【コラム】ソウル市の日本式漢字純化

【コラム】ソウル市の日本式漢字純化

2015年04月13日15時44分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  ソウル市が日本式漢字語など行政用語23語を純化して使用することにしたと最近、発表した。見出し紙は「探し票」、始末書は「経緯書」、食費と食代は「ごはん代」に変えるという形だ。今年、光復(解放)70周年を迎え、日本の残滓を韓国語に純化するという意図は理解する。しかし23語の用語程度でできることではない。

  研究によると、民法で日本式の民法用語をそのまま借用した語彙は60%にのぼる。我々が使う言葉に日本式の漢字がこれほど多いのは、19世紀末-20世紀初めの近代化過程で一歩進んでいた日本が西洋用語を漢字語で先に翻訳したからだ。特に日帝強占期間、韓国に日本式の漢字が大量に流入した。

  日本は西洋用語をそのまま受け入れず、造語力が高い漢字を使って数多くの概念語を先に作った。この作業には福沢諭吉や西周など当代の学者が参加した。ギリシャ語を根源とするフィロソフィー(philosophy)を明るい学問という意味の「哲学」に、エデュケーション(education)は教えて育てるという「教育」と翻訳した。従来の漢字語の意味を失って現代的な意味を持つようになった文化、経済、自由、大学、民主、会社などがすべて日本式の漢字だ。

  日本は造語法を発展させながら、グローバル用語をずっと翻訳してきた。本来使われた漢字語に新しい意味を入れる方法を見ると、「罪人たちを放して送る」という言葉である放送は「電波を活用したマスコミ」という意味を持つようになった。肖像画の意味で使われた写真はフォトグラフィー(photography)を翻訳するのに使った。それぞれの漢字を合わせて新しい言葉を作り出したりもした。「エアポート」を翻訳しながら空と港を合わせて空港とし、オートモービル(automobile)は自ら動く車という意味の自動車と呼んだ。

  それでも中国は一歩遅れて自主的に訳語を作っている。このため飛行機、汽車、野球、会社、映画などは韓国と日本だけで使われる。中国ではそれぞれ飛機、火車、棒球、公司、電影という。

  ソウル市の意図が分からないわけではないが、日本式の漢字を純化しようとすれば、教科書や新聞用語もすべて変えなければならないだろう。文化の力が概念語から出るということを考えると、さらに残念だ。英語の新しい用語が毎日のようにあふれ出てくる。今からでも我々の訳語を作って新しい概念語を先に獲得する努力が必要だ。そのためには造語に役立つ漢字もさらに前向きに活用しなければいけない。

  クォン・ヨンソル論説委員
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