選抜されたメンバーだ。

元々はダンスを中心としていたが、楽器を持った結果売れたので本気で練習しなきゃいけない流れになって楽器を覚えている。

後に、芸能養成スクール出身で売れたのはZONEが初ではないだろうか。

 

 

GO!GO!7188(1999年 - 2012年)

 

 パレード

 

解散が悔やまれるバンド、GO!GO!7188

彼女たちも厳密にはガールズバンドではないが、これも後の流れにとっては重要なバンドだ。

系統としてはプリプリであったり、Whiteberryがそうだったように普通の女の子がロックをやりましたという流れだ。 

 

初期はGSロックと呼ばれ、8thシングル「浮舟」がヒットし和製ロックと呼ばれる。

結局何だかんだ呼ばれたが、続けているのはロックだった。

 

彼女たちは少し曲の作り方が変わっている

作詞がベース・ヴォーカルのアッコ、作曲がギター・ヴォーカルのユウが行うという分業制なのだ。

これはアマチュア時代に「こいのうた」の原曲を書いていたユウが歌詞に行き詰ったところを、アッコが歌詞を書いてしっくりいくものになったことによる。

 

つまり、オリジナル曲を書き続けてバンドを継続していくためには、ユウとアッコが協力して曲を作り続ける必要があった。

残念ながら、それがネックとなりユウが脱退を表明し、バンドは解散してしまう。

 

また、MCはベースのアッコが中心に行うという、「普通ヴォーカルとかギターがMCをやるんでしょ」という一般論からは外れているところも魅力。

このようなタイプにはBUMP OF CHICKEN等が含まれる。

 

ちょっと変わった歌詞と絶妙な節回しのメロディに、最小限のバンド構成とコーラス。

バンドを構成する全員がちゃんとやりきってこその価値があるバンドであったし、ガールズバンドとスリーピースバンドの未来を切り開いたバンドであった。

 

 

チャットモンチー(2000年 -)

告白

 

デビュー前後もどんどん形態を変えてもなお継続するバンド、チャットモンチー

このバンドは前述のGO!GO!7188と似ている点が多々あり、流れとしては同じ系統となる。

 

当時3人(うち1人は脱退)が歌詞を書き、ヴォーカルの橋本が作曲をするスタイル

つまり、GO!GO!7188と同じスタイルなのである。

詞先を公言しており、歌詞ができてからメロディを作るスタイルである。

 

そして、音楽がどんどんオルタナティブロックに寄っていく。

自分たちのできるテクニックでできることを増やそうとしているから、どんどん変な方向へ進化していく。

その結果がオルタナティブロックだ。

この点もGO!GO!7188と同様だ。

 

もちろんまっすぐなロックもるのだが、割合的にはオルタナ感があるロックの方が多いだろう。

 

 

メンバーの入れ替わり等でまだ変化をしている最中のバンドであるため、今後さらなる発展を期待する。 

 

SCANDAL(2006年 -)

ENCORE SHOW(初回生産限定盤)(DVD付)

 

SCANDALはボーカル&ダンススクール出身であり、この点においてZONEと同じ系統となる

ただし、ZONEよりは本格的に楽器を演奏している。

 

デビュー当時は高校生であり、制服姿での演奏が目を引いた。

楽曲的にも「Doll」が最初から売れたことと、見た目が派手なこともあり有名になった。

 

現在はライブ活動やレコーディングをコンスタントに行っている。

例に漏れず自分たちでも曲を作っている。

また、SCANDALのコピーバンドコンテストを行うなど、独自の活動を行っている。

 

チャットモンチーGO!GO!7188と違う系統である要因は、やはりダンススクール出身でカワイイ部類に入ることが挙げられる。 

 

 

ねごと(2007年 -)

 

5

 

ねごとはTOKYO FM系『SCHOOL OF LOCK!』の「第1回閃光ライオット」にて審査員特別賞を獲得しているところからキャリアがスタートしている。

つまり、コンテストで注目を集めた形だ。

その点で前述のガールズバンドたちと同じ道を歩んでいる。

ただ、編成にキーボードがいることでまた違う進化をしているバンドである

 

チャットモンチーオルタナティブ感とキーボードの彩りによって世界が広がるかにみえたが、案外売れていないのが残念である。

とはいえ、音楽の系統としてはチャットモンチーと似たような流れであり、バックバンドを追加したチャットモンチーが寄せてきたにせよ、とどんどん似てきている

さらにヴォーカルの雰囲気も似ているし。

 

 

曲作りは沙田瑞紀(ギター)がメロディーとオケを作ったものに、蒼山幸子(ヴォーカル・キーボード)が作詞をするというスタイルだ。

このバンドもネックは沙田瑞紀にあるため、他のメンバーも曲を書くことがあるにしても沙田の負荷が高い状態であろう。

 

きっとねごとの根本はもっとポップな音楽であり、チャットモンチーのロック魂とは似て非なるものなので、その点を出していってもらいたい。 

 

Silent Siren(2010年 -)とSHISHAMO(2010年-)

 

サイレントサイレン

 

Silent Sirenは読者モデル出身者のバンド。それだけに見た目に卒がない。

ねごと同様キーボードがいるバンドなのだが、音楽的特徴があまりないのが残念である。

カワイイお姉ちゃんがバンドやっているだけといった状態。

まだ、SCANDALの方が前へ前へ感があるので良い。

 

 

SHISHAMOはねごと同様バンドコンテスト出身で、系統はチャットモンチー

見た目が悪いのが残念だが、音楽はヴォーカルの声も良くキャッチーである

あとはヒットを待つだけなのだが、いかんせん歌詞が韻を踏んでおらず、詩になってしまっているのが残念。

もう少し音感や語感を大事にした曲作りを願うばかりだ。

 

 

最後に

ガールズロックバンドは系統がいくつかに枝分かれしてきている。

 それでもその前に作った流れから新たな分流ができてちょっとだけ違っている状態である。

 

とはいえ、最近ではチャットモンチーの様なバンドがたくさん存在し、一昔前はJUDY AND MARYであったし、その前はプリプリであったはずだ。

完全に引かれたレールではないにしろ、似たような方向が開拓されているとそこは歩みやすい。

問題はその先に新しい価値を生み出せるかどうかである。

 

ただ女の子が楽器を持って歌うだけでは何も起こらないのである。

 

 

こちらからは以上です。

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