ドル高で世界経済は勝ち組と負け組に分裂-摩擦生じる公算も
2015/04/13 10:17 JST
(ブルームバーグ):ドル高進行で世界経済が勝ち組と負け組に色分けされつつある。
ドル相場は貿易加重ベースで十数年来の高値 まで上昇しており、米国に加え、中国など自国通貨がドルに連動しやすい国・地域の競争力が落ちている。また、ドル高は商品価格を押し下げ、ブラジルなどの生産国には逆風となり、企業がドル建てで借り入れていた他の新興国を脅かしている。
一方、ユーロ圏と日本では量的緩和による資金供給が進み、世界市場で企業が優位に立っている。エネルギーの輸入価格が下がっているインドなども恩恵を受けている。
ドイツ銀行証券のチーフエコノミストで、元連邦準備制度理事会(FRB)当局者のピーター・フーパー氏(ニューヨーク在勤)は、「ドル高で世界が勝ち組と負け組に分かれつつある」と指摘する。
米国の景気拡大が貿易相手国のペースを上回り、米金融当局が間もなく利上げに踏み切る一方、他国は緩和的なスタンスを維持するとの観測から、6つの主要通貨に対するドル相場を表すドル指数 は昨年5月6日の安値から約25%上昇している。
ワシントンで今週開かれる国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季総会では、ドル高が主要議題となる見通し。IMFのラガルド専務理事は先週、ドル相場の変動で恩恵を受ける国・地域もあれば、逆風となる所もあるため、世界経済の摩擦を生む可能性があると指摘した。
原題:Dollar’s Rise Reshuffles Global Economy Into Winners and Losers(抜粋)
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更新日時: 2015/04/13 10:17 JST