2015.4.13 05:06(3/4ページ)

大谷、今季初160キロ&開幕3連勝!二刀流・武蔵眠る熊本で快投

6回を抑え、チームメイトを称える日本ハム・大谷=藤崎台県営野球場(撮影・中川春佳)

6回を抑え、チームメイトを称える日本ハム・大谷=藤崎台県営野球場(撮影・中川春佳)【拡大】

 今回の遠征でゆかりの地を訪れる時間はなかったが、「教科書で読んだことしかない」という武蔵の存在は、幼い頃から心に刻まれている。今、置かれている状況は二刀流に取り組んでいた武蔵と同じ。投手か打者かどちらかに専念した方が…という周囲の声を振り払い、伝説を作ろうとする姿は先人に重なる。

 すでに度胸は武蔵級だ。緊迫した投手戦にも「嫌な感じはしなかった。引き締まったすごくいいゲームでした」。自身初の開幕投手を務めた3月27日の楽天戦(札幌ドーム)でも、寮やロッカールームで「緊張しなくて逆にヤバイです」と告白。剣豪ばりの胆力で平然とした姿を見せて、先輩たちを驚かせた。

 「あまり好きではないですが、悪いイメージはないです」と地方球場での相性のよさも変わらず。帯広、函館、旭川と合わせて、22回を投げて失点はいまだ0。不慣れな球場でまたもや勝負強さを発揮した。

 二刀流の祖にささげた今季3勝目。チームの開幕投手の開幕3戦3勝は1989年の西崎幸広以来、26年ぶりの快挙。栗山監督は「難しいスタートの中、うまく切り替えてくれた」とたたえた。14日のロッテ戦(札幌ドーム)には、打者として出場予定。両リーグ一番乗りで10勝に到達したチームのど真ん中に、現代の二刀流、大谷がいる。(中田愛沙美)

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