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LCCの普及を後押ししよう

2015/4/13付
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 成田空港に格安航空会社(LCC)の専用ターミナルが開業した。世界各地で急成長するLCCだが、日本では存在感が小さい。外国人観光客をさらに増やすためにも、手ごろな価格で利用できる空のネットワークを拡充したい。

 成田の新ターミナルは簡素なつくりが特徴だ。従来の空港設備に比べて建設コストを抑えることで、航空会社や乗客の費用負担を軽くした。国内12都市、海外7都市と結んでおり、年間550万人の利用を見込んでいる。

 LCCの普及を促すこうした動きは歓迎したい。国土交通省によると、東南アジアでは航空旅客輸送に占めるLCCの比率が58%に及び、先進国でも西欧は38%、北米も30%に達している。

 それに対して、国内初のLCCであるピーチ・アビエーションが3年前に就航したばかりの日本はこの比率が8%程度しかなく、今後成長の余地は大きい。

 運賃が割安な航空路線が充実すれば、これまで飛行機を利用しなかった若者など新たな需要の裾野が広がるだろう。国内各地の観光振興にもつながり、地方創生にもプラスの効果が期待できる。

 今後、2020年の東京五輪をにらみ、羽田と成田という首都圏2空港の発着枠はさらに拡大する見通しだ。空の競争を活性化するためにも、新たな発着枠の割り振りに際して、LCCの育成という視点も必要ではないか。

 今は認められていない羽田への昼間のLCC就航も検討課題だ。国際的に見て割高な着陸料などの引き下げも欠かせない。

 航空会社の課題はなんと言っても安全の確保だ。ドイツのLCCの墜落事故は、安全第一という基本中の基本を再確認する機会になった。乗員の健康管理や機体の整備には、万全を期してほしい。

 パイロット不足もLCCの成長を妨げる要因だ。昨年は機長のやりくりがつかず、減便を強いられた会社もある。乗員をどう育て、どう確保するかは、国と航空各社がともに取り組むべきテーマだ。

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