浜田内閣参与:購買力平価からすると120円はかなり円安
2015/04/13 22:43 JST
(ブルームバーグ):内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授は13日夜のBSフジの「プライムニュース」で、購買力平価からすると「120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」との見方を示した。
浜田氏はアベノミクスに関する討論で、円安について「トヨタなど輸出企業はもうかっている。円高時代にもうけていた輸入企業は損を出している」とメリットとデメリットを挙げた。その上で「日銀の金融政策はうまく働いている」と述べた。
リーマン・ショック後の円高を当時の日銀は放置していたと批判した浜田氏は「80円ぐらいから100円ぐらいまで戻す中で、アベノミクスは救世主的な役割を果たした」と評価した。「本の中でも書いたことだが、為替誘導は日本以外みんなやっていた。日本は何もしなかったので痛手を受けた」と指摘した。
日銀の2%の物価目標については、「こだわる必要はない。無理に2%に持っていく必要はない」とした上で、変動しやすいエネルギーの影響を除くためコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価)を目標にすべきだとの持論を展開し、目安として1%程度を挙げた。
株高の割に景気上昇の実感が乏しいとのアベノミクスに対する批判が大手メディアの世論調査などで出ていることについて、浜田氏は「株価が高くなると、消費も増えていく。雇用の指標は良くなっている。安倍政権下で雇用は100万人増えた」と述べた。
2014年10-12月期の需給ギャップが日銀のマイナス0.1%に対し、内閣府がマイナス2.3%になっていることは「日銀の数字は高すぎる。日銀と内閣府の中間ぐらいの数字ではないか」との見方を示した。
浜田氏はアベノミクスの実体経済への波及については、「資金は既に回り始めている。時間はかかるので、待っていて欲しい」とした上で、「消費増税より大幅な法人減税を」と提言し「弱者を本当に救っているのはアベノミクス」と付け加えた。
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更新日時: 2015/04/13 22:43 JST