日銀が13日発表した3月の国内企業物価指数(速報値)は、消費増税の影響を除くベースで前年同月比で2.1%下落した。5カ月連続で前年を下回ったが、足元では原油安が落ち着き、マイナス幅は2月(2.4%)より縮小した。前月比では0.3%上昇と8カ月ぶりのプラスとなった。
企業物価指数は出荷や卸売り段階で企業間で取引する製品の価格水準を示す。増税の影響を含めると、3月は前年同月比0.7%上昇し、伸び率も2月(0.4%)より拡大した。
ドバイ原油が3月上旬に上昇した影響で、ガソリンや灯油など石油製品が前月比で上昇。銅地金など非鉄金属も上がった。企業物価の先行きについて、日銀は「原油価格などが下げ一方向だった雰囲気は変わってきたが、ここ数カ月間は方向感が見えにくい」と指摘する。
日銀が同日発表した2014年度分は、増税の上乗せ分を除くベースで前年度比0.1%下落した。2年ぶりに前年度を下回った。年度後半の原油安やアジアでの電子部品・デバイスの生産能力の向上が押し下げ要因となった。
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